安倍晋三・元首相(67)が8日午前、街頭演説中に銃撃されて死亡した事件で、無職の山上徹也容疑者(41)(殺人容疑で送検)が手製銃の試し撃ちをしたと供述している奈良市内の宗教団体関連施設の玄関に、銃で撃たれたような痕が残されていることが読売新聞の取材でわかった。奈良県警が確認を進める。

 捜査関係者によると、山上容疑者は調べに対し、事件前日の7日未明、恨みがあるという団体の関連施設を試し撃ちし、当たったかどうか建物を外から見たが、弾痕は見つけられなかったと述べている。

 当時、施設側は気づいていなかったとみられ、県警にも110番は入っていなかったが、近隣住民が大きな破裂音を聞いていた。11日朝、読売新聞の記者が確認したところ、玄関のガラス扉には、銃で撃たれたような痕が数か所残されていた。

 山上容疑者の供述を受け、県警が付近の防犯カメラを確認したところ、山上容疑者の車に似た車両が7日未明に映っていた。山上容疑者の車からは、弾痕とみられる穴が複数ある木製の板が見つかった。県警は、試し撃ちを繰り返し、威力や精度を確認した可能性があるとみている。