キャリアについて聞かせてください。
私の社会人生活は、国内の製造業でのITエンジニアから始まり、何年かの経験経て、その後KDDIに入社しました。まず、法人向けの新しいサービスを企画する部門に所属し、人々の仕事をより効率化するようなアプリケーションを企画し提供していました。また、当時の法人の企画部門ではほとんど前例がなかったベンチャー企業との資本提携や事業シナジーの創出なども経験しました。その後2013年にはアジャイル開発の「スクラム」というサービス企画開発プロセスの立ち上げに関わり、プロダクトオーナー(PO)として約5年間活動をしていました。また、スクラムを社内で広げるために並行して新任POの育成にも携わっていました。その後、2018年に法人のお客さまと新しいビジネスを創出する「KDDI DIGITAL GATE」という拠点の立ち上げを行い、今現在もその拠点の責任者として様々な企業のデジタル変革(DX)を支援しています。
プロジェクトや普段の仕事で成長した点を教えてください。
共感する力が成長したと思います。テクノロジーがいくら進化しても最終的に価値を届けたい先は人なので、人に共感できるということは、新しいサービスやビジネスを生み出していく上で最も重要で普遍的な能力の一つだと私は思います。また、大きな組織で仕事を進めていくためには、さまざまな人たちと関わり合っていくことが必要です。その時に一緒に仕事をする相手が本質的に何を求めているのか、あるいは何が課題(ペイン)なのかということを共感できることが組織としての良い仕事につながっていくと思います。ちなみに共感力を鍛える効果的なやり方は、相手とできるだけ同じ環境に身を置くことだと思います。単に話を聞くとかアンケートを取るといった対面のポジションでなく、現場に行って自分の目で見てみるとか、同じ体験をしてみるとか、ちょっと面倒ですが相手側のポジションに移動して、理屈ではなく五感で感じることが重要だと思います。
今後挑戦しようとしていることは何ですか?
企業の壁を越えて新しいビジネスやサービスを創出することです。日本企業は欧米の諸外国と比較して、事業会社に在籍するITエンジニア比率が低いことがデータとして明らかになっています。日本の企業がデジタル変革を起こしていくためには、企業単体ではなく、企業間のボーダーを超えてチームとなることが重要で、それができる場所がKDDI DIGITAL GATEだと考えています。企業の大小や業種業態に関わらず、さまざまな人々が集まって多様性に富んだチームで新しいデジタルビジネスを生んで行けるような仕組みを作って行きたいと思っています。