デザイナー
2016年 | 入社、ビジュアルグループフォント配属 |
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作り出す一文字一文字に誠心を
活字を一文字一文字人がつくっているのを思い浮かべたことがあるでしょうか。
新聞の文字、本、標識、ポスター、モニター……。どれもあたりまえですが自然にできたものではなく人間がつくったものです。そして(今のところは)機械任せにもできません。ですからやはり人が手を動かすほかないのです。
毎日新聞社ではそれを自社内でしています。見出し、本文、写真や図の説明文といった、記事を構成するのに必要な活字を生み出しているのです。
さかのぼるとそこには彫刻刀を手にする人がいました。彫刻刀が特殊な機械になり、やがてデジタル機器になりました。新しい技術とより読みよくしたいという思いとともに、つくる文字のデザインや方法を変えながら活字づくりは脈々と続いています。今では「フォント」と呼ばれています。
ところで、誰かの書いた字を見てその人柄を感じたことはありませんか。同じことをきっと活字にも感じるでしょう。つまり、私たちは「新聞柄」を読めるだけでなく見えるようにもしているのです。
いったい何をしているのだろう、もう新聞を刷れるほど活字があるのに、と思われるかもしれません。
現在の私の作業はもっぱら漢字の制作です。それらは見たこともない、正直にいうとこれからも目にしないのではと思ってしまうくらい、そうそう使われない漢字です。でも、ある人とすれ違うような一瞬の一期一会が訪れるかもしれません。その気が遠くなるような可能性を思って日々作業に臨んでいます。
ではそれが終わったら?
その答えは「つくった活字の先に読む人がいることを思い浮かべられるか」という、しばしば私が私自身にする問いかけの先にあるのでしょう。
One day
- 9:20
- 出社 机周りの整理など仕事準備
- 9:45
- 始業 パソコンに向かい、漢字をひたすらつくる
- 13:30
- 昼休み 1時間のんびりする
- 14:30
- 打ち合わせ おのおのの作業状況の報告、気づいた点を話し合う
作業再開
ある程度できたところで紙に出力、出来ばえや間違いを確認する
ほかの人にも確認してもらう
指摘部分を修正
修正がすんだら、また漢字をつくり続ける
1時間程度の残業 - 19:15
- 制作した漢字を記録して終業、退社
Q&A
- 学生時代に打ち込んだことは?
- 抱いた興味にとことん従うこと。
- 仕事をする上で大事にしていること・ものは?
- 信用され得る人間でいること、自己管理(特に空腹対策)、疑問を持つこと。
- 入社して意外だったことは?
- 小学生や中学生が見学によく訪れること。
- 現在の仕事内容や取り組む姿勢を一言で表現すると?
- 誠心。