UPF-Japanなどが主催するJapan Summit & Leadership Conference(JSLC)2019」が10月5日、愛知県名古屋市にあるホテルナゴヤキャッスルで開催されました。UPFが主催する国際サミットが日本で開かれたのは今回が初めて。

日本をはじめ韓国、米国、台湾などから政界、宗教界、メディア、学術界を代表する有識者、専門家ら約750人が集まり、「太平洋文明圏時代-東アジアの平和と日韓米連携の展望-」をテーマに、世界の持続的な発展に向けて意見を交わしました。

午前中に行われた開会セッションでは、UPFの世界的な活動を紹介する映像を上映した後、キリスト教、イスラーム、仏教、神道の宗教指導者が登壇し、世界平和のために宗教宗派の垣根を越えた祈祷を捧げました。

主催者を代表して挨拶をした梶栗正義・UPF-Japan会長(=写真下)は、人類の文明の中心が大西洋から太平洋に移ったとの見解を述べたうえで、「人類史から現在を見たとき、日韓米の3カ国は平和な文明を築く大きな使命を持っている。今回のサミットが人類史的に非常に大きな意義をもつだろう」と同サミットの開催とその成果に大きな期待を寄せました。

続いて日韓米の有識者が挨拶。日本の国会議員は、日韓関係が悪化するなか、米国も含めた3カ国の連携強化を再認識するサミット会議が開催されたことに感謝を述べました。また、環境問題を科学の側面から解決するために、UPFの韓鶴子総裁が17年ぶりに「科学の統一に関する国際会議(ICUS)」を再開したことにも言及。その取り組みを賞賛しました。

韓国国会議員の金奎煥(キム・ギュファン)氏は、文鮮明・韓鶴子総裁夫妻の世界的な活動を紹介したうえで、「平和を語る人は多いが、韓総裁は人類平和実現のための種を植え、それを実らせる具体的な取り組みを行っている」と、その業績を称えました。

アンディー・ビッグス議員(米国下院議員)は、世界平和は遠い夢のように感じるが、善なる男性と善なる女性は平和を求めるものであるとし、神を信じ、神の愛を発見し、ともに生きて創造の願いを実現しようと呼びかけました。

来賓のあいさつに続いて、米国から特別ゲストとして参加したニュート・ギングリッチ氏(元米国下院議長)が基調講演を行いました(=写真下)。

ギングリッチ氏は、国際社会は戦後、世界平和を実現するためのさまざまな取り組みをしてきたが、平和は移ろいやすく、これまで築いていきた社会システムそのものも脆弱だったことを指摘。将来の世代が豊かで安全な生活ができるように、対話を通した平和構築の道筋を見つけ出していくことが大切だと語りました。

また、人口が増加しているアフリカに多くの貢献をしている韓総裁の取り組みに触れ、総裁の先見性を賞賛。最後に、同サミットを通して「多くの知恵を出し合い、地域の問題、世界の問題を解決することができるプロジェクトが生まれることを願っている」と、サミットとUPFへの活動に期待を寄せました。

同じく講演した日本の国会議員は、2度にわたる大戦の反省から世界平和の構築を図ったはずだが、そうなっていない現状を指摘。特に、日韓関係で懸念することが多い現状に触れ、友好的な隣国として関係を改善する必要があると強調し、日韓それぞれのこれまでの考えに固執するのではなく、未来志向に立って互いに語り合おうと述べました。

韓鶴子UPF総裁が基調講演

その後、国会議員の紹介を受け、満場の拍手の中で登壇した韓総裁が基調講演を行いました(=写真下)。

韓総裁は、歴史の真実を明らかにしなければならないと述べたうえで、人間が中心となってつくり上げた世界の限界を指摘。人類が願う世界平和を実現するためには、人間が変わらなければならないと訴えました。

また、本来、政治と宗教は一つにならなければならないと述べ、政治家は父母の心を持って人々を導く主人にならなければならないと語り、悪化する地球環境問題に対する責任と姿勢ついても言及しました。

講演後、参加者らは、世界各地で見られる力による現状変更の動きや自国中心主義に警鐘を鳴らすとともに、太平洋文明圏時代を迎え、アジア太平洋共同体の連携強化の必要性を確認。そのうえで、とりわけ日韓米の3カ国がその基軸となって共生・共栄・共義のグローバルな平和文明の形成に努力することを謳った「名古屋宣言」を採択し、参加した有識者らが同宣言に署名しました。

午後からは「東アジアの平和と日韓米連携の展望」「少子化と多文化社会―家族の再生と社会の創生」などのセッションが行われ、各界の専門家、有識者が活発な議論を展開しました。