「松井さんがいなくなると大阪の地方議員と国会議員がかなりもめだすのでは」
―――そんな日本維新の会は議席を増やしましたが、松井一郎代表は対自民で「完敗」という表現を使っていました。そして松井代表が辞任を表明し、吉村洋文副代表も「府知事の仕事に専念するために代表選には出ない」ということで、いろんな意見が出ています。松井さん吉村さんがいなくなった維新に果たしてどれだけの勢いや求心力があるのかという声も出てますが、どう今見ていますか?
「やっぱり吉村さん早々と言っちゃったね、代表選に出ないって。いろいろ聞くところによると、もう大阪の地方議員の方は、国政政党を切り離してもいいんじゃないのっていうような意見も多いですよ。だってなんで大阪維新の会が国政政党を持っておく必要があるのか。僕のときには大阪都構想というのをやる必要があったから。これはもう完全に対国との交渉。それから他の国政政党と政治折衝をするというので必要だったんだけど、大阪都構想を今やらないってことになってるから、じゃあ何のために国政政党を持つのかっていう意味を大阪の地方議員が思い出して。それやったら大阪の地方政党で原点に戻ってね、大阪の中の地方政党として大阪の中の国会議員を抱えて、大阪の課題解決ってことを言って、そういう政党が全国に点々と存在してきたら、それが合体していって自民党に対する受け皿になってくる。だから大阪の地方議員の方は、これ以上国政政党を拡大することの意味っていうのは何なのっていうところでみんなちょっと疑問を持ってる。で、そこを抑えてきたのが松井さん。やっぱり今、維新は政党交付金も20億円超えてるでしょ。このお金の使い方について、お金お金って言うなと思われるかもしれないけど、地方議員はかなり不平不満を持ってるわけ。これは基本的には国会議員が使うお金になってるから。これを松井さんがまあまあと押さえてたんだけど、松井さんがいなくなると、こういうことをきっかけに大阪の地方議員と国会議員、かなりもめだすんじゃないのかな」
―――橋下さんはじゃあ次の代表はそのあたりどうすべきだと思いますか?松井さんみたいにそこをまとめていく人が代表になるべきなのか?
「元々僕が維新を作って国政政党を抱えたのは、繰り返しになるけれども大阪都構想をやるため。大阪の改革をやるためにスタートしている。だけども国会議員の方からすると、大阪のため大阪のためって言われるのが嫌なんですよ。やっぱりそれは全国政党化したいというふうに国会議員は思う。だったらもう維新の会ね、国会議員の方はもう自立して、だって維新の理念というのは自立する個人・自立する地域・自立する国家なんだから、自立する政党ということで大阪維新の看板を使わずに、国会議員は国会議員でやっていって、大阪維新の方は自前の大阪の国会議員を抱えるのかどうなのか、そのときには今の国政政党の維新の会の国会議員ともめるかもわからない。選挙で戦争するかもわかんないけど、これは分かれていくっていう方向がすっきりするのかなと思いますけども」
(三澤肇MBS解説委員)「おそらく今、維新は国会議員団と地方議員団で二重構造になっていて、他の政党と違うのはやっぱりヒエラルキーじゃなくて横に並んでるっていうところはありますよね。ただ国会議員の数が相当増えたので、彼らにも自我があって、国政中心に動かすべきだ、つまり東京中心にするべきだという意見があるのですが、2トップは大阪にいる。松井さんは今回辞めますが、吉村副代表は残るわけですよね。吉村さんがいないと維新はやはり選挙を戦えないんですよ、国政政党としても。じゃあそこでどうバランスを取るのか。みんなの意見を聞く人がいるのかというと、なかなか松井さんの代わりはいないというところがあるので、なかなか厳しい代表戦になってくるのかなと思いますけどね」
(橋下徹さん)「三澤さんは今、国政の維新の会と大阪維新の会が横並びというふうに言ったけど、元々は大阪維新の会が上だったんですよ。国会議員が下だった。で、これがいつの間にかこう横に並んできて。国会議員は国会議員でまさに自我、これは否定しませんよ。国会議員は俺たちは国政政党で全国でやっていきたいってなってくると、これは政治闘争になります。またこういう政治闘争で政治ってのは強くなるから僕はガンガンやればいいと思うんだけど、僕なんかより三澤さんの方が詳しいと思うけど、それを収めるのにどの人材がいるかですけどね」
(三澤肇MBS解説委員)「国会議員の中にはまだ我々は下請けだと言っている人はいますけどね。それぐらい地方議員が強いということですよ維新は」