KinKi Kidsと吉田拓郎の強い絆『LOVE LOVE あいしてる』三浦淳CPが語る復活の舞台裏
7月21日(木)20時~『LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP』
キャスティングや歌唱曲のセレクトに苦戦「1歩進んで2歩下がる」
──その後、特番は実現に向けてスムーズに進んでいったのでしょうか?
スムーズではなかったですね(笑)。ゲストや番組で歌う歌に関して、いろいろとありました。
拓郎さんのアルバム「ah-面白かった」の題字を書くという光一さんの現場と、アルバム収録曲の編曲とギター演奏に参加されている剛さんの現場に立ち会わせていただいたのですが、そのときに「ゲストはどうする?」という話になって。拓郎さんは「キンキの呼びたい人を呼ぼう」「僕に会わせたい人、いない?」とお話されていたんです。
それで、キンキのお2人には「考えておいてください」とお願いしていたのですが、後日いろいろとお話をしていたら、拓郎さんの中で、すでに会いたい人が明確に決まっていて(笑)。今回出演していただく、あいみょんさんと木村拓哉さんは、毎回話題に上がっていました。
歌に関しても拓郎さんは「この曲が歌いたい」と言いつつ、「キンキにも歌いたい曲を聞いてくれ」と、キンキのことも考えてくださっていて。キンキからは拓郎さんの曲があがってきて「いいですね!」と盛り上がっていると、拓郎さんが「僕の曲はやりたくない」と言いだしたり(笑)。
コロナ禍で、直接会ってみんなで会話ができない状況だったので、スムーズにはまとめられず、1歩進んで2歩下がるということが続きました。それでも、放送する枠が決まったり、何人かゲストが決まったり、1個ずつ決まってくことを拓郎さんも「それはうれしいね」と喜んでくださっていたのが、すごく印象的です。
──改めて今回の特番の制作過程と収録を振り返って、特に印象に残っている場面を教えてください。
バラエティ番組を含めて、いろいろな番組を制作している中で一番ワクワクするのは、番組側が「こうしたい」とか「こうならないか」と考えていることを上回ることが起きたときなんです。
今回で言うと、キンキと拓郎さんが合作した新曲「Sayonara あいしてる」は、その一つ。この日のために、この番組のために生まれたということにグッときましたね。
<KinKi Kids&吉田拓郎が語る、初の合作曲「Sayonara あいしてる」制作の舞台裏>
木村拓哉さんの選んだ楽曲「硝子の少年」もグッときました。
木村さんは当初「なんで僕がゲストなの?」と、驚かれていました。僕がひたすら「拓郎さんの指名で」「拓郎さんが会いたがっている」とお話しても「本当に!?拓郎さんと接点ないですよ?」と、なかなか信じていただけなくて(笑)。
それでも出演をご快諾いただき、「何を歌うか」という話になったときに、拓郎さんの最後の番組出演で、キンキの25周年で、視聴者に向けて「自分ができること」というのをすごく考えてくださったんです。
番組としては、もともとのコンセプトが「ゲストのラブラブな歌をセッションしましょう」ということだったので、「木村さんの好きな楽曲を」と聞き出そうとしましたが、「記念すべき回にやるのはその曲じゃない」と。すごく悩まれていて、悩んで、悩んで、最後たどり着いたのが「硝子の少年」でした。
しかも、「バックダンサーとして踊りたい」と。キンキを立てる演出──自分と、当時キンキのバックをやっていた風間(俊介)さんと生田(斗真)さんを呼んで、バックダンサーに徹したいという話が出てきて。さらに、「キンキにサプライズでやりたい」という話もあって。
木村さんに「バックダンサーを」なんて、僕らからは絶対にお願いできないですし(笑)、すごいものが生まれたなと思いましたね。
風間さんと生田さんに関しても、スタジオトークで「今日はこの2人が来てくれました!」と呼び込むこともせず、歌が始まったらいるぐらいの感じでご出演いただきました(笑)。「あれ!?」っていうぐらいが面白いんじゃないかという、木村さんの提案で。そんなこと風間さん、生田さんに言える人も木村さんくらいしかいないですし、木村さんだからこそ生まれたパフォーマンスでした。