“日本最先端のソリューション”を提供できる強み
日本NCR株式会社は、主に「流通ソリューション」と「金融サービス」を提供する外資系の情報処理/通信システムベンダーである。
流通ソリューションにおいては、百貨店、スーパーマーケットやホームセンター、ドラッグストアなどの量販店、アパレルチェーンなどの専門店といった各業種に特化したソリューションを提供している。商材としては、POSレジやスキャナー、POSプリンター、Kiosk端末といったハードウェアや、店舗と本部をリアルタイムで結ぶ店舗ソリューションやセキュアな決済ソリューション、商品の生産や在庫管理を効率化するRFIDソリューションなどを包括的にラインナップしている。
スーパーマーケットなどで消費者自身が商品のバーコードをスキャンして支払いを行う『セルフサービス・ソリューション』を日本で初めてリリースしたり、インバウンド旅行者増加を見込んだ海外キャッシュレスサービスへの対応や、店舗スタッフが来店客に商品説明や在庫確認を行い決済まで完了させられるタブレット端末をいち早く開発するなど、先端的なソリューションへの取り組みも特長的だ。
「当社の強みは、本国アメリカのNCRが開発し、日本より5年は先行しているといわれるアメリカの流通業に導入して十分に検証されたソリューションを、“日本では最先端のソリューション”として導入できる点にあります」と、人事教育・管理本部HRマネージャーの馬場俊太郎氏は話す。
一方、独特な日本の流通業のニーズに合わせ、外資系企業には珍しく日本市場に対応したハードウェアやソフトウェアを独自に開発している。その上、「当社のソフトウェアは他のあらゆるメーカーのハードウェアを含めて互換性のあるマルチベンダー対応である点や、レジのオペレーターが使いやすいUIを追求し、トレーニングが1時間で済むといった機能性も大きな特長」と人事教育・管理本部採用マネージャーの島津友子氏は補足する。
こうした点が評価され、日本を代表する大手百貨店や大手流通グループ、大手ドラッグストア、大手セレクトショップなどから支持され、クライアントとして顔を並べている。
金融サービスにおいては、金融機関のペーパーレス化を促進する事務集中(統合イメージ処理)ソリューションや、為替や外貨預金、送金などの国際業務ソリューション、エンドユーザーに対応するコンタクトセンター・ソリューション、住宅ローンなどの統合与信ソリューションなどを通じ、クライアントの業務効率化に貢献している。
「特に、日本の第一地方銀行の70%が利用する為替業務の共同システムを30年近く独占的に運用しているなど、信頼性を何よりも重視する金融業界に一定のポジションを確立しています」(島津氏)。
これらのほか、IT資産管理やインフラのリモート監視などの『マネージド・サービス』や、コンサルティングサービス、インフラ・サービスなどにも取り組み始めている。
日本市場はNCRグループで世界No.2の売上規模という重要なポジション
同社の親会社であるアメリカのNCR Corporation(National Cash Registerの略)は、1884(明治17)年に機械式キャッシュレジスターメーカーとして設立された(当時の社名は“National Manufacturing Company”)。IBMの実質的な創立者であるトーマス・ワトソン氏が在籍していたことでも知られる。
日本市場には、1897(明治30)年に初めてレジスターを導入。そして、1920(大正9)年、日本NCRが設立された(当時の社名は「日本金銭登録機」)。日本初の外資系企業として、2020年に創立100周年を迎えるという存在だ。
1953(昭和28)年、日本初のスーパーマーケットの開店を支援するという輝かしい歴史を持つ。その後、日本市場に密着し、高度成長下の日本の流通業の近代化に貢献してきた。
現在、世界180カ国・地域に展開し、3万4,000人の従業員を擁するNCRグループにおいて、日本市場はアメリカ市場に次ぐ世界No.2の売上規模を持つ。「流通領域の売り上げは、日本以外のアジア・パシフィック地域全体の合計よりもかなり大きい」と島津氏。このため、他の地域と違い、日本NCRは単独リージョンとしてダイレクトにアメリカ本社と繋がるという位置づけにある。
「アメリカ本社から役員クラスのエグゼクティヴが四半期ごとに来日し、全体ミーティングなどの場で日本のメンバーとコンタクトしています。それだけ日本市場を重視していることの表れだと思います」と人事教育・管理本部採用コンサルタントの近森三加氏は説明する。
日本市場の重要性はほかにもある。実は、NCRは日本以外のグローバルにおいては金融機関向けATMメーカーとしてのポジショニングのほうが大きい。日本でもATMを扱った時期はあったが、事業を売却して現在は扱っていない。一方、流通向けソリューションが世界で最も進展しているのが、日本なのである。
「アメリカ本社には、日本市場での流通ソリューションの成功事例をグローバルに展開させたいとの考えがあると思います」と馬場氏は言う。
日本の流通・金融市場には、いま、“キャッシュレス”の大きな波が訪れている。従来のPOSシステムなども変容を迫られてくるだろう。NCRも電子決済システム企業を買収するなど未来を見据えた準備をすでに始めている。
カルチャーづくりの軸“6つのShared Values”
グローバルのNCRは、次の“6つのShared Values”をカルチャーづくりの軸にしている。
●Integrity(誠実性)
私たちは、高い倫理観、誠実さ、信頼性をもった企業です。約束を守り、達成する結果だけでなく、その達成方法にも説明責任があります。
●Respect & Team work(尊重とチームワーク)
私たちは、互いに敬意を払い、コミュニケーションを上手く取り、自分が望む方法で他人に接します。私たちは、社員一人ひとりの貢献を意識し、個人より多様性あるグローバルチームで力を合わせる方がより良い成果をもたらすことができると信じています。
●Performance(パフォーマンス)
私たちは、優れた成果を挙げ、誇りを持って行動することを約束します。学ぶこと、成長することに情熱を持ち、成長するために最善を尽くしたいと日々考えています。
●Innovation(革新性)
私たちは、常に好奇心を持ち創造力を発揮します。新しいアイディアやユニークな視点を活用し、日々実践しています。
●Customer Dedication(お客様への貢献)
私たちは、お客様を大切に思い、成功を心から願っています。パートナーとしてお客様のビジネスを理解し、最高レベルの品質、サービスそして価値を引き出すソリューションを提案します。
●Courage(勇気)
日々NCRのシェアード・バリューを実践する勇気、それは簡単ではありませんが、率直に話し、そして耳を傾ける勇気が必要です。私たちはなにも恐れることなく、いつも変化に挑戦していきます。
このShared Valuesは、人事考課の評価指標として位置づけられている。例えば、Customer Dedicationにおいては、毎年顧客に10段階で評価してもらうアンケート調査を実施。Innovationは、製品開発から日常的な改善アイディアまでを取り上げて評価対象としている。
「中でもIntegrityは、Performanceがどれだけ高くても素行に問題があればトータルの評価を下げるというように、プライオリティが高く位置付けられています」(馬場氏)。
また、それぞれの項目を浸透・推進する取り組みも活発に行われている。例えば、Innovationにおいては、年2回「社長賞」などのアワードを設けてロールモデルを表彰。Respect & Team workにおいては、トップが主導しての全社ボウリング大会や、四半期ごとの「オールハンズコミュニケーションミーティング」などを実施している。
人材育成においては、4,000以上のコースをいつでもどこからでも受講できるeラーニングプログラム「NCRユニバーシティ」が用意されている。
社員のキャリアステップとしては、グレード(等級)制を導入。例えば、エンジニアならば一定の等級から上級のエンジニアもしくはプロジェクトマネージャーのどちらかにステップアップできるといったキャリアパスが選べるようになっている。
なお、同社は外資系企業といっても、日本市場に100年間根付いてきた日本企業。「外資系らしくない、日本的な部分がたくさんある」と近森氏。離職率は7~10%と外資系にしては低く、社内で交わされる言葉はほぼ日本語である。「逆に、英語力を生かしたいという方には期待外れかもしれない」と島津氏。一方で、セブ島のオフショア開発拠点とのやり取りや、グローバル企業のプロジェクトメンバーにアサインされるなど、人によっては英語を使う機会もある。
“6つのShared Values”に共感でき、コミュニケーション力のある人材を同社は求めている。ぜひアクセスしてみてほしい。