こちらは富山市に住む男性。40年前、妹が旧統一教会に入会しました。


記者:「これ資料の一部ですか」

妹が元信者だった男性:
「一部です。この20倍ほどあります」
「これです。ここに高麗大理石のつぼって書いてあります。なんの変哲もないつぼが60万円」

当時、信者だった男性の妹が60万円でつぼを購入した契約書。多額の献金で貯金がなくなると、今度は高麗人参や印鑑、つぼなどを売る霊感商法の販売員として教団の活動にのめりこみ、21歳で行方不明になりました。

妹が元信者だった男性:
「家族がいなくなって行方不明になり、ところが、今度はうちが加害者になった。それが本当に悲しかったです」

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当時、両親と妹の4人暮らしだった男性の家庭は崩壊。旧統一教会から妹を救い出すため、関係する資料の収集を始めたと言います。

妹が元信者だった男性:
「私は被害者の親たちと何度も連絡を取り合って情報交換しました。そしたら本当に、もし爆弾つくれるんだったら爆弾つくって自爆テロでもやりたいと本気で言う親もたくさんいました。でも、なぜそれができなかったかと言うと、被害者の親がたくさん集まってるってことは、その子どもがいるわけですよ。子どもたちを死なせたら申し訳ない。だからできないと。そこで思いとどまりました」


山上容疑者のように殺意を抱く人もいたという信者の家族。全国紙や地方紙を別々に購読し、旧統一教会の記事があれば情報を交換しました。

男性は霊感商法の記事を見る度に家族で涙を流したと言います。

妹が元信者だった男性:
「もしかして自分の家族が捕まったんじゃないかと思って、びっくりしてニュース見るわけです。捕まらなければ捕まらないでほっとする気持ちもあるし、もし捕まれば統一教会は関係ないって言いますから、その時点で捨てられる可能性もあるでしょう。統一教会から除名される可能性もある。だからすごく複雑ですね」

男性はキリスト教の牧師や元信者の協力を得て10年間をかけ妹を説得し、脱会に成功しました。


妹が元信者だった男性:
「本当に家族の仲が良い方が入るんです。入信する動機は家族の救い。お父さんお母さんのために頑張ろう。そういう気持ちが強い。だからお父さんお母さんたちは悲しいんですよ。だから泣くんですよ。だから家庭が崩壊するんです。救いがないことがわかったら家に帰ってほしいですね」


『家族の救済』が目的のはずの旧統一教会。男性は、教会に狂わされた妹や家族の人生を返してほしいと訴えています。