和泉山脈のメガソーラー計画 不許可に 和歌山市
下地毅
和歌山市北部の和泉山脈に計画中の大規模な太陽光発電設備「パワープラント和歌山」(事業面積72・49ヘクタール、発電出力48メガワット)について市は13日、不許可にしたと発表した。
不許可は8日付。2018年にできた「環境と太陽光発電設備との調和条例」にもとづいて尾花正啓市長が決めた。和泉山脈にはメガソーラー計画が複数あり、反対する住民もいる。不許可は、20年7月の和歌山平井太陽光発電事業(65・94ヘクタール、38・5メガワット)につづいて2例目となる。
市環境政策課によると、事業者の合同会社サクシード和歌山が、パワープラント和歌山の許可申請書を19年9月に出していた。これを受けて市の審議会が話し合い、景観や防災の対策について21年5月に事業者に問い合わせていた。3カ月後の締め切りをすぎても答えがなく、督促しても反応がなかったため、審議を22年7月1日に打ちきった。
審議会の答申をうけた尾花市長は、条例のなかにある「事業計画を実施するために必要な資力及び信用があると認められないとき」にあたると判断した。
条例は、事業面積が25ヘクタール以上のメガソーラーを建てるときは市長の許可を必要としていた。さらに尾花市長の「山や里山を守ることも大事だ」という考えから、より小さい面積でも許可制とするために21年6月に改正している。1例目と今回の2例目の不許可は改正前の条例にもとづく。(下地毅)