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 山上容疑者にとっては忘れられないことなのだろうが、20年もたってから旧統一教会との関係を理由に安倍氏を銃撃するとは何とも理解に苦しむ。山上容疑者は海上自衛隊に在籍(02~05年)後、20年秋から大阪府の人材派遣会社に在籍したが、実は05年から20年までの15年間、大阪府内で職を転々としていたことしか分かっておらず、捜査当局はこの期間の動向にも関心を持っている。

 そんな中で浮上したのが、山上容疑者は“反アベ”の団体に所属していたとの情報だ。

「山上容疑者はリベラル色が強い“反アベ”団体に所属していたのではないかと言われています。安倍氏の長期政権の“独善的”な姿勢を嫌う団体。会員は数千人規模です」とはテレビ局関係者。この団体は安倍氏だけでなく、父の故安倍晋太郎元外相、祖父の故岸信介元首相の安倍ファミリーをも敵視する。特に団体幹部は、SNS上で安倍氏を攻撃していた。

 山上容疑者は奈良県警の調べに、動機について「安倍氏の政治信条に対する恨みではない」と供述。同関係者は「その団体の中で積極的に活動していたというより、団体の活動を“支持”していたのではと言われている」と話す。この件について団体幹部に「山上容疑者は団体会員か」と問い合わせたが、折り返しはなかった。

 それだけではない。捜査当局はもう一つの過激な団体にも注目している。事情に詳しい関係者の証言。

「団体の実名は明かせませんが、かなり好戦的な思想で、やはり反安倍。しかもこの団体の背景がかなり不気味で、闇に包まれている。山上容疑者が洗脳された可能性がないか重要調査対象となっています」