著名人の新人候補が続々当選「有権者が選んだんだからそれは重い」

 ―――参院選の特徴で『著名人が多く立候補すること』が1つあると思うのですが、著名人が当選したときって政治家の皆さんはどういうふうに受け止めているのですか?
 「政治家がどういう能力を積んでから政治家になるかというところで、政治家って番組に出ると政策とかいろいろ細かく語りますけれども、それって基本的にはやっぱり行政職員の仕事であって、政治家はもちろん一定の知識が必要なんだけれども、政治家ってやっぱり大きな方向性を示したりとか、あとは人間を束ねて指揮・命令をしたりとかいうことなので、知識を全部持ってから立候補する必要はないと思います。僕だっていきなり茶髪の弁護士から知事になったわけだから。それは本当に行政職員と同じくらい公務員と同じくらいの知識を持たなくても僕はいいと思うんですよね」

 ―――例えば、今回の参院選で自民党から立候補して当選した元・おニャン子クラブの生稲晃子さん(54)は、全ての選挙特番に出演しませんでした。理由としては「生稲さんは国会議員としての資質や勉強が圧倒的に足りないからだ」と生稲陣営の声を民放の番組が紹介していましたが、橋下さんはこのことについてどう考えますか?
 「陣営の方からも『いやいやこんなこと言ってない』というような抗議の声も出ているし。もう1つこの民放番組がね『選挙特番に出演しなかった』ということを批判しているけど、僕も出なかったもん。もう面倒だもん。同じ質問ばっかりされて。とか言いながら、今は僕がそれ(質問とか)をやっているけどね。コメンテーターとしての立場でね。本当に面倒くさいと思いますよ。だから僕は『一斉の記者会見は全部やります』と。だけど『番組に合わせた個別のやつは同じ質問をするのはやめてね』ってことでやらなかったから。これだけを批判するのはちょっと違うと思う。生稲さんは一斉の会見もやっていないのかな。それもやっていなかったらちょっと問題だけどね。いわゆる選挙特番の質疑応答はね、やっぱりこっちもある意味仕事でやっているわけだから、それに全部応じる必要もないわけで」

 ―――通常は選挙事務所に行っているメディアに対しては『囲み取材』というものが発生するのが普通ですよね。当選しても落選してもですけれども。
 「ただ選挙特番に出ないというのは別にそれは自由だと思いますよ」

 ―――ではその段階での質問に答えられる答えられないというのも参院議員になってから勉強していくという姿勢に関しては?
 「程度にもよるけど、そのことだけで国会議員になるなと言ったら、『じゃあ公務員と同じだけの知識を持たないとなれないの?』って話になるから。そこは役割が違うと思う」

 ―――その他の新人候補は、歌手・俳優の中条きよしさん(76)、お笑いタレントの水道橋博士さん(59)、そして今回すごく注目を集めた暴露系ユーチューバーの“ガーシー”こと東谷義和さん(50)です。東谷さんは、芸能人の裏話を暴露するYouTubeチャンネルを運営して、登録者数は100万人を超えています。現在は中東ドバイにいるとみられていて、本人は国内での選挙活動は一切行っていませんでした。東谷さんは「国会があるから10月には帰国する」と発言していますが、今後どのように注目されていくと思いますか?
 「有権者が選んだんですから、それは重いですよ。いろいろ批判することは簡単だけれども、それだけの票を取るって本当に大変だから。だからこれは有権者が選んだということで、その活動をしっかりやってもらいたいと思うし、駄目だったら有権者が次に審判を出して落とせばいいと、僕はそう思いますよ」

 ―――橋下さんが描く国会議員像と照らし合わせていかがですか?
 「僕はやっぱり国会議員像や政治家像というのは、今の令和の時代ではね、いろいろ行政の仕事というのは積み上げの仕事で継続的な仕事というのもしっかりやっていかなきゃいけないんだけれども、政治の役割というのはそうじゃない積み上げの仕事、今までやってきたやり方じゃないやり方で大きく舵を切る。そのときには国民からものすごく反発を食らうかもわからないんだけれども、それを50年後とかを見据えてね、『今は反発を食らうけれどもこれをやらなきゃいけないんだ』ということをやる。反発を食らったときは脅されるし殺害予告も来るかもわからない。でも、それぐらいの反発が来れば来るほどの課題を実行していくのが、僕は政治家だと思うので。ぜひこの4名の方にも、いろんな国会議員像ってそれぞれの国民でみんな違うと思うんだけど、僕はそういう政治家になってもらいたいなと思います」