日本の伝統的な文様の一つとして【籠目(かごめ)】模様があります。
言葉として有名なのは「かごめかごめ」の子供遊びの歌としてよく昔は遊ばれていました。今の子供でやっているのは見かけませんが、まず40代以上の人は学校や何らかの機会に聞いたり遊んだことがあるかもしれません。
籠目文様と形とは
歌としてのかごめではなく、この文様としての【籠目】とは、竹等で編んだ籠の網の目、または連続した格子状の編組のことです。
画像でいうと、このような形の網模様になります。よくテレビでやっている伝統工芸に使われている竹細工や、日曜的に使う籠等にもこのような模様が使われています。
またこの籠目模様は、単純に編んだ竹の籠の網目から生じた文様ですが、葦・水鳥・柳等の水辺のものと合わせて意匠化されることが多い文様です。
網組の種類としては、上の画像のような六つ目編み、四つ目編み、麻の葉編み、ござ目編み、波網代、松葉編み等、装飾的な特徴を高めたり用途に応じて様々なパターンがあります。
籠目文様のイメージとしてパッと最初に思いつくものとして「六角形」「星」が多いと思います。
とくに、この六芒星のマークが特に印象としてすぐに残るのではないでしょうか?
魔術的な魔方陣の基本形としてあらゆる小説漫画、実際の書物にも使用されていることが多いですし、イスラエルの国旗にもこのマークが使われていることでも有名です。
神聖的なイメージや、何かから守ってくれそうなイメージを形からも受けますが、実際にその通りで、日本においてもこの籠目模様のような連続した文様は魔除けの効果があると言われています。
魔除けや邪を払う籠目模様
上の六芒星の画像の通り、正三角形を上下に重ねた星型の形は悪い物、邪なものを払う力があるとされ、魔除けの記しとして使われています。
日本古来から、そういった物の怪のや邪気、悪霊といった悪い類いは「凝視」されることを嫌うと考えられていて、目がたくさんあるような置物が家の前に置かれて利用されてきました。
籠目模様の隙間も「目」であると捉えられて、それがたくさんの目として魔除けの役割があるとして籠目模様のお札を玄関先に貼るという風習も生まれました。
日本だけでなく海外においても、この籠目の六芒星のマークは神聖なものとして認識されている珍しい紋章です。
笑顔が世界共通であるように、この六芒星・籠目模様のマークも人として「神聖」という共通認識がされているということはとても興味深いものです。
ということで今回は文様の中でも他のものと違って特殊な「籠目(かごめ)」についてでした。
日本の伝統は守るべきものであると同時に、調べるほどに意味が深いものでした。