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処士策論

「処士」(しょし)とは、仕官していない人、民間の人、在野の人のこと

伊藤博文は憲法を作った。安倍晋三は憲法を取り戻したかった。どちらも長州人

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たまたま本日は仕事が休みだったので(ちなみに明日は出勤)、今朝、参院選の期日前投票に行ってきました。

「おい、ブログ主よ。お前は参院選の投票を棄権すると言ってたじゃないか?」
と思う方もおられるでしょう。

実際、二日前まではまったく、そのつもりでした。
ですが、昨日、安倍元首相が銃撃された事件を受けて、その考えを覆しました。

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「岸田政権を信任するかどうか」
などというクダらない選挙に私は何の望みも抱いておらず、それゆえ、選挙に行く気は毛頭なかったのです。

しかしながら昨日の銃撃事件を受けて、今回の選挙は完全に、
安倍元首相の追悼選挙
といった形に様変わりしてしまいました。

ですから私は期日前投票に行ってきたのです。

誰に投票したのか?
という事もこの際、実名で書いてしまいましょう。
東京都選挙区は朝日健太郎氏に、比例は山田宏氏に入れてきました。

どちらも青山繁晴先生の「日本の尊厳と国益を護る会」の一員です。
投票した理由は、ただそれだけです。

本来であれば比例は青山さんに入れるのがスジなんでしょうが、青山さんは放っておいても上位当選が確実ですから、ここは敢えて山田氏に入れてきました。山田氏は青山さんの盟友のはずで、しかもかつて「次世代の党」(「日本のこころ」の前身)の一員でもありましたし。
(※元々投票する気がなかったということもあり、あまり戦略的な事など気にせず「とにかく投票する」という、かなり勢い任せな感じではあった)




前置きと言いますか、話のマクラとしてはここまで。

それで、今回の「異常な事件」について、私なりの感想を述べておきたいと思います。

しかしどうなんでしょう。
このショッキングな事件について、いつもの私のようにくどくどと理屈を申し上げるのはいかがなものか?
という気も多少しています。

はてさて、何から書けばいいんですかね。

そうですね。
私がこの事件の第一報を耳にしたとき、最初に思った感想を述べておきましょう。

それはもちろん、
ロシア(あるいはそれに連なる中国)による陰謀なのではなかろうか?」
といった感想です。

「外交」を重視する人間であれば、誰だって最初はそのように考えるんじゃないでしょうか。

なにしろ今は「戦時中」です。
ロシアは国の存亡を賭けて、西側陣営と戦争をしているのです。文字通り「命懸けの戦争」です。
「戦争に勝つためなら謀略だろうと暗殺だろうと、何でも構わずやる」
というのが戦争の本質です。

ちなみに私は、その前日にあった「イギリスのジョンソン首相の辞任表明」も、別にBBCなどのイギリスメディアをそれほど注視していた訳でもありませんでしたが、その裏には、
ロシアからのプロパガンダ謀略にやられたのだろう」
と見ていたぐらいです。
(※別に何か根拠がある訳ではなく、国際環境から見て、勝手にそう思っただけのこと)

ですから安倍さんの事件も「その一環なのではなかろうか?」と、第一印象として、そのように感じたのです。

真実は今のところ何も分かりません。
多分、事が大きすぎて今後も「まったく薮の中」となってしまう可能性もあるでしょう。




そしてこれは、日本の「いわゆる保守派」にとって、致命的な事件となるのではないでしょうか。

乱暴な言い方をすれば、
「殺され損になる」
ということです。

こんな書き方をすると、
「ブログ主よ。お前は安倍さんに同情する気がないのか?」
と思われるでしょうか。

それについては、このあとを読んでいただければ私の真意が分かるはずです。
が、その前に「殺され損」という事について。

私の安倍晋三氏に対する感情は、ハッキリ言ってしまえば、
「愛憎相半ば」
といったところです。
特に「憎」の部分については、6年前の「日韓慰安婦合意」の際にブログで散々批判しました

とはいえ、私は「外交」を重視する人間です。
安倍さんの外交能力は(日韓慰安婦合意は別として)基本的に日本の政治家の中ではスバ抜けていたと思います。
それでも私からすればまだまだ物足りないレベルではあるのですが、日本の政治家の中では(青山さんを別とすれば)かなり「まともな部類に入る政治家であった」と言わざるを得ません。

「まったく得難い政治家を失くしてしまった」
率直に言って、それが厳然たる事実、と言うしかありません。
(※しかしホントに、こんな理屈を今ここで書くべきなんだろうか?と、書きながらいくぶん嫌な気分がこみ上げている。人一人が殺されているというのにさ)

実際に人が殺されて、しかもそれが日本国にとってきわめて重要な政治家であるのだから、「損」もクソもあるか。
一体お前は何が言いたいのだ?「殺され損」だなんて、なんちゅう言い草だよ。お前は何様のつもりか!

と、お思いの方もおられるでしょう。
もっともなことです。
私自身も、時間がない中、気持ちを整理しながら書いているところなのです。




今は乱世なのです。
どれほどの人数の日本人が理解しているか分かりませんが。

コロナ(武漢熱)があり、ウクライナで戦争があり、食料や資源の国際価格は高騰している。
にもかかわらず、日本人は原発の再稼働すらビビッて国民も政治家も誰もそれを口にしない。

そして安倍元首相が凶弾に斃れた。

これほどの出来事に遭遇して覚醒しなければ、この国民は一体いつになったら覚醒するというのか?


と言いたいところなのですが、私の予想は悲観的です。
それは前回までの記事で散々書きましたから、ここではくり返しません。



おそらく残念ながら、これほどの乱世に直面しても、この国の国民は目覚めないでしょう。
私の実感としては、そんな気がしています。

だからこれは、ある意味「殺され損だ」と、私は感じているのです。

安倍さんの死をきっかけにして国民が目覚めれば、もちろん故人はそんなつもりなど毛頭なかったでしょうし、もっと長生きしたかったに違いありませんが、もし仮に国民が目覚めれば、特に故人が一番望んでいた「憲法改正」が実現すれば、まだ、その死は無駄にはなりません。

しかしながら「去る者は日々に疎し」の例えもあります。
現在の日本人は、政治家や政治的人間の死をまったく軽視しています。
浅沼稲次郎が刺殺された事件や三島由紀夫が自決した事件など、今の日本人がどれだけ意識しているでしょうか?

つまり政治に関心など、無いのです。この国の一般国民は。
私が十年以上ブログで書いておりますようにテレビが率先して国民を「愚民化」しているのですから、それが当たり前です。

今回の安倍さんの事件も、残念ながら数年後には風化してしまうでしょう。
特にこれまでテレビが安倍さんに対して取り続けてきた態度からも明らかなように、彼らはなるべく安倍さんの事が風化するよう努め、これからも印象操作に励むことでしょう。

すなわち「処置なし」なのです。




今は時代が違いますので単純に比べるのはどうかと思いますが、もともと政治家というのは命懸けの仕事だったのです。特に戦前までは。
原敬、犬養毅、高橋是清、浜口雄幸なども殺されてますし、殺されないまでも大隈重信は爆弾を投げつけられて片足を失い、板垣退助も遊説中に暴漢に刺されています。話を幕末まで持って行けば、井伊直弼は桜田門で殺され、安藤信正は坂下門で襲撃されました。

安倍さんの事件は、間違いなくそれらの事件に匹敵するでしょう。
もちろんそんなことを本人が望んだはずもなく、不本意極まりない形とはいえ、安倍さんは「歴史に名を残す政治家」になってしまいました。





さて、そろそろ表題の話に移りましょう。

初代内閣総理大臣・伊藤博文は長州人です。
そして安倍晋三氏も長州人です。
有名な話なのでご存知の方も多いと思いますが、安倍さんの「晋三」の晋は、高杉晋作から取ったと聞いています。

伊藤博文は高杉晋作の親友であり子分でもありました。
安倍さんは同郷の伊藤博文のことをかなり意識していたのではないでしょうか。私はその点、詳しくは知りませんが。

皆さんは伊藤博文について、どんなことを知っているでしょうか?

伊藤博文wiki

そうそう。伊藤博文といえば、こんな歴史小説があるんですよ。ネット限定の歴史小説ですけどね。

『伊藤とサトウ』
作者:海野 次朗
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https://novel.daysneo.com/works/0565053a51a1cc7a6f6c52c29e341aec.html



なかなか良い小説なのでオススメです。

が、それはともかく、安倍さんと伊藤博文について、です。


周知のように、戦前の「大日本帝国憲法(明治憲法)」は伊藤博文が作りました。
と言っては言い過ぎかも知れませんが、少なくともこの憲法のディレクター(監督)が伊藤であるのは歴史的事実ですから、そう申しても過言ではないでしょう。

日本人の手によって作られた日本初の憲法は、長州人である伊藤博文が作ったのです。

そして同じ長州人である安倍晋三氏は、現在の「占領憲法(日本国憲法)」を改正して、なるべく「日本人の手による憲法」に近づけようと努力していました。それは私も率直に評価しておりますし、日本国民もそれを認めてあげるべきだと思います。

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安倍さんと伊藤博文は、
「憲法に大きなこだわりがある」
という点でかなり共通しています。

また安倍さんは首相の在位日数が歴代最長(第一位)ですが、伊藤博文は第四位です。
ちなみに伊藤は三回総理大臣の職についており、安倍さんがもし亡くならずに三回目の総理に就任していれば、この点でも伊藤と並ぶことになっていたのです。

やはり安倍さんと伊藤博文には、共通点がいろいろとありますね。

極めつけは、あまり言いたくない話ではありますが、
どちらも凶弾に斃れた
という点です。

享年は安倍さんが67歳で、伊藤は68歳(数え年では69)です。
昔と違って今は平均寿命も長いですから、安倍さんは伊藤ほど「老人」という印象はありませんけどね。


余談を一つ付け加えますと、伊藤がハルピンで暗殺された際に、同じ長州人(しかも同じ松下村塾生)で伊藤と長くつきあっていた山県有朋は、
「伊藤という人間はどこまでも幸運な人間だった。死にどころを得た点においては、自分は武人として羨ましく思う」
と述べていたそうです。
武人の山県としては「畳の上で死ぬ」よりは、伊藤の死が「英雄的」に見えたのでしょう。

まあ、今こんな話をするのは少々不謹慎ではありましょうが、歴史の一面として、一応ご紹介しました。
なにしろ今は時代も違いますからね。
そんな風に考える人間なんて、おそらく誰もいないでしょう。



ともかくも、故人の遺志に沿うためにも、残された我々は「憲法改正」に真摯に取り組まねばなりません。

そう思って、本日、私は投票所へ足を運んだのです。

謹んでご冥福をお祈りいたします。



追伸
私のこのブログは、自意識過剰と思われるかも知れませんが「安倍さんにも読んでもらいたい」という気持ちで書いていた部分も、多少はあったのです。
もう、その可能性もなくなってしまったと思うと、やはり寂しい。

あちらへ行くのは、やはりちょっと早かったよな。
惜しみてあまりあるよ。安倍さん。




【以下、テンプレート解説】このブログで使っている言葉の定義について
<“左翼”ではなくて“サヨク”>
今の日本で“左派”と呼ばれている連中は、本来の意味での“左翼”ではなくて、単なる「憲法9条的な戦後サヨク」といった意味合いの物でしかないので(しかし今の日本で彼らは“左翼”ではなくて“主流派”である)、私は“左翼”ではなくて“サヨク”という言葉を使っている。

<“保守”ではなくて“いわゆる保守”>
先の大戦の敗北によって従来の価値観をほぼリセットされた戦後の日本では、真に“保守”すべき日本の国柄は既にほとんど失われている。また今の日本で「独立自尊」「自主憲法の制定」を唱えるのは“保守派”ではなくて“改革派である。それ故に一番相応しい呼称は“反サヨク”と呼称すべきだがそれでは「通りが悪い」ので、私は“いわゆる保守”という言葉を使っている。

「戦前の価値観」を知っている日本人がまだ数多く存命していた昭和の終わりまでは“保守”も“左翼”もある程度は字義通り通用していたのかも知れないが、戦後の日本しか知らない日本人が大半を占める今の日本社会では「かつての字義はほとんど通用しなくなっている」という事である。

※過去に何度か誤読されたり、こういった説明をする必要に迫られた事があるので、テンプレートとしてここに明示しておく。

「NHK解体」に関するまとめ(十例)

(1) 日本の公共放送であるにもかかわらず、「自立国家・日本」が主張すべき意見を封殺し、しかも運営資金のほとんどを日本人が負担しているのに、中国・朝鮮、又は旧GHQ(特に米国の立場を優先するような番組しか制作しない。 リンク1リンク2

(2) 受信料制度に様々な不備があり、甚だ公平性を欠いている。また「国営なのか?非国営なのか?」という点も不明瞭である。「国営放送局の新規創設」「民営化」「スクランブル化及びペイパービュー」などが検討されて然るべきである。 リンク1リンク2リンク3リンク4
(※NHK受信契約訴訟の最高裁判決(平成29年12月6日)に関する記事)
「NHK受信契約訴訟・最高裁判決」から私が考えた事(2017/12/9)

(3) 局の政治的及び思想的スタンスが左側の言論に偏っている。「いわゆる保守系」の言論人はほとんどNHKの番組から排除されている。 リンク1リンク2

(4) 昔はともかく、現在では朝日新聞よりもNHKのほうが害が大きい。朝日は儲からなくなれば方針転換を余儀なくされ、また新聞業界自体が斜陽産業である。一方NHKには潤沢な資金(税金)があり、更には「映像や音声で直接感覚に訴える」という高いプロパガンダ能力もある。 リンク1リンク2

(5) 「弱者・被害者」報道は公共放送として、もちろんあって然るべきだが<言葉狩り><論点ずらし><自己保身><イデオロギー闘争>に利用する為にNHKの場合、それが至上命令となっておりやり過ぎである。 リンク1リンク2

(6) NHKの原発報道は「反原発」一色で、「原発再稼働」側の意見は皆無に等しい。現在多くの国民が患っている「原発アレルギー」は、NHKが3.11以降に垂れ流してきた“音声”と“映像”によって作り上げられた、と言っても過言ではない。 リンク1リンク2リンク3拙ブログの「反原発」関連カテゴリへのリンク

(7) 外部の識者による「討論番組」が異常に少ない。「国民にオープンな討論番組を見せる」という姿勢が甚だ欠如しており公共放送として失格であり、また民主主義(選挙制度)の観点から見ても失格である。 リンク1リンク2

(8) 「表現の自由」を盾に一切の干渉を排除し、リベラル知識人特有の「上から目線(=「国民は愚民」という意識)」も強烈で、公共放送の在り方や番組の内容について「国民にアンケートを採る」という事を一切しようともせず、非常に独善的であるリンク1リンク2

(9) 「JAPANデビュー反日台湾番組」や「佐村河内のヤラセ番組」等、非常に問題のある番組を数多く放送してきたが、責任を全く感じていない。 リンク1リンク2

(10) 一般のマスメディアで取り上げられる事はほとんどないが、NHK職員の不祥事は異常に多い。また公共の受信料で成り立つ放送局としては職員の待遇がお手盛り過ぎるという問題もある。 リンク1リンク2


その他にも、NHKが制作してきた数多くの「媚中番組」「韓国・朝鮮人擁護番組(ヘイト関連含む)」「旧民主党・旧民進党擁護番組」等の問題、また近年急速に内容が劣化している「NHK大河ドラマ」の問題などもありますが、それらは上記から割愛しました。

【結論】NHKを解体して、国民にとって必要最低限の事を放送する国営放送局を立ち上げ、残りは民営化すべし。(了)

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