突然、五社監督がブチギレた
仁支川 演じ終え、「カットー!」って、監督の声が聞こえて満足したら、そのまま放心状態になっちゃった。「噛んで~!」と絶叫した形のまま、体が動かなくなったの。
友近 それぐらい集中していたんですね。だから、あれほど迫力あるシーンになった。
仁支川 私の異変に気付いた監督が、大慌てで駆け寄ってくれて、着ていた革のジャンパーを私の肩にかけてくれた。それで、「ミネちゃん、大丈夫?」と言いながら、私の体を揺すったんです。それで、やっと我に返ったって感じでした。
友近 ええっと、ご本人を目の前にして、お恥ずかしいのですが……。仁支川さんはダントツに胸の形が綺麗ですよね。
五社 ええ。プロポーション抜群です。
仁支川 やめてよ(笑)。
友近 テーブルの上での絡みのシーンとか、観る度に「すげえ」と驚かされます。この映画って、たしかにハードな絡みが多いのですが、女性から見ても美しい。凄く生々しいんだけど、綺麗だから見てしまうんですよね。
仁支川 『吉原炎上』撮影中の後半ぐらいだったかな。とある映画界の偉い人と監督と私で、一緒に食事していたの。そしたら、酔っ払ったそいつが監督に対して「私(仁支川)の撮り方が、他の女優とは違う」とか言いだした。
それで「峰子ちゃんと、本当はできてるんじゃないの?」って。そしたら、それまでニコニコ飲んでいた監督がぶちギレたんです。それからは、うつむいて一切喋らなくなっちゃった。怒りに、うち震えるっていうのかな。
五社 それは、父のプライドを最も傷つける発言ですからね。