職員の声

AGAIN あがいんについて

代表あいさつ

『無くてはならない活動を続けるために・・』
NPO法人ふうどばんく東北AGAIN 代表 地主雅信
このページに辿り着いてくれて、ありがとうございます。NPO法人ふうどばんく東北AGAINの代表、地主雅信です。
当団体の活動理念は、昨今よく耳にするSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の15の項目と合致するものが沢山あります。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
11.住み続けられるまちづくり
12.つくる責任 つかう責任

こうした事から分かるのは、ふうどばんく東北AGAINが行う活動が、ただ単に困った人を救済する活動ではないという事です。つまりは、すべての人が住みよい持続可能な社会にするための足掛かりであり、全ての人が関わる未来のためへの投資であり、支援であるという事です。
ここで開催される「JINA食堂-みんなあがいん-」に参加してくれる子どもたち。
そこに来る子がある日ママに言ったそうです。「食堂はディズニーランドより楽しい!」と。
また4歳のある子に「あがいんってどんな場所?」そう聞いたことがあります。
そうしたらこう応えました。「こどもが守ってもらえる場所」
こどもたちは素直な心で、感じています。
自分たちがここに居てよいのだと。
そうして時に食料を仕分けたり、運んだりのフードバンクのお手伝いもします。実に素敵なことです。小さな時から沢山の大人たちに見守られて、そして自分も自然と人の助けになり、そうして育っていった子どもたちがどんなに素敵な大人になるか想像してみてください。
私たちはこの場所が食料を配る拠点としてだけではなく、時に子どもたちや親御さんの拠り所となり、時に命を繋ぐための最後の砦となるように皆様のご協力をお願いしたいと思います。

あがいん理事インタビュー

富樫花奈「他人事とは思えない」

富樫顔写真東京でエンジニアをしていました。子育てをしながらリモートワークで昼夜問わず仕事をしていたんですが、子どもがしょっちゅう熱を出したり病気になったりで周りに頼れる人がおらずいつも不安で、同じような悩みをかかえた子育て世代が気兼ねなく行ける居場所を作りたいとずっと思っていました。
夫の希望で地元の宮城へ引っ越すこととなった時、これまでの生活を全てガラッと変える必要があり躊躇もありましたが、夫が「宮城に行ったら何でも好きなことをすればいい」と言ったところで「そうしよう」と思ったのが全ての始まりで現在に至ります。笑
宮城に来て自宅の敷地内にログハウスを建てて、こどもと母親の居場所づくりをはじめました。そんなときに出合ったのが「ふうどばんく東北AGAIN」。近所で見かけて、何をしてるところなんだろうなあって。一般の人が行くようなところではないし、何か近寄りがたい雰囲気。笑
それがフードバンク活動をしているところだと知って、みんなにも何をしているところなのかを知ってもらおうとフードボックスを預かって食料を集めたのが最初でした。翌年の2018年にはあがいんの駐車場を使って共催で「みんなのマルシェ」を始めました。ハンドメイドのお母さんたちなど50店舗ほどに出店してもらい、地域のチアのこどもたちに踊ってもらったり、マジシャンに来てもらったり・・そこで会ったのが髙橋さんです。
富谷には自由来館できる児童館がありません。そうした子たちの居場所として子ども食堂を始めたいなぁと思って、2019年の1月にはAGAINでこども食堂(おやこ食堂)「JINA食堂-みんなあがいん-」を髙橋さんと始めました。

そうやってAGAINに関わるようになっていって、ある時AGAINの運営費ってタダの物を配るだけなのにどこから出るんだろう?
不思議に思って聞くと、どこからも出ないという事がわかりました・・笑
それどころか、この活動を続けるために理事さんたちが借金していると・・!!
衝撃でした。

すごくたいへんな内部事情がわかってきて何とかしなくてはと。
そこでこれまで自宅の「ATELIER JINA」に来ていたワークショップの先生やハンドメイドの先生に呼びかけて、活動を全てAGAINの事務所に移しました。
そうは言っても、AGAINはただの事務所。床はベニヤ板張り、段ボールが雑然と積まれた場所でした。これを少しでも人の入れられるフリースペースにするために、閉店するお店に頼んで什器を貰ったり、フロアシートを貼るために募金を集めたり、なんせお金が無いので少しずつ改装していきました。そして収益をあげるために2019年10月に「AGAIN CAFE」を始めました。売り上げは徐々に伸びていき、一日に30名近いお母さんやお子さんが来て賑やかな日もありました。
しかし今はコロナで開けられない状態です。

心に残っている風景があって、仕事を始めたばかりの頃。
東京の終電は12時過ぎまで走っているので帰宅は夜中の1時過ぎなのですが、それさえも間に合わなくて泊まる日もありました。入ったばかりの頃は本当に何も分からなくて、ずっとデスクにかじりついていたので気が付いたら一日菓子パン1個しか食べてないみたいな事もしゅっちゅうでした。勿論帰りに開いている店もないので24時間のコンビニしか寄れないのですが、ある時帰り道に店に寄ったら、前に並んでいたサンドイッチなど何個か手に持った人が「カードは使えますか」と店員さんに聞いていました。
使えないと分かるとその数点の物が買えなくて買い物をあきらめて店を出て行ったんです。
うちの母なら、きっと呼び止めて買ってあげていたと思います。
小さい頃、そういう事があったので・・

どうしてあげるのが正解なのかは分かりません。
でも、今思うのは「自分が出来ることをしよう」という事です。
色々な困りごとや大変なことは誰にだって起こります、勿論自分にも。
困ったときに困ったと素直に言える世の中にしたいですね。

高橋尚子「食べられない人が減るといいな」

高橋顔写真「みんなのマルシェ」で富樫さんがすごく忙しそうで。「え、これひとりでやってるの?手伝うよ」って。もともと自分でもイベントをやったりしていたし、こういうことしたいと思っていて、冨樫さんとすぐ意気投合しました。そうしてじょじょにAGAINの活動に加わるようになっていきました。
仙台出身です。5年間、関東で化粧品の仕事をしていましたが、子育てをしながらフルタイムで働く経験をして、こどもといられる時間がどれだけかけがえがないかを思いしりました。 人を育てるというのは自分がこれまで経験したことのない偉大なことでした。そして育てるということは常に食とつながっていて、そうした意味で食の大切さを痛感します。AGAINにかかわるようになって、「もう3日食べていない」とか、現代にこんな人がいることに衝撃を受けました。
母としてこどもに食べさせられないのがどれほどつらいことかよくわかります。食べられなくなった家庭環境は負の連鎖を引き起こします。食べられない人が減るといいなと思って活動をつづけています。

「宝くじがあたったら…」

富樫 フードバンクは大切な活動で、一介のNPOがやれることではありません。国が体制を整えて委託していくような仕事です。にもかかわらず、県から若干の予算は出てはいますが、ほとんどがボランティアです。 シニアの方が遠くへ配達してくれています。事故にあったらどうしようって、いつも思います。交通費を渡しても返してくるんです。「そういうつもりでやってるんじゃない」と。胸にしみます。善意はわかるけど、無償でやるものなのか。それでも思いがあって活動してくれている。いつまでNPOにやらせるのだろう。国が担うべきだと思います。 いろんな人の力を借りるには、持続可能なかたちつくる必要があると思っています。善意にあまえられないというか。

高橋 フードバンクは日本全国にありますが、宣伝がうまい団体にはものが集まったり。そうした不平等を横の連携で解消できればいいなと思います。

富樫 いろいろなところで講演をたのまれて行くんですが、フードバンクのことを知らない人が多すぎて。どこまで宣伝したらいいんだろうと思います。そんな中、小1の息子がTikTokでAGAINのCMみたいな動画を作ってくれて。全然作ってるのを知らなかったんですが、ある日携帯をあけると突如としてその動画が出てきて。感激ですね。

高橋 うちでは息子が「宝くじあたったらAGAIN買い取ってあげる」なんて言っています。私たちがなんかいいことやってるということを、そんなふうにわかって見守ってくれているんだと思います。