矢沢永吉「怖いから必死で探る、調べる、計算する。臆病はある種、俺にとってはレーダーなんだ」
デビュー50周年 矢沢の金言(2)
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デビュー50周年を迎えた日本ロック史上最大のスター、矢沢永吉(72)が激動の人生を自らの語録で振り返る大型連載「YAZAWA’S MAXIM 矢沢の金言」。第2回は矢沢最大のヒット曲「時間よ止まれ」(1978年発売)の誕生秘話。永ちゃんはなぜ成功し、今もトップスターであり続けられるのか。その答えが分かる名言です。(構成・阿部 公輔)
「怖いから必死で探る、調べる、計算する。臆病はある種、俺にとってはレーダーなんだ」
自分から臆病って打ち明けられるようになったのは、いつ頃からかなあ。僕は心のウンと奥底のところがビビり屋ですから。なぜだ、大丈夫か、どうする!?というセンサーの感度が高いんだと思う。
だってほら、僕は昔から新聞をよく読むでしょ。1面から3面記事、スポーツもエンタメも株価も見る。マーケティングなんてしないけど、世の中の流れだけは知っておきたい。テレビも報道番組だけじゃなくワイドショーだって見る。
ミーハーなんですよ、僕は。みんながイイって言ってるものは、なぜイイのか知りたい。だから誰かに「いい鍵盤弾きがいるよ」って教えてもらったら、「面白い詞を書くヤツいるよ」って聞いたら、すぐに飛びつく。それが当時まだ世間的には無名だった坂本龍一(70)であり、5年前に他界された作詞家の山川啓介さん(享年72)だった。
78年発表の「時間よ止まれ」。僕にとって初のNo・1ヒット曲であり、いろんな意味でターニングポイントとなった作品。あの頃の僕は、ビートルズの歌はなんでいいんだろうって、いつも考えていた。探して調べて、出てきた答えが「哀愁」だった。どんなハードな曲にもそこがある。だったら、それをいかにロックに仕上げられるのか。ギターを手にしてツアー先の楽屋で一気に出てきたのが、あのメロディーだった。
資生堂のCMソングをというオファーが来た時。「俺が書くメロディー」としての自負は当時から強かったから、絶対に売りたかった。メロディーだけで物語がブワーッと浮かんできてたのよ。だからデモテープには曲だけじゃなく、僕が求めるイメージや気持ちまで吹き込んで、まだ会ったこともなかった山川さんに送ったんだ。
すると、♪罪なやつさ Ah PACIFIC――って。僕が求めていた「哀愁」をより詩的な世界にいざなってくれた。あのヤザワって男の奥には一体、何があるんだろうって思わせる“深さ”を与えてくれた。矢沢の新たな面を詞で引っ張り出してくれたんです。
アレンジは正直、キャロル時代は全く認識していなかった。曲に詞を乗っけて、みんなで突っ込んでいく。それがロックだと思っていた。でも、ライブで一緒になった「サディスティック・ミカ・バンド」の曲を聴いて、アレンジ次第で曲はどうとでも変われることに衝撃を受けた。カッコイイなあって。
それで「いいアレンジできるヤツいない?」って探してたら、坂本の名前が出てきたんだ。どんなアレンジにしたいかは、車の中でデモテープ聴きながらイメージしてたんで、それをスタジオで坂本に細かく伝えたら「コイツ、スゲえ」って答えをバンバン出してくる。すぐに俺、好きになっちゃって。ギュッと手を握ったんだけど、後日談では「永ちゃんにエネルギーを吸い取られるようだった」と言ってたみたいね(笑い)。確かに坂本の奏でるイントロを聴いた時「もらった!」って思ったよ。
臆病というセンサーと、ミーハーというアンテナのおかげで、僕はたくさんの人に出会い、そこでいっぱい学んできたんだね。矢沢、72歳になった今もビビり屋です。だから必死で最善を尽くします。8月末の国立競技場から始まる50周年ツアー。全力で皆さんに立ち向かっていくんで、ヨロシク。
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