マスク未着用途中降機乗客の記録

ピーチ航空PeachMM126便(釧路ー関空)においてマスク着用拒否トラブルで途中降機になった乗客です。#マスパセ (@mask_passenger)

カテゴリ: ピーチ航空事件

ピーチ航空MM126便(9月7日釧路ー関西空港)で、マスク着用拒否により途中降機を強いられた乗客です。このブログでは、Peach社との見解の相違、事実誤認に基づく不正確な一部報道に対して、こちらの見解を説明しています。

当初の報道では、様々な印象操作やバイアスの掛かった情報が報じられ、事件像がゆがめられました。案件を期にTwitter(@mask_passenger)を始め、当事者としての見解を述べてきました。同時にブログでも、ピーチ航空事件の詳細を記事として書きました。

ピーチ航空事件では、ピーチ社の客室乗務員がマスク着用の「お願い」(要請)を繰り返し、機内の雰囲気の悪化と隣接乗客の不適切発言を誘発し、生じたトラブルを適切に処理せず、緊急着陸・乗客退去の結果を招きました。

私自身も反省すべきこともありますが、航空機を運行する立場のピーチ社の乗務員がトラブルを招いた責任は大きく、(センセーショナルな報道での扱いを脇に置いて)きちんと社会的に検証される必要があると考えています。私乗客とピーチ社との間で生じた紛争が、多くの方に影響を与える結果になったことは申し訳なく思います。

記事数が増えてきて全体像が見にくいとの感想もありましたので、時系列と対応する記事をリンクしてまとめておきます。

・事件の概要

事件の概要については47NEWSインタビュー記事をご参照下さい。

ピーチ航空の対応の法的問題点や、事実関係の誤りはこちらをご覧下さい。

私がマスクを着用しないのは健康上の理由ですが、マスク着用問題への意見はこちらをご覧下さい。


・時系列と対応記事 

釧路空港に到着。チェックイン、ロビーにて待機。(マスク着用要請なし)
濃霧のため搭乗開始が約30分遅れる。
搭乗し座席に着席。(搭乗口でもマスク要請なし)
後方左列担当のCAからマスクお願い
後方担当の別の先輩CAからマスクお願い
チーフパーサーのマスクお願い。地上と相談に出て物々しい雰囲気に。
乗客から不適切発言 記事2
チーフパーサーのマスク要請。(動画の部分)
45分遅れで釧路空港離陸
通りかかった後方左列担当のCAと座席で会話→後方に移動。そのCAと、同じく後方担当の先輩CAが対応(計5分) 記事1
後方詰め所でチーフパーサーと会話。(3~5分程) 記事3
前方詰め所でチーフパーサーと会話。(3~5分程) 記事6
座席を通りかかったCAに紙とペンを持ってくるよう依頼。(会話③にて書面でのやり取りに切り替えたので)
警告書交付 記事5
降下開始
新潟着陸。その後、黒スーツの地上係員と機内で会話。記事4
機外へ退出。空港にて地上係員と会話。
地上係員退去。新潟空港から辞去。

時系列の流れは簡潔に、http://blog.livedoor.jp/mask_passenger/archives/7737951.html、で示しています。
また、経緯については前回までの記事に加えて、47Newsにも出ていますのでご参照ください。


1、大声を出す状況にあったのか?

ピーチ社が主張する「大声を出した」との見解が不当であることは、事実関係についての過去ツイート6、で説明しています。

また、47Newsインタビュー記事で、声が大きいことについては、
「私は耳が少し聞こえづらく、そのため、声が大きいことを自覚しています。運航中はエンジン音がうるさく、相手の声はマスクで聞き取りづらかったので、何度も聞き返すうちに自然と大きくなってしまいました。声が大きいという注意に対しては、その場で謝罪しています。」と説明しました。この箇所を補足します。

声が大きいことのやり取りがあったのは、
③前方詰め所でチーフパーサーと会話。(3~5分程)においてです。

このチーフパーサーとのやり取りの際に声が大きいとの指摘がありました。

私「ちょっと私、耳の聞こえが良くないもので」
と言いました。その上で、「じゃあ声のボリュームを落とします」と応じました。

会話の中で再度声が大きいとの指摘がありましたので、筆談でのやり取りへの変更を申し出ました。「声が大きい」とのことですので、私が質問事項を紙に書き、それをチーフCAが回答する形ではどうかと提案しました。会話③は、口頭でのやり取りを筆談に変更することで終了しました。その後、実際に座席でCAに紙とペンを持ってくるように依頼し、質問事項を提出しました。

「声が大きい」ことに関しても、既にやり取りの中で解決された事です。ピーチ社が降機理由として後付けで挙げていることは不当です。

また、客観的な状況を見ても「声が大きい」とはいえません。
「声が大きい」との指摘が生じたのは、機内前方のCA詰め所での会話においてでした。機内のこの位置は、飛行中特にエンジン音などで喧しく、会話を成立させるには多少大きな声にならざるを得ません。
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また、「声が大きかった」との乗客証言があったとされます。しかし、この証言でも乗客と客室乗務員の双方の声が聞こえている、つまり私だけでなく、このチーフCAも相当に感情的で大きな声で話していたことが伺われます。なお、乗客証言の「声が大きい」は定量的な言明ではありません。(逆に「特に声が大きいとは思わなかった」という証言もありました。)「子どもが怖がっていたようだ」等の証言なるものは、その後の降機という結果で後付け的に悪印象を語っているにすぎません。いずれにせよ、声の大小は個人の感じ方によるものです。私が殊更に声が大きくなったわけでなく、当時のコンディションで私とCAの会話が外に漏れ聞こえる状況にあった次第です。

当時の状況では、機内での騒音やマスク着用下での発声により聞き取りづらい状況下で、乗客とチーフCAの会話の音がやや大きくなっていたのが実態です。


2、乗務員の職務は遂行されていたのか?

CAの業務を妨害する状況にあったのかについては、機内でのやり取り(3), 3、においても回答しました。この点、補足します。

当時の乗客は定員より大幅に少ない125人でした。この乗客数で、1人のCAが乗客からの質問事項対応に当たっていても、業務全体に支障が出るという弁明は成り立ちません。業務や規約に関する質問への回答も、乗務員の「重要な業務」の一つです。また対応者以外は他の業務につきます。

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仮にこの乗客/乗務員比で業務に大きな支障が生じる事態になるとするならば、ピーチ航空の機内業務体制構築の側に問題があると考えるべきです。


(図表は、MadDocさん(@doc_usui)のTwitterから引用させて頂きました。)

時系列の流れは簡潔に、http://blog.livedoor.jp/mask_passenger/archives/7737951.html、で示しています。
また、経緯については前回までの記事に加えて、47Newsにも出ていますのでご参照ください。
https://www.47news.jp/5262357.html


1、関空到着後ではなく機内でのやり取りを希望したのはなぜか?


インタビュー記事の「機内で確認しないと暴言を吐いた乗客もマスク着用を強制した客室乗務員もいなくなってしまいます。間違った対応について謝罪を求める必要がありました。」という箇所を補足します。

機内でのCAとの会話では、①不適切発言のあった乗客への対応②ピーチ社のマスク取り決めの確認、の2点が内容でした。

は、機内で起こったことである以上、きちんと機内でCAを通して対処する必要がありました。関空についてからでは乗客も客室乗務員もいなくなります。(cf.機内での質問(2), 2)

なおこの際、私から「関空に行ってからなら対処して頂ける保障があるのですか」と聞きましたが、チーフCAはそれも拒みました。

は、「機内での質問(3), 2」で書いたように、当初は書面での記録を求めて、本社に上げて責任者からの対応でも可としました。しかし、チーフCAはイレギュラー対応の本社対処も拒みました。

本来であれば、マスク着用の規約を調べて釈明することは短時間で終わる「簡単な質問」です。統括者であるチーフCAがそれをきちんと答えずに、数分にわたるやり取りにまで伸ばしてしまった責任はピーチ航空の側にあります。

①②ともに、CAが適切に処理していればすぐに解決する用件でした。


2、降下が始まったのは、警告の命令書が交付された直後か?


時系列でいうと、

チーフCAとの前方詰め所での会話
「声が大きい」との指摘
質問事項を紙に書いて渡す筆談の提案
座席に戻る。通りかかったCAに、用途を伝えて紙とペンを持ってくるよう依頼
受け取った紙とペンでこちらの質問事項を記入
警告命令の書類交付
その後に降下開始
(座席のテーブルを戻すよう注意。)
書いた手紙をCAに提出

という流れになります。

なお、命令書の内容は「継続・反復してはならない(した場合は拘束or降機)」です。「トイレでの喫煙」であれば、その後に同様にトイレで喫煙行為があれば降機となることを意味します。

ポイントは、
・停止命令発出時には、口頭でのやり取りは終えて、書面での「筆談」に切り替えていたこと。警告書の読み上げの時はちょうどその質問状を記入している最中であったこと
・停止命令では「継続・反復してはならない」との文言はあるが、同一の行為の反復可能性がある状況では既になかったこと
・書類交付のすぐ後に、降下が始まったこと
です。

なお、乗客証言にあった「座席のテーブルを戻すよう注意があった」ことは、既に降下が始まった後のことであるため「緊急着陸を決める理由」にはなりません。テーブルで質問状を書いていた途中であったため、私の不注意でした。この些末事は話の本筋とは関わりはありませんが、「指示に従わない」印象を事後的に与えることは不徳の致すところと思います。


3、翌日に関西空港に向かうのに陸路を使ったのはなぜか?


簡単な質問ですので、ついでに付します。新潟~関空便は、新型コロナ減便の影響でデイリー運航ではなかったからです。翌日便はありませんでした。

機内での質問状の提出に加えて、関西空港でも地上担当者(職位:オペレーション統括)を通してこちらの見解をお伝えしました。

ピーチ航空案件の全体の流れを簡潔にまとめました。


釧路空港に到着。チェックイン、ロビーにて待機。(マスク着用要請なし)
濃霧のため搭乗開始が約30分遅れる。
搭乗し座席に着席。(搭乗口でもマスク要請なし)
後方左列担当のCAからマスクお願い
後方担当の別の先輩CAからマスクお願い

チーフパーサーのマスクお願い。地上と相談に出て物々しい雰囲気に。
乗客から不適切発言
チーフパーサーのマスク要請。(動画の部分)
45分遅れで釧路空港離陸
通りかかった後方左列担当のCAと座席で会話→後方に移動。そのCAと、同じく後方担当の先輩CAが対応(計5分)
後方詰め所でチーフパーサーと会話。(3~5分程)
前方詰め所でチーフパーサーと会話。(3~5分程)
座席を通りかかったCAに紙とペンを持ってくるよう依頼。(会話③にて書面でのやり取りに切り替えたので)
警告書交付
降下開始
新潟着陸。その後、黒スーツの地上係員と機内で会話。
機外へ退出。空港にて地上係員と会話。
地上係員退去。新潟空港から辞去。
新潟泊。翌日、新幹線にて関西空港へ。

経緯については前回までの記事に加えて、47Newsにも出ていますのでご参照ください。
https://www.47news.jp/5262357.html


1、機外に退出したのはなぜだったのか?

インタビュー記事の「私は飛行機から降りるつもりはありませんでしたが、事情の説明が長くなってしまうと思い、誤解を解くために自主的に機外に出ることにしました。」
という箇所を説明します。

新潟着陸後、5分くらい経って地上係員が機内に入ってきました。黒いスーツにノーネクタイの男性は、ピーチの新潟空港の地上係員です。彼は、CAさんに「どこの席ですか?」と確認し、「21Cです」とのことで私の所に来ました。

地上係員「降りて頂きます」
私「いや、降りません。何が理由なのかきちんと説明して下さい」
地上係員「その説明も外でしますから降りて下さい」
私「いえ、この場で説明して下さい。マスクの着用規定をめぐって質問をするのが、何が問題なのか、そもそもそちらが初めにマスクで問題起こしているのでしょう?」
地上係員「降りて下さい」
私「では、ここで事情を説明してお話をするのではどうですか。」
地上係員「声が大きいです。」
私「いえ、私、耳の聞こえが良くないもので声が大きくなります。すみませんね。」
地上係員「では、降りて下さい」
私「いえ、降りません。事情を聞いて判断するという義務があると思いますよ。…そちらが話をここで聞かないのであれば、外でお話しするのでも結構ですから、この後の経路の部分はそちらで責任を持ってくださいね」
という流れです。

地上係員は、降機理由の説明も行わず、事情を聞こうともせず、「降りて下さい」の一点張りでした。降機の根拠となる何らかの機長の書類が提示されたわけでもありません。ですので、私は降機を許諾しませんでした。

私は、①理由の説明をすること、②事情の弁明の機会を設けること、を機内で求めました。しかし、地上係員はこれに応じないため、機外で話をすることに私が応じました。
なお、機外への移動の際は、私とその男性係員が共に動いたのであり、見守り出動の警察官の介入はありません。(「警察に連行された」も誤解です。)

インタビュー記事では「機内にピーチの職員3人と見守りの警察官が入ってきました」となっています。ピーチの地上係員は、上記の黒スーツ黒眼鏡の男性(この方とメインでやり取りしています)、ピーチ航空のピンク色のジャケットを着た背の低い女性、白の半袖Yシャツを着た男性がいました。(前二者とは新潟空港で話が続きました。)
あとは、前方に見守り出動の制服の警察官がいました。(なお、機内で警察官との会話はありません。)


2、掴みかかろうとした乗客は何だったのか?

インタビュー記事の「職員と話をしている私につかみかかろうとする乗客もいました」の箇所を補足します。

この乗客が諭そうとしたとの説がありますが、完全な誤りです。

私の前方に前出の黒スーツの地上係員がいて、私の座席の後方にCAが立ってました。この男性は、後ろに立つCAを乗り越えて(私の方に)掴みかかってきました。顔を赤くしていたので、遅延で興奮していたのか、搭乗前に一杯呑んでいたのかは分かりませんが、少しアルコールの匂いがしたように思います。その方は、「こっちは遅延で〇×△してるんや。ええから×××」と言っていました。私としては、急に後ろから来られたので驚きました。その時は、前方の地上係員のほうを向いて話をしている最中でした。

私「何なんですか、この方。まずこの方に引き下がってもらって下さい。」
とCAに依頼しました。この絡み乗客の方には、CAさんの方から注意がされましたが、それでも二言三言いっているようでした。


3、機外に出た後に飛行機に戻ろうとしたのか?

これも完全な誤りです。機外に出る際に前方入口にいたCAに、
私「先ほどの掴みかかってきた乗客の方も、きちんと対処して下さいね」
と最後に言いました。
別に戻ろうとしたのでなく、絡み乗客の対応について念を押したのが真相です。

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