実践倫理宏正会の活動は、現在の生活を「より善い」ものにしようと希望する人々の、自主的な実践努力を中心にしています。
会員は、当会75年間の実績から抽出された最も効果的な実践のノウハウを活用して、一人ひとりが自主的かつ自発的に、自分の問題を自分で解決する実践活動を行います。
また、毎朝の朝起会や春秋の大会、適宜開催される座談会や勉強会、講演会では、明るく元気な暮らしを実現した実践例が報告されるなど、会員相互の学習と親睦が図られています。
朝起会は実践倫理宏正会の最も中心的な活動です。早寝早起きは誰にでもすぐに実践できて、明るく元気な暮らしを実現するのに最も効果的な実践活動です。
早寝早起きはさまざまなストレスを解消し、精神の安定と気力の充実を促進し、また、子どもの成長ホルモンの分泌を促すなど、人間の身体のメカニズムに適った、きわめてすぐれた実践であることは、医学的にも証明されています。
毎朝5時から6時まで、爽快な朝の大気のなか、全国の朝起会場で一斉に行なわれる朝起会では、参加者全員が『朝の誓』を唱和して、今日一日の明るく元気で積極的な活動を誓い合います。
朝起会で唱和する『朝の誓』は、今日一日をより善く生きるための基本的な心構えです。
『朝の誓』はたった5項目です。また、5項目のすべてが「今日一日」に限定されていますから、実践しようと希望すれば、誰にでもすぐに実践することができて、しかも効果がすぐに現われる実践です。
『朝の誓』の実践が、自分と周囲の人々に明るく元気な暮らしを実現する、第一歩になります。
(第一項の「三つの恩」とは、親の恩、師の恩、社会の恩のことです。
第五項の「三つの無駄」は、物の無駄、時の無駄、心の無駄のことです。)
『朝の誓』を今日一日の基本的な心構えとして、会員は自分自身の課題を自分で見定め、実践の目標を設定し、自主的な実践によって問題を解決していきます。
しかし、個人的な実践目標が自分勝手なものであったり、はた迷惑なものであってはなりません。実践倫理宏正会ではいくつかのキーワードを設定して、個人的な実践目標を、自分のためになると同時に人のためにもなるもの、自分を高めるとともに人にも喜んでもらえるものに昇華しています。
実践倫理が最も大切にしているキーワードのひとつです。
人間同士は助け合わなければ生きてはいけません。さらに言えば、地球上の生物はすべて助け合い支え合っている、広い意味で「共生」しています。地球上に生きとし生けるものは、「大自然の摂理」によって、それぞれが何らかの役割を与えられていて、互いにその役割を果たすことで、他の生き物を支えるようにつくられています。
人間関係においても、人を受け容れ、助け合うことが大切なのです。
実践倫理では「幸せ」を「仕合わせ」と表記します。
周りの人々と互いに仕え合い共に仕合わせになろう、という考えからです。では、どうしたらその「仕合わせ」を感じることができるのでしょうか。その秘訣は、「テイク(求める)」ではなく「ギブ(与える)」の精神にあります。人に「求める心」を減らして、「与える心」を増やしていくのです。それを義務感からではなく、自らすすんで楽しく実践するのです。
「見返りを求めない実践」こそ、倫理実践の原点であり、神髄であります。
「共生」や「仕え合う仕合わせ」を最初に実現できる場が家庭です。
家族一人ひとりが自分の家族を愛し、家庭内での自分の役割をしっかりと果たす。そうしてもたらされる和やかで調和した状態、豊かで愛に満ちた状態。それが「家庭愛和」です。「家庭愛和」は、利益や効率を追求する功利的な社会の物差しとは別に、家族の物差し、つまり愛の物差しによって成り立っているのです。
家族一人ひとりがかけがえのない存在であることを、深く胸に刻んで家庭愛和を実現していきましょう。
人間に生まれながらに備わっているさまざまな能力のうちで、プラスの方向に働く力が「倫理力」です。ただし、自分だけのプラスに働くのではなく、自分と共に生きる人々のプラスにもなるように働く、人としてごく自然な心の働きのことです。
実践の目標は、つねに「倫理力」に照らして自然なもの、積極的に肯定できるものに設定されます。
目の前の現実を、善い側面も悪い側面も、あるがままに受け入れるのが「現実大肯定」です。
恐れず、逃げず、逆らわずに、目の前の現実をいったん素直に受け容れ、わが会の教えを実践することで、善い方向に変えてゆく。これが「現実大肯定」の気構えです。この「現実大肯定」の姿勢を表しているのが、「はい」「ありがとう」「ごめんなさい」の実践です。口先だけではない、心からの「はい」と「ありがとう」、そして「ごめんなさい」は、現実を素直に丸ごと受け容れ、肯定する言葉です。
あるがままの現実を直視するところから出発するのです。
自分の心の動きをコントロールして、いつも機嫌よく対応する態度のことです。
実践は気分に属するのではなく、意志に属しています。自分が暗い顔をしていたら、自分の苦しさと関係のない周りの人びとまで暗い気持ちにさせてしまう。だから、そうさせないために、周りの人々への思いやりとして、苦しいにもかかわらずユーモアを語り、笑顔を見せて上機嫌に振る舞うのです。
私たちが上機嫌でいることが周りの人を安心させ、仕合わせにするのです
大宇宙から人間世界まで、すべての自然界の現象を生起させる法則性が「大自然の摂理」です。
人間が、自然界や人間世界に生起するさまざまな事象の中に発見し、合理的に実証できたものを「科学」と呼ぶのに対して、「大自然の摂理」はまだ科学的には解明されていない膨大な法則性のすべてを指しています。
実践倫理はこの「大自然の摂理」に沿って、無理や不自然を排して自然に生きることを理想としています。
各地区や各会場の主催で、随時、希望者が参加して座談会が行なわれます。「子育て」「教育」「夫婦愛和」「仕事と倫理」など、具体的なテーマを立てて、参加者が互いの体験などを語り合い、倫理の実践による個人的な問題の解決を助け合います。
座談会よりも大規模な学びの場です。地区や会場がさまざまなテーマを設けて開催し、会員の実践体験の発表や識者による講演に学びます。講演から得られた問題解決のためのノウハウは、個々人の自主的な実践に活用されます。
壮年部、婦人部、男子青年部、女子青年部などの、性別・年齢別の部会があります。各部会では、同世代どうし、同性どうしでこそ理解し合い、支え合うことができる事例についての座談会や勉強会が開催されています。
夏季には、各部会の代表メンバーによる「全国錬成会」が、石川県金沢市の研修施設で開催されます。
春季と秋季の2回、全国各地区で、会長はじめ代表会友が講演する実践倫理講演会(大会)が開催されます。大会では、明るく元気な家庭の確立を通じて、共に生きる仕合わせに貫かれた共生社会を実現するために、私たちがいま取り組むべき実践課題が提示されます。
また、倫理の実践によって家庭愛和などの仕合わせを実現した会員によって、倫理を踏んで生きる喜びを広く知っていただくための普及活動が、適宜自発的に行なわれています。