記者
2013年 | 水戸支局に配属。事件やスポーツを担当。昔から好きだったプロ野球とは違う高校野球、社会人野球のおもしろさに気づく |
---|---|
2015年 | 豪雨で鬼怒川が決壊。災害の無情さを痛感する一方、テレビのない避難所で新聞をかじりつくように読む被災者に心を打たれる |
2017年 | 茨城県知事選で県知事が24年ぶりに交代。県の歴史が変わる「万歳三唱」を目の当たりに |
2018年 | 情報編成総センターに異動。社会面やスポーツ面を担当。大坂なおみの全米OP優勝や、イチロー引退など、歴史を刻む紙面に携わる 「紙面改革班」の一員として、よりよい紙面作りを追究 |
本質を読者に伝え、歴史に残す
ラグビーW杯2019
日本自由に4T
新聞は毎日の出来事を記録していく歴史書だと考えています。その「顔」を決めるのが、私たち編集者。主な仕事は①ニュース価値を見極める②レイアウトする③見出しをつける――。原稿が骨だとしたら、この3段階で「筋肉」をつけて、「表情」を出すようなイメージです。うれしい、悲しい、許せないなど、読者にとってのニュースの第一印象を決める、責任のある仕事です。
編集は時間との戦いです。とくに、スポーツは締め切り間際に決着がつく場合が多くあります。ラグビーの2019W杯はそのオンパレードでした。しびれたのは開幕を飾る日本―ロシア戦。試合が進んでいくまで、どんな原稿や写真が来るのかわかりません。中継を見守りながら、運動部や写真部とコミュニケーションをとり、誰が主役の原稿か、どの写真をあしらうかを決めていきます。途中まではユニフォームを着た先輩とわくわく観戦していたものの、興奮はだんだん焦りに。限られた紙面の中で、原稿の行数や写真の幅、見出しの文字の大きさを調整。「ノーサイド」の瞬間に降版ボタンを押さなければならない事態でしたが、日本の勝利を祝う紙面にできたと思っています。
入社時、大先輩から「現場が第一」と教わりました。編集者はその現場にいないので、詳しくないニュースももちろんあります。私自身、ラグビーに関しては「にわかファン」以下でした。分からないときは、出稿部のデスクや記者に「取材」し、知識を得て現場感を共有します。現場をよく知る先輩記者から「あの見出しは的を射ていた」と言われるのがうれしいです。伝えなければいけない現場の雰囲気や出来事、本質を読者に伝え、歴史に残す。編集の仕事はやりがいがあります。
One day
- 午後
- 出社。この日はラグビーW杯決勝戦。他紙やネットニュースに目を通す。本社間のテレビ会議から、一面や社会面でどのような展開をするか確認
- 16:00
- 先輩が運動部、写真部、デジタル編成とミニ会議。ラグビーとそれ以外のスポーツの予定を確認
- 18:00
- 決勝戦スタート。今のうちに夜ご飯。忙しい時間に備え、エネルギーの出る麻婆弁当をチョイス
- 先輩と相談しながらレイアウトを考え、見出し案を出す。点数が入る度に歓声
- 夜
- 早版しめきり。それぞれのニュースの取り扱いや見出しを再考
- 0:30
- 複数回のしめきりを経て、最終版の作業を終える。大会を乗り越えた先輩や運動部、写真部デスクと祝杯、記念撮影
- 帰宅後、スポーツニュースで試合をゆっくり観戦。お風呂に入りながらネットニュースチェック。他の見出しや原稿の目の付け所を勉強
Q&A
- 学生時代に打ち込んだことは?
- テレビ局のアルバイト。そこで東日本大震災を経験し、報道の矜持を知りました。
- 仕事をする上で大事にしていること・ものは?
- 誠実で素直でいること。主観と客観。「脳みその硬さに年齢が出る」(イチロー)。
- 入社して意外だったことは?
- 取材相手との距離感。入社1年目で出会い、いまでも連絡をとってくれる方がいます。
- 現在の仕事内容や取り組む姿勢を一言で表現すると?
- 鳥の目と虫の目。原稿の内容と紙面は客観視(=鳥の目)し、原稿に出てくる人物とは同じような目線(=虫の目)でいることを意識しています。