兀(漢字)

普及版 字通「兀(漢字)」の解説


3画

[字音] コツ・ゴツ
[字訓] はげる・たかい

[説文解字]

[字形] 象形
頭の髪をそりおとした形。元(げん)は結髪の形。元の髪を切った形は兀で、首(こんしゆ)という。〔説文〕八下に「高くして上らかなり」と地勢をいう字とするが、下部は人の形である。首の刑を受けたものを兀者という。唐・杜牧の〔阿房宮の賦〕「蜀山兀として阿出づ」は、比喩の用法である。

[訓義]
1. かみを切る、剃髪、頭がはげる。
2. たかい、たかく平らか。
3. 石山などの高くそびえるさま、ひとり寂しいさま、動かぬさま、知覚のないさま。
4. (げつ)と通じ、あしきる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕兀 シヅカニ 〔立〕兀 シヅカナリ

[声系]
〔説文〕に兀声としてなど三字を収める。(ごつ)は兀然として動かないものを、梃子(てこ)でこじ動かす意。ものをそのような角度にすることを兀という。ゆえに危高の意がある。(き)は禹のように二虫を組み合わせたもので、虫(き)の繁文とすべく、兀高の兀に従う字ではない。

[語系]
兀ngut、ngiuatは声近く、頭髪には兀、足切りにはという。また介keatも声義に通ずるところがあり、一介とは不安定な状態をいう。みな一系のである。

[熟語]
兀刑・兀・兀兀傲兀兀兀坐兀爾・兀子・兀日・兀者・兀首兀鷲・兀然兀底・兀的兀突・兀立
[下接語]
兀・傲兀・骨兀・兀・陶兀兀・突兀・揺兀

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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