安倍氏と統一教会の接点
安倍晋三元首相(享年67)を街頭演説中に銃撃し、殺害した山上徹也容疑者(41歳)の供述が、少しずつ明らかになってきている。大手メディアが報じない供述の内容を、以下、明かそう。
山上容疑者は「宗教団体のメンバーを狙おうとしたが、難しいと思い、安倍元総理を狙った」と報じられてきたが、この宗教団体は、旧・統一教会(世界平和統一家庭連合)である。かねてより霊感商法や集団結婚で話題になってきた新興宗教だ。
山上容疑者は「自分の母親が統一教会の信者で、安倍晋三が統一教会と親しいと知って狙った」と供述している。
なぜ山上容疑者は、統一教会と安倍氏と接点があると考えたのか? 統一教会系の政治団体「国際勝共連合」は、1968年に創設された保守系グループであり、自民党の保守系議員とも密接な関係があると言われる。ネット上では、かねてより安倍氏と勝共連合の関係が取り沙汰されてきた。
統一教会と敵対関係にある日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」では、昨年9月12日、旧統一協会系の天宙和連合(UPF)の集会に安倍氏がオンラインで出席し、「今日に至るまでUPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」と発言した模様を報じている。
保守系政治家の雄であった安倍氏と統一教会との接点は、かねてより永田町関係者では公然の秘密だった。たとえば安倍氏と近いある参議院議員の場合は、「統一教会丸抱え」と言われるほどの密接の関係にあり、統一教会幹部も「あの議員はうちの票で当選できている」と認めるほどだった。
山上容疑者の自宅では拳銃2丁以上が押収され、爆破物を複数製造していたことも明らかになった。自宅のワンルームは火薬の匂いが立ち込め、さながら町工場のように、爆発物などの製造に使う薬品、鉄くずなどが散乱していたという。
「もともと爆発物で安倍氏を殺害しようとして製造したが、これでは無理だと銃に変更し、今年の春には完成させたと供述している。
今回使用した銃は、2つの鉄パイプを粘着テープでつないだものだった。二度発砲ができるもので、激しい殺意が見られる。山上容疑者も、殺害するつもりだったと物静かに語っている」(捜査関係者)