「噛んで~!」友近も仰天『吉原炎上』の“名シーン”はこうして生まれた

仁支川峰子、友近、五社巴が語り尽くす
週刊現代 プロフィール

映画界のドンの“裏話”

仁支川 後日、監督は「冗談じゃない。僕は主役だろうが脇役だろうが、どんな子だって、その子が生きるような映像を一生懸命作ってる。いい映画を作るためには一人だけを良く撮ったってダメなんだ」とかんかんに怒ってました。

実はね。私、それ以前に、その男に口説かれたことがあったの。「俺のオンナになったら、次の映画は峰子ちゃんが主演だよ」って。ムカついたから、即座に断ってやりましたよ。「申し訳ないけど、私、惚れないとそういうことできないんですよ。それで仕事がなくなっても仕方ないです」って言い返しました。

五社 女優に手を出しちゃうクセがあることで業界内でも有名でしたから。

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友近 え、これ言っていい話なんですか(笑)。

仁支川 大丈夫でしょ。私は当時から「馬鹿じゃねえか」と思っていましたけど、実際に泣かされた子もいっぱいいたんだから。

五社 今だったらとんでもない話ですけど、当時の映画界ではよく耳にしましたね。ただ、映画をヒットさせる才覚は素晴らしいものがある方でしたよ。

 

実際に『吉原炎上』だって、彼のおかげで大ヒットしました。吉原の町を琵琶湖の畔に見事に再現して、最後は実際に燃やしている。製作費に総額1億2000万円も投じて迫力ある映像が撮れたのも、彼の手腕と言えますよね。だからと言って許される話ではありませんが、映画に罪はないですよ。

仁支川 もちろん。それに、裕子ちゃんを始め、『吉原炎上』に出ている女優さんたちは、みな肝が座っていましたし、そういうことはなかったと思いますよ。

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