超大陸「パンゲア」の形成
石炭紀に続く「ペルム紀」は、古生代最後の「紀」で、おおよそ2億9900万年前から始まる。石炭紀から始まった古生代の開幕から存在していた超大陸「ゴンドワナ」と「ローレンシア」、「シベリア」の3大陸が、合体し、唯一無二の超大陸「パンゲア」を形成する。石炭紀の終わりには、地球の主たる陸地は地続きになっていて、動物つたちは、歩いて世界中を旅することができた。
takahashi(地図参考:Rnoald Blockey[Northern Arizona Univercity])
パンゲアは、南極から南半球にかけて広がり、広大な大陸の中央部には、海からの水分が届きづらく、荒野が広がっていた。
この時代を代表する生物として「ディメトロドン」、そして後述する水辺の強者「エリオプス」などが挙げられる。
貧弱な四肢の水中生物
これらエリオプスやディメトロドンの獲物となっていた。そう指摘される四足動物が、「ディプロカウルス(Diplocaulus)」である。
ディプロカウルスも「平滑両生類ではない両生類」だ。エリオプスとは別の「空椎類(くうついるい)」と呼ばれる絶滅グループに分類されている。
ディプロカウルスの全長は1メートルほどで、ブーメランのような形状の頭部を最大の特徴とする。その頭部を含め、胴体も平たく、そして、四肢は細くて短く、長い尾をもっていた。その貧弱な四肢は、浮力のない地上でからだを支えることはできず、そのために、その生涯を水中で過ごしたとみられている。
奇妙な形をした頭部
ディプロカウルスの化石は数百を超える数が発見されており、その標本の分析から成長過程が明らかにされている。すなわち、幼い頃のディプロカウルスの頭部は、ブーメラン型ではなかった。真上から見たその形状は正三角形に近く、たとえるならおにぎりのような形だった。そして、成長にともなって、頭部の両サイドが長くなり、しだいにブーメラン型になっていくという。
実に愛らしい頭部だけれども、他に類をみないこの形は何の役に立ったのだろうか?