ウシガエル生息域拡大 特定外来生物 安曇野市の市民講座で生態確認
安曇野市内で環境保全活動などに取り組む団体でつくる安曇野環境市民ネットワーク(横田耕太郎座長)は14日、特定外来生物に指定されている「ウシガエル」の生態を学ぶ講座を明科七貴で開いた。ため池に仕掛けた11個のわなを引き上げ、ウシガエルのオタマジャクシ4匹を捕獲した。ウシガエルは近年、明科地域から隣接する豊科南穂高などへと生息域を広げており、在来種への食害や大きな鳴き声による騒音被害が懸念されている。
市内から5人が参加し、ネットワーク事務局の市環境課などが1週間ほど前に水中に沈めたわなに何がかかっているのか確認した。捕獲したオタマジャクシは大きな個体で体長が16センチもあり、手からはみ出すほどの大きさに参加者から驚きの声が上がった。特定外来生物の淡水魚・ブルーギル6匹もかかり、ウシガエルとともに駆除された。
ウシガエルは米国の東部や中部、カナダの南東部が原産の大型のカエルで、食用として100年ほど前に国内に持ち込まれた。現在は日本全国に広がり、特定外来生物として、生きたまま運ぶことなどが禁止されている。市内では明科地域のため池などで目撃されており、ここ数年は明科地域に隣接するエリアでも見かけたり、鳴き声を聞いたりしたという情報が市などに寄せられている。
環境市民ネットワークが講座でウシガエルを取り上げるのは初めて。横田座長は「安曇野の環境を考えてもらう上でも現状を広く知ってもらいたい」と話していた。