九州新幹線長崎ルート新鳥栖―武雄温泉に関し、佐賀新聞社などが実施した世論調査でフル規格での整備に賛成する人が反対する人を上回ったことについて、山口祥義知事は8日、「世論調査って難しいと思う。在来線や財政負担などさまざまな問題があるが、それをどうやって県民に伝えて行くかということだ」との受け止めを述べた。
県庁であった定例会見で報道陣の質問に答えた。山口知事は「あまりいろいろなことを考えずに、そこ(新鳥栖―武雄温泉)が切れているから、つなぐかつながないか聞かれたら、つなぐと答えるだろう」と指摘。その上で「われわれ自身がフル規格での新幹線をダメと言っている訳ではなくて、佐賀県の将来に大きな影響が考えられるので、安易にやる話ではなく、しっかり調整しながらやっていく」とし、国土交通省との「幅広い協議」を継続する構えを見せた。
2019年の前回参院選時の調査と賛否が逆転したことについては「9月23日に(西九州)新幹線ができるので、盛り上がり、高揚する効果があると思う」とし、県としても開業効果を高め、西九州全体を盛り上げる機会にするとした。
佐賀新聞社の世論調査では新鳥栖―武雄温泉をフル規格で整備するかの賛否について、「賛成」「どちらかといえば賛成」が56・2%で、「反対」「どちらかといえば反対」の30・1%を上回った。(大橋諒)