山上容疑者が送っていた「統一教会”SOS”メール」現物入手!
’21年9月12日、旧統一教会の関連団体である『天宙平和連合(UPF)』の大規模オンラインイベントが開かれた。安倍元首相はその集会にビデオメッセージを送り、「世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ、みなさまに敬意を表します」などと、旧統一教会の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁を称賛したのだ。
山上容疑者はこのビデオメッセージを見てつながりを確信。「殺すしかないと思った」と供述している。
安倍元首相と教団とのつながりは、祖父・岸信介元首相にまで遡る。’68年に統一教会系の政治団体『国際勝共連合』が結成された際、岸元首相はこれに協力。その後も、信者の前での講演や教祖との対話も行っていたとされる。
「密接な関係は受け継がれ、’06年に安倍元首相は『UPF』主催のイベントに祝電を送っています。’10年、’12年には関連団体の定例会とシンポジウムに安倍元首相本人が登壇。8万票と言われる組織票だけでなく、選挙の際の人員派遣を期待できる教団との関係を維持しておくことは、安倍元首相にとっても利点があったのでしょう」(前出・鈴木氏)
山上容疑者が旧統一教会と安倍元首相との関係をどこまで知っていたかは定かではない。ただ結果として、「密接なつながり」があったがゆえに安倍元首相はビデオメッセージを送り、それが山上容疑者を凶行に走らせたことは事実だ。
全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士が言う。
「山上容疑者の母親のように、破産するほどのめり込むケースは珍しくありません。旧統一教会には現在も、間違いなく献金ノルマがあります。目標額が課され、達成できなければ信者は厳しく叱責を受ける。多額献金による被害は、現在進行形で続いているのです」
旧統一教会は本誌の取材に、
「以前は、献金に関して行き過ぎた指導をした教会の責任者もいたようです。ただ、’09年のコンプライアンス宣言以降に問題となる行為をしたことはない」
と、答えた。
背景にある献金制度、そして安倍元首相と旧統一教会の関係を解明しなければ、「真の動機」は見えてこないだろう。






『FRIDAY』2022年7月29日・8月5日号より
PHOTO:木下 宗(関連施設) 川柳まさ裕(送検)