記者
2011年 | 岩手日報社入社 |
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2014年 | 毎日新聞入社 熊谷支局に配属 |
2015年 | さいたま支局に異動 |
2016年 | 埼玉西支局に異動 |
2017年 | 仙台支局に異動 |
個人的な思いも取材の原動力
我が国では「不良な子孫の出生防止」のために、障害者らに不妊手術を強制していた優生保護法という法律が平成の1996年まで存続していました。私は仙台支局に配属した直後の2017年12月、旧法の違憲性をめぐり宮城県の被害女性が史上初の国家賠償を起こす方針であることをスクープして以降、法律の問題点を世に問うキャンペーン報道を展開してきました。毎日新聞のみならず、多くのメデイアがこの問題について継続的に報道・検証を継続したこともあり、国会は19年4月に手術被害者への一時金支払いなどを定めた救済法を全会一致で成立させました。救済内容は不十分といわれ、訴訟は現在も各地で継続していますが、地方紙記者出身として、地方から全国に波及する問題を提起できたことは大きな成果だったと考えています。
実は、私は言葉の出にくい「吃音」(どもり)をもっています。コミュニケーションでうまく自分の思いを伝えられないことは、とてもつらいことです。私は該当しませんが、場合によっては障害者手帳をもつこともある疾患です。障害があることは決して私にとって他人ごとではないのです。強制不妊手術の取材に没頭できた理由は、そんな自分のバックグラウンドがあったからこそでした。「社会の不正をなくしたい」「人々の知る権利に応えたい」。記者倫理を支える尊い理念ですが、振り返れば私にとってはむしろ、自分の中の極めて個人的な思いが取材の原動力になっているように感じます。新聞社は組織ですから、仕事のやり方のすべてが自分本位というわけにはいきません。ですが、毎日新聞はそうした個の思いや葛藤を尊重する気風と度量がある会社だと思っています。
One day
- 10:00
- 出社 県政記者クラブでプレスリリース、メールのチェックなど
- 13:00
- 記者クラブを抜け出し、旧優生保護弁護団の取材
- 15:00
- 昼寝
- 16:00
- 行政の話題モノの原稿執筆
- 18:00
- 原稿ゲラのチェック
- 19:00
- 帰宅
Q&A
- 学生時代に打ち込んだことは?
- どれも中途半端だったが、強いて言えば勉強。
- 仕事をする上で大事にしていること・ものは?
- 筋トレが趣味なので、仕事に影響が出ない範囲で体を鍛えること。
- 入社して意外だったことは?
- 入社年次によらず、他部署の社員同士では敬語を使うことが多いこと。
- 現在の仕事内容や取り組む姿勢を一言で表現すると?
- 自分や他人が感じている違和感を、社会に共有可能な文章で伝えること。