新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
令和4年4月27日版
1.政府の方針
問2 新型コロナウイルス感染防止を日常生活に取り入れた「新しい生活様式」とは何ですか。
問3 飲食の場での感染リスクにはどのように対応したらよいですか。
問4 普段会わない人と会うことで、感染はどう広がるのですか。
問5 発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたら良いですか。
問6 換気について、一般家庭ではどのような工夫をしたらよいでしょうか。
問7 社会福祉施設や医療機関などでの面会はどうなっているのでしょうか。
問8 医療従事者やスーパーの店員などへのハラスメントが起こっているのですか。
問9 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?
2.新型コロナウイルスについて
問2 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。
問3 新型コロナウイルスに感染した人から、感染する可能性があるのはいつまでですか。
問4 新型コロナウイルスはペットから感染しますか。
問5 新型コロナウイルスはハエや蚊を介して感染しますか。
問6 感染者の糞便から感染することがありますか。
問7 手紙や荷物などにより感染しますか。
問8 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染することはありますか。
問9 新型コロナウイルス感染症になった後、症状が長引くことはありますか。
2-2.変異株について
問2 国内で見つかっている変異株について教えてください。
問3 変異株への個人の感染予防策について教えてください。
3.新型コロナウイルス感染症の予防法
問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。
問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どのようなことに注意すればよいでしょう。
問4 「咳エチケット」とは何ですか。
問5 「接触確認アプリ」とは何ですか。どのように役立つのでしょうか。
4.マスク・消毒液に関するもの
問2 マスク・消毒液の確保・供給に向けて、政府はどのような対策を講じていますか。
問3 新型コロナウイルス感染予防のための手洗いや身の回りのものの消毒・除菌はどのようにしたらよいですか。
問4 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は異なるものですか。両方とも新型コロナウイルス感染症対策に有効なのでしょうか。
問5 人がいる空間での消毒剤の空間噴霧は行ってはいけないのですか。
問6 マスクを着用する場面、外してよい場面はどのような場面でしょうか。
5.新型コロナウイルス感染症に対する医療について
問2 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。
問3 自費でPCR検査を受ける場合に、注意すべき点はありますか。
問4 陽性になって入院や療養をした場合、どうなったら元の生活に戻れますか。
問5 新型コロナウイルスに感染すると抗体・免疫ができるのですか。抗体検査について注意すべき点はありますか。
問6 新型コロナウイルスは重症化しやすいのですか。
問7 自宅で療養を行う場合には、何に注意する必要があるのでしょうか。
問8 治療薬の実用化に向けた取り組みはどうなっていますか。
問9 新型コロナウイルスに感染したら、誰でも経口薬の投与を受けられますか。
問10 モルヌピラビルは、臨床試験での有効性が低かったと聞きましたが、効果はないのでしょうか。
問11 モルヌピラビルは、発がん性があると聞きましたが、問題ないでしょうか。
問12 モルヌピラビルは、陽性になったら即(当日)内服を開始しないといけないのか。
問13 日本でのワクチン接種はどうなっていますか。
問14 電話やオンラインによる診断や処方を受けたいのですが、どうしたら受けられますか。
6.妊婦や小児に関すること
問1 妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいですか。
問2 夫の立ち会い分娩等面会の制限はどうなっているのですか。
問3 分娩時に妊婦がマスクをすることは必須なのですか。
問4 新型コロナウイルスに感染した場合、分娩方法は帝王切開となるのでしょうか。
問5 職場で働くことが不安ですが、どうしたらよいでしょうか。
【胎児・新生児への影響について】
問6 妊娠中に母親が新型コロナウイルスに感染した場合、胎児にどのような影響がありますか。
問7 母親が新型コロナウイルスに感染した場合、母乳や授乳を介して乳児が新型コロナウイルスに感染することはありますか。
【乳児・小児への影響について】
問8 乳幼児は新型コロナウイルスに感染しやすいですか。また、感染した場合、重症化しやすいですか。
問9 小児は、どのような経路で新型コロナウイルスに感染するのですか。
問10 子どものマスク着用に関する考え方を教えてください。
(参考)文部科学省HP:学校における新型コロナウイルス感染症対策に関するQ&A
1.政府の方針
問1 新型コロナウイルス感染症に関して、どのような取り組みを行っているのですか。
具体的には、デルタ株への置き換わり等による令和3年夏のピーク時における急速な感染拡大に学び、今後、感染力が2倍(若年者のワクチン接種が70%まで進展し、それ以外の条件が令和3年夏と同一である場合と比較し、新たな変異株の流行や生活行動の変化等による、「令和3年夏の実質2倍程度の感染拡大が起こるような状況」)となった場合にも対応できるよう、医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保を進めています。
こうした取組により、重症化する患者数が抑制され、病床ひっ迫がこれまでより生じにくくなれば、感染拡大が生じても、国民の命と健康を損なう事態を回避することが可能となります。感染リスクを引き下げながら経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現を図ります。
その上で、感染力が2倍を大きく超え、例えば感染力が3倍となり、医療がひっ迫するなど、それ以上の感染拡大が生じた場合には、強い行動制限を機動的に国民に求めるとともに、国の責任において、コロナ以外の通常医療の制限の下、緊急的な病床等を確保するための具体的措置を講じます。
令和3年9月以降、急速に減少に転じた新規感染者数は、同年12月下旬以降再び増加傾向となり、令和4年1月には新規感染者数の急速な増加に伴い、療養者数と重症者数も増加傾向が見受けられたため、新型インフルエンザ等対策特別措置法第31条の4第1項に基づき、同年1月9日以降、一部の都道府県において、まん延防止等重点措置を実施しました。その後、多くの地域で新規感染者数が減少傾向となり、医療提供体制への負荷の軽減が見られることなどから、3月21日をもって、全ての都道府県でまん延防止等重点措置を終了しました。
まん延防止等重点措置を終了した地域を含め、学校、保育所、高齢者施設等における対策を強化した上で、引き続き、オミクロン株の特徴を踏まえた対策を実施することとしています。さらに、今後、感染が再拡大した場合に備え、保健医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、検査体制の強化、治療薬の更なる確保、濃厚接触者の特定や待機期間の在り方の見直し等の対策を講じていくこととしています。
まん延防止等重点措置の終了に当たり、感染再拡大を防ぐため、国民の皆さまにお願いする取組等については、以下のリンクをご覧ください。
【基本的対処方針に基づく対応】
https://corona.go.jp/emergency/
また、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策については、以下のリンクをご覧ください。
https://corona.go.jp/emergency/#omicron
まん延防止等重点措置終了後にお願いする具体的な対策の内容等については、各都道府県や自治体のウェブサイト等もご覧ください。
【次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像】
(概要)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_r_031112_1.pdf
(全文)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_r_031112_2.pdf
【国民の仕事や生活の安定・安心を支える日常生活の回復】
https://corona.go.jp/package/
問2 新型コロナウイルス感染防止を日常生活に取り入れた「新しい生活様式」とは何ですか。
なお、実践例については、令和2年5月4日に新型コロナウイルス感染症専門家会議から提言があった以降も、移動自粛の緩和や、夏場の熱中症対策との両立などの記載内容を更新しております。
まず、1.身体的距離の確保(できるだけ2m)、2.マスクの着用、3.手洗い、の3つを、一人ひとりの方の基本的な感染防止策としています。
また、日常生活では、上記に加えて、「3密」の回避や、換気、まめな体温・健康チェックが効果的です。(換気については、2方向の窓を開け、数分程度の換気を1時間に2回程度行うことが有効です。体温・健康チェックは、毎朝行うなど決まった時間に行ってください。)
働き方については、テレワークや時差通勤を進め、オンラインで可能なことはオンラインで行って下さい。
【3つの密を避けるための手引き】
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622211.pdf
また、緊急事態宣言の解除後も、全都道府県において、基本的な感染防止策の徹底等を継続する必要があるとともに、感染の状況等を継続的にモニタリングし、その変化に応じて、迅速かつ適切に感染拡大防止の取組を行う必要があります。その土台となるのは、こうした新しい生活様式の定着ですので、ご協力をお願いします。
問3 飲食の場での感染リスクにはどのように対応したらよいですか。
飲食をする場面は、感染リスクの高い場として報告されており、地域の感染状況が高い場合には、集団感染に繋がる恐れもあります。そのため、地域の感染状況に応じて、営業時間や酒類の提供、同一グループの同一テーブルでの人数制限等をお願いする場合があります。
新型コロナワクチン接種の進展に加えて、各都道府県による第三者認証制度が普及しています。
認証店は、①座席の間隔の確保(又はパーティションの設置)、②手指消毒の徹底、③食事中以外のマスク着用の推奨、④換気の徹底 の認証基準を満たしています(※都道府県の判断により追加的な基準を設定している場合があります)。
認証店においては、飲食の感染リスクの低減が図られていることから、認証店のご利用も検討してください。認証店は各都道府県のHPから確認することができます。
(参考)飲食店における「第三者認証制度」の概要
(参考)マスクはどのような効果があるのでしょうか。
問4 普段会わない人と会うことで、感染はどう広がるのですか。
仮に、その中に1人感染した方がいたとしても、ネットワークの外にいる人と会わなければ、そのネットワークの中で感染の拡大は完結し、感染が他のネットワークに広がることはありません。
普段会わない人は、この基本的なネットワークの外にいる人です。そのため、普段会わない人と会うと、外のネットワークから感染を受ける、又は外のネットワークに感染を広める可能性があります。
特に、感染者が増加しているときに、多くの普段会わない人と接すると、他のネットワークへ感染が広がる可能性は高まります。忘年会、帰省、新年会、成人式はそうした機会といえます。最近会っていなかった友人や知人、初めて会う人との接触はできるだけ減らすことが感染の拡大を抑えます。他のネットワークには、高齢者と同居したり、高齢者と接する仕事をしている人がいるかもしれません。知り合いだけでなく、知り合いの知り合いにまで広がることを考慮して、普段会わない人とどうしても会う時は、マスクを外す飲食などの場面により一層注意するなどいつも以上の感染防止対策をこころがけましょう。
問5 発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたらよいですか。
冬には、季節性インフルエンザ等、発熱や咳を起こす感染症が流行しやすくなります。こうした感染症と新型コロナウイルス感染症の症状は非常に似ています。「筋肉痛があるからコロナではない」等自己判断せず、まずはかかりつけ医等身近な医療機関に電話で相談してください。
お近くで、発熱等を呈する患者の検査や相談を受けることができる医療機関や受診方法をご案内します。
各都道府県における、相談・医療体制に関する情報や受診・相談センターの連絡先
※ 院内感染を防止するため、緊急の場合を除いて、事前の連絡なく医療機関を直接受診することは控えてください。かかりつけ医がいないなど相談先に迷った場合は「受診・相談センター」(地域により名称が異なることがあります)にご相談ください。
なお、少なくとも以下の条件に当てはまる方は、すぐにご相談ください。
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)
(2)仕事や学校を休み、会食は控えましょう。
体調不良時には、仕事や学校を休んでいただき、会食は控えてください。解熱剤を飲んで熱が下がっても、感染を広げる可能性があります。ご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。
問6 換気について、一般家庭ではどのような工夫をしたらよいでしょうか。
一般家庭でも、建物に組み込まれている常時換気設備※や台所・洗面所の換気扇により、室温を大きく変動させることなく換気を行うことができます。常時換気設備や換気扇を常時運転し、最小限の換気量を確保しましょう。
※2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。常時換気設備が設置されている場合には常に稼働させましょう。また、定期的にフィルタの掃除を行い、強弱スイッチがある場合は強運転にして換気量を増やすようにしましょう。吸気口の位置にもご注意ください。家具等でふさぐと効果が落ちてしまいます。
「常時換気設備」が設置されていない建物でも、台所や洗面所などの換気扇を常時運転することで最小限の換気量は確保できます。
<窓開けによる換気のコツ>
窓開けによる換気は、対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると効果的な換気ができます。また、窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置しましょう。
【夏場における換気の留意点】
<熱中症予防にはエアコン等を使用しましょう>
高温、多湿の夏場は、熱中症対策が重要です。最近では、毎年6万人を超える方が救急搬送をされ、亡くなる方が1,000人を超えています。熱中症の約4割は住居内で発生しています。夏場は家電などからの発熱や日射侵入によって、室内の温度は外気よりも高くなるため、室内での熱中症予防のためには、エアコン(※1)や扇風機を活用することが重要です。
一方、新型コロナウイルス対策として換気が必要ですが、エアコン使用中に窓を開けると、一時的に室温が高くなってしまいます。熱中症は短時間で重症化し、命に関わるため、予防が重要です。夏場は新型コロナウイルス対策より、熱中症対策を優先して、以下のような換気の工夫をお勧めします。
(※1)一般の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで換気を行っていません。
<一般家庭でのエアコン使用中の換気>
一人暮らしの場合は、新型コロナウイルスの感染リスクは低いので、エアコンを優先しながら24時間換気システムや換気扇を活用して、最小限の換気を確保しましょう。
窓開けによる換気を組み合わせる場合も、夏場は外気温との兼ね合いです。外気温の低い朝や夕方以降などに、窓開けを行い、換気時間を多く取るなど、室温が上がらないよう工夫いただくことを推奨します。
また、室温が上がりすぎないようにすると窓を十分に開けられない場合には、換気不足を補うために、HEPAフィルタ(※)によるろ過式の空気清浄機を併用することが有効です。
(※) HEPAフィルタは、「高性能エアフィルター」とも呼ばれることもあり、国内メーカーの多くの空気清浄機で使用されています。空気中に含まれる微粒子を取り除くことができます。
ご家族の皆様が一つの部屋で過ごす場合も、これらの24時間換気システムや換気扇などの機械換気と窓開けによる換気の工夫を行いつつ、エアコン等を使用しましょう。
【冬場における換気の留意点】
・窓開けを行うと、一時的に室内温度が低くなってしまいます。暖房器具を使用しながら、換気を行ってください。
・暖房器具の近くの窓を開けると、入ってくる冷気が暖められるので、室温の低下を防ぐことができます。なお、暖房器具の種類や設置位置の決定に当たっては、カーテン等の燃えやすい物から距離をあけるなど、火災の予防に留意してください。
・短時間に窓を全開にするよりも、一方向の窓を少しだけ開けて常時換気を確保する方が、室温変化を抑えられます。この場合でも、暖房によって室内・室外の温度差が維持できれば、十分な換気量を得られます。
・人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れることも、室温を維持するために有効です。
・室温を18℃以上に維持しようとすると、窓を十分に開けられない場合には、換気不足を補うために、HEPAフィルタ(※)によるろ過式の空気清浄機を併用することが有効です。
参考イラスト:人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れる換気方法(2段階換気)の例
問7 社会福祉施設や医療機関などでの面会はどうなっているのでしょうか。
詳しくは、こちらをご参照ください。
11月24日付け事務連絡
医療施設等における感染拡大防止に留意した面会の事例について(別添)
社会福祉施設等における面会等の実施にあたっての留意点について
問8 医療従事者やスーパーの店員などへのハラスメントが起こっているのですか。
こうした方々や、感染者・濃厚接触者に対して、感染に関する誤解や偏見に基づく差別を行うことは許されません。公的機関の提供する正確な情報を入手し,冷静な行動に努めて下さい。
一方で、これらの方々が、来店や施設の利用を断られる、更にはそのご家族にも同様のことが生じるなど、心ない事例が報道されています。正確でない情報により、こうした方々やその家族に対応することは慎むべきです。場合によっては人権侵害になることもあります。
政府では、新型コロナウイルス感染症に関連する不当な偏見、差別、いじめ等の被害にあった方からの相談を受け付けています。
困った時は一人で悩まず、相談してください。
法務省相談窓口(http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html)
厚生労働省総合労働相談コーナー(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)
いじめ等に悩む子どもやその保護者の方は、こちらに相談ください。
24時間子供SOSダイヤル(https://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm)
※電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続されます。
また、政府として、こうした課題について検討するため、新型コロナウイルス感染症対策分科会の下に「偏見・差別とプライバシーに関するWG」が設置され、更なる実態把握を進めるとともに、国民向けの啓発のあり方や、相談窓口の拡充に向けた議論を行ってきました。11月12日、内閣官房において偏見・差別とプライバシーに関するWGのとりまとめが公開されました。
(参考)内閣官房HP:
偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループこれまでの議論のとりまとめ(PDF/21.03MB)
【概要】偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループこれまでの議論のとりまとめ(PDF/368.21KB)
(参考)独立行政法人 労働政策研究・研修機構HP
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における労働者の働き方の実態に関する調査」結果(労働者調査、企業調査)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210709.pdf
厚生労働省でもこうしたとりまとめに基づき、必要な対策を進めて参ります。
問9 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。 私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?
1.接種を受ける際の同意の必要性と接種の判断に資する正確な情報提供
新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。国民の皆さまが接種を受けるかどうかの冷静な判断を行いうるよう、国として正確な情報提供を行った上で、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。
予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。
○今回のワクチン接種の「努力義務」とは何ですか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0067.html
○新型コロナワクチンの接種を望まない場合、受けなくてもよいですか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0053.html
上記のとおり、国民の皆さまが自らの意思で接種を受けるかどうかの冷静な判断を行いうるよう、国として正確な情報提供に努めるとともに、誤情報や非科学的な情報に対しても、これらをとりあげて注意喚起を行っています。
(参考)
○SNSやニュースでコロナワクチンが危険と取り上げられていて不安です。どの情報を信じたらいいのでしょうか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0075.html
2.ワクチン接種を受けていない人に対する差別的扱いの防止
新型コロナワクチンの接種は強制ではなく、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に、職場において解雇、退職勧奨、いじめなどの差別的な扱いをすることは許されるものではありません。
特に、事業主・管理者の方におかれては、接種には本人の同意が必要であることや、医学的な事由により接種を受けられない人もいることを念頭に置いて、接種に際し細やかな配慮を行うようお願いいたします。
※労働契約法16条によると、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、解雇はその権利を濫用したものとして無効となります。
また、労働契約法第17条第1項によると、期間の定めのある労働契約の場合は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、解雇できないとされています。
(相談窓口)
政府では、人権相談窓口や総合労働相談コーナーにおいて、ワクチン接種を受けていない人に対する差別的な扱いや、感染者に対する偏見・差別など、新型コロナウイルス感染症に関連する不当な偏見、差別、いじめ等の被害にあった方からの相談を受け付けています。
困った時は一人で悩まず、相談してください。
法務省相談窓口(http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html)
・職場における解雇や退職推奨、いじめ・嫌がらせになどに関する相談窓口
厚生労働省総合労働相談コーナー(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)
新型コロナワクチンについて、その他詳しい情報はこちらをご覧ください。
(新型コロナワクチンQ&A)
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/
2.新型コロナウイルスについて
問1 「新型コロナウイルス」とは、どのようなウイルスですか。
ウイルスにはいくつか種類があり、コロナウイルスは遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)で、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っています。自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。
ウイルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。物の表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいます。ただし、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつと言われています。
手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。手洗いの際は、指先、指の間、手首、手のしわ等に汚れが残りやすいといわれていますので、これらの部位は特に念入りに洗うことが重要です。また、流水と石けんでの手洗いができない時は、手指消毒用アルコールも同様に脂肪の膜を壊すことによって感染力を失わせることができます。
問2 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。
また、ウイルスが付いたものに触った後、手を洗わずに、目や鼻、口を触ることにより感染することもあります。WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するなどとしています。
【WHO:新型コロナウイルスの感染様式】
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/coronavirus-disease-covid-19-how-is-it-transmitted
【新型コロナウイルス感染症と食品安全:食品事業者向けガイダンス】
https://apps.who.int/iris/rest/bitstreams/1274400/retrieve#:~:text=Recent%20research%20evaluated%20the%20survival,24%20hours%20on%20cardboard.
問3 新型コロナウイルスに感染した人から、感染する可能性があるのはいつまでですか。
しかし、新型コロナウイルスでは、発症の2日前から発症後7~10日間程度他の人に感染させる可能性があるとされています。特に、発症の直前・直後でウイルス排出量が高くなるため、無症状病原体保有者(症状はないが検査が陽性だった者)からも、感染する可能性があります。
新型コロナウイルスに感染した方が、他の人に感染させる事例は、全体の2割以下と考えられますが、マスク無しの会話や3密(密閉・密集・密接)が感染拡大リスクとなっています。
体調が悪いときは不要・不急の外出を控えることや、人と接するときにはマスクを着用すること、普段会わない人とは会わないことなど、新型コロナウイルスに感染していた場合に多くの人に感染させることのないように行動することが大切です。
※ マスクの着用により、感染者と接する人のウイルス吸入量が減少することがわかっています。
(参考1)世界保健機関(WHO)ホームページ
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/coronavirus-disease-covid-19-how-is-it-transmitted
(参考2)アメリカ疾病予防管理センター(CDC)ホームページ
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/science-briefs/sars-cov-2-transmission.html
(参考3)台湾における新型コロナウイルス感染症発症者の感染力の研究
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2765641?resultClick=1
問4 新型コロナウイルスはペットから感染しますか。
(参考)厚生労働省ホームページ:動物を飼育する方向けQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/doubutsu_qa__00001.html
問5 新型コロナウイルスはハエや蚊を介して感染しますか。
【WHOの情報】
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/myth-busters
問6 感染者の糞便から感染することがありますか。
問7 手紙や荷物などにより感染しますか。
【WHOの情報】
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-coronaviruses
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public
【国立医薬品食品衛生研究所の情報】
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/microbial/2019-nCoVindex.html
問8 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染することはありますか。
なお、食品や食事の配膳等を行う場合は、不特定多数の人と接する可能性があるため、接触感染に注意する必要があります。食器についても同様で、清潔な取扱を含め十分お気をつけ下さい。
コロナウイルスは熱(70度以上で一定時間)及びアルコール(60%以上(※)、市販の手指消毒用アルコールはこれにあたります)に弱いことがわかっています。製造、流通、調理、販売、配膳等の各段階で、食品取扱者の体調管理やこまめな手洗い、手指消毒用アルコール等による手指の消毒、咳エチケットなど、通常の食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば心配する必要はありません。WHOからの一般的な注意として「生あるいは加熱不十分な動物の肉・肉製品の消費を避けること、それらの取り扱い・調理の際には注意すること」とされています。
(※) 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えないです。
問9 新型コロナウイルス感染症になった後、症状が長引くことはありますか。
今後も引き続き研究を進め、新たに分かってきた情報については順次明らかにして参ります。
①2020年9月~2021年5月にCOVID-19で入院した中等症以上の例において、退院3ヶ月後に肺CT画像上で何らかの画像所見があった者は353例中190例、肺機能検査の結果では肺拡散能(DLCO)が障害されやすい、自覚症状はとして筋力低下と息苦しさは明確に重症度に依存
②2020年1月~2021年2月にCOVID-19 PCR検査もしくは抗原検査陽性で入院した症例のうち、診断後6ヶ月経過した246例において症状が残っている人の割合は、疲労感・倦怠感21%、息苦しさ13%、睡眠障害・思考力や集中力低下11%、脱毛10%、筋力低下・頭痛・嗅覚味覚障害9%
③2021年2月~2021年5月に病院入院中、ホテル療養中の無症状・軽症・中等症のCOVID-19患者(20歳~59歳)の参加希望者において、1か月後までの改善率は嗅覚障害が60%、味覚障害が84%であり多くの味覚障害例は嗅覚障害に伴う風味障害の可能性が高い
(参考)厚生労働科学特別研究事業「COVID-19後遺障害に関する実態調査(中間集計報告)」等
2-2.変異株について
一般的に、ウイルスは流行していく中で少しずつ変異をおこしていきます。この変異したウイルスが変異株です。ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報の変異が起こるとウイルスの性質が変化することがあります。感染の広がりやすさ(伝播性)や、引き起こされる病気の重さ(病毒性)が変わることもあれば、ワクチンや薬が効きにくくなる(免疫逃避や耐性獲得)こともあります。
新型コロナウイルスについても、約2週間に1箇所程度の速度で変異していると考えられています。
問2 国内で見つかっている変異株について教えてください。
一般的にウイルスは増殖・流行を繰り返す中で少しずつ変異していくものであり、新型コロナウイルスも約2週間で一か所程度の速度で変異していると考えられています。現在、新たな変異株が世界各地で確認されており、こうした新たな変異株に対して警戒を強めていく必要があります。
国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析し、その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)」、「注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)」、「監視下の変異株(Variants under Monitoring :VUM)」に分類しています。
国立感染症研究所によると、懸念される変異株には、
・B.1.351系統の変異株(ベータ株)
・P.1系統の変異株(ガンマ株)
・B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)
・B.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)
があります。
(※) Pangolin (COVID-19 Lineage Assigner Phylogenetic Assignment of Named Global Outbreak Lineages) による分類系統名。また、変異株の名称については、WHOが一般的な呼称としてギリシャ・アルファベットを用いることとしたことを踏まえ、名称を変更しています。
(参考)
新型コロナウイルスの変異は、ウイルスのスパイクタンパク質構成する1,273個のアミノ酸基のうち、何番目のアミノ酸残基がどのように置き換わったかを示します。1つ1つのアルファベットはアミノ酸を表しており、例えば501番目のN(アスパラギン)がY(チロシン)というアミノ酸に置き換わった場合には、N501Y と示します。
我が国では、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)からB.1.617.2系統の変異株(デルタ株)に、全国的に置き換わったと考えられます。
厚生労働省では、ゲノムサーベイランスで変異株の発生動向を監視しています。国立感染症研究所では、変異株の分析・評価を行っています。また、分析・評価に基づいて、検査や積極的疫学調査を強化して、感染拡大防止に取り組んでいきます。
(参考) 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html
※「資料4 新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応等」に資料がございます。
参考 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529 系統(オミクロン株)について(第3報)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10817-cepr-b11529-3.html
問3 変異株への個人の感染予防策について教えてください
(参考)【3つの密を避けるための手引き】
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622211.pdf
(参考)感染拡大防止に向けた取組(内閣官房HP)
https://corona.go.jp/proposal/
(参考)マスクはどのような効果があるのでしょうか
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q4-1
3.新型コロナウイルス感染症の予防法
問1 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか。
これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていない一方で、一定の条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に、1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集場所(多くの人が密集している)、3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)という3つの条件のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。
【3つの密を避けるための手引き】
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622211.pdf
また、これ以外の場であっても、人混みや近距離での会話、特に大きな声を出すことや歌うことにはリスクが存在すると考えられています。激しい呼気や大きな声を伴う運動についても感染リスクがある可能性が指摘されています。多くの場合、ライブハウス、スポーツジム、医療機関、さらに最近になって繁華街の接待を伴う飲食店等におけるクラスターでの感染拡大が指摘されています。
なお、喫煙に関しては、
・2020年4月から、望まない受動喫煙を防止するための改正健康増進法が全面施行され、原則屋内禁煙となっています。事業者は、屋外喫煙所や屋内の喫煙専用室を設けることも可能ですが、これらの場所では距離が近づかざるを得ない場合があるため、会話や、携帯電話による通話を慎むようお願いします。
注)詳しくはこちら
・また、WHOのステートメントによれば、WHOが2020年4月29日に招集した専門家によるレビューにおいて、喫煙者は非喫煙者と比較して新型コロナウイルスへの感染で重症となる可能性が高いことが明らかになったことなどが報告されています(WHO statement: Tobacco use and COVID-19 (2020年5月11日公表))。
(https://www.who.int/news-room/detail/11-05-2020-who-statement-tobacco-use-and-covid-19)
新型コロナウイルス感染症は、一般的な状況における感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染ですが、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。また、無症状の者からの感染の可能性も指摘されており、油断は禁物です。
人と人との距離をとること(Social distancing; 社会的距離)、外出時はマスクを着用する、家の中でも咳エチケットを心がける、さらに家やオフィスの換気を十分にする、十分な睡眠などで自己の健康管理をしっかりすることで、自己のみならず、他人への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することが必要です。
これらの状況を踏まえ、「3つの密」の回避、マスクの着用、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒の励行などをお願いします。
問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。
ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合には、同居されているご家族は以下の8点にご注意ください(詳しくは、一般社団法人日本環境感染症学会とりまとめをご参照ください。)。
1.部屋を分けましょう
個室にしましょう。食事や寝るときも別室としてください。
子どもがいる方、部屋数が少ない場合など、部屋を分けられない場合には、少なくとも2mの距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置することをお薦めします。寝るときは頭の位置を互い違いになるようにしましょう。
2.感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で
心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方などが、感染が疑われる家族のお世話をするのは避けてください。
3.マスクをつけましょう
使用したマスクは他の部屋に持ち出さないでください。
マスクの表面には触れないようにしてください。マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外しましょう。マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗ってください(アルコール手指消毒剤でも可)。 マスクが汚れたときは、新しい清潔な乾燥マスクと交換してください。マスクがないときなどに咳やくしゃみをする際は、ティッシュ等で口と鼻を覆いましょう。
4.こまめに手を洗いましょう こまめに石鹸で手を洗いましょう。アルコール消毒をしましょう。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。
5.換気をしましょう
風の流れができるよう、2方向の窓を、1回、数分間程度、全開にしましょう。換気回数は毎時2回以上確保しましょう。
6.手で触れる共有部分を消毒しましょう
物に付着したウイルスはしばらく生存します。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤(※)で拭いた後、水拭きしましょう。亜塩素酸水を用いる場合は、対象物を拭いた後、水気をふき取って乾燥させて下さい。
※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)になるように調整してください。 トイレや洗面所は、通常の家庭用洗剤ですすぎ、家庭用消毒剤でこまめに消毒しましょう。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄でかまいません。感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません。 洗浄前のものを共有しないようにしてください。特にタオルは、トイレ、洗面所、キッチンなどで共有しないように注意してください。
※亜塩素酸水は、遊離塩素濃度25ppm (25mg/L)以上(製品の遊離塩素濃度が200ppm (200mg/L)以上ある場合、水1Lに液を150ml)になるように調整してください。
7.汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしてください。
※糞便からウイルスが検出されることがあります。
8.ゴミは密閉して捨てましょう
鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。
(参考)【一般社団法人日本環境感染学会ホームページ 】http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/dokyokazoku-chuijikou.pdf
問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どんなことに注意すればよいでしょう。
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
新型コロナウイルス感染者から、ウイルスがうつる可能性がある期間(発症2日前から入院等をした日まで)に接触のあった方々について、関係性、接触の程度などについて、保健所が調査(積極的疫学調査)を行い、個別に濃厚接触者に該当するかどうか判断します。接触確認アプリを利用いただくと、陽性者と、1m以内、15分以上の接触の可能性がある場合に通知が行われ、速やかな検査や治療につながります。詳しくはこちらをご覧ください。
なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況をお伺いして判断します。
濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、所定の期間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、対面で人と人との距離が近い接触が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染を拡大させるリスクが高いとされています。 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の意見はこちらをご覧ください。
なお、検査結果が陰性となった場合であっても、所定の期間は、不要不急の外出を控えるなど保健所の指示に従ってください。
詳しくは、濃厚接触者と判断された際に、保健所から伝えられる内容を確認してください。
問4 「咳エチケット」とは何ですか。
対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離でおよそ2mとされています)が、一定時間以上、多くの人々との間で交わされる環境は、リスクが高いです。感染しやすい環境に行くことを避け、手洗い、咳エチケットを徹底しましょう。
詳しくは、厚生労働省のホームページのこちらをご覧ください。( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html)
問5 「接触確認アプリ」とは何ですか。どのように役立つのでしょうか。
1.感染拡大の防止に有効です。 |
そのクラスター対策に有効な手段のひとつが、このアプリです。このアプリを利用いただくと、自身が陽性者と接触した可能性を、いち早く察知することが可能となり、検査の受診などにつながるサポートを早く受けることができます。
多くの方に利用いただくことで、より効果的なクラスター対策、感染拡大の防止につながることが期待されます。
2.スムーズに、検査につながることができます。 |
したがって、自分をまもり、他人をまもるには、陽性者と接触した可能性がある方が、スムーズに検査の受診を受けられることが重要です。 このアプリを使うと、感染者と「過去14日間に」、「概ね1メートル以内で」、「15分以上の近接した状態」の可能性があった方のスマートフォンに通知(※)が送られますので、自身が濃厚接触者になった可能性があることを、これまでよりも早く察知できます。
アプリの通知画面で、各都道府県の帰国者・接触者外来等の連絡先(帰国者・接触者相談センターの連絡先を表示する都道府県もある)などが案内され、スムーズに検査につながることができます。通知を受けた方が検査を受ける場合は行政検査となるため、検査費用の自己負担はありません。
(※)感染者との接触通知画面及びご自身の症状入力画面(イメージ)
3.個人情報を利用・収集することはありません。 |
・氏名・電話番号・メールアドレスなどの個人の特定につながる情報の入力は不要です。
・他のスマートフォンとの近接した状態の情報は、追跡ができないようランダムな符号を生成して、ご本人のスマートフォンの中にのみ記録されます。
・一切の情報は、14日が経過後に、自動的に消去されます。
・行政機関や第三者が接触の記録や個人の情報を利用し、収集することはありません。
アプリの詳細や、詳細なQ&Aについては、こちらをご覧ください。
これから、社会活動、経済活動を段階的に本格化させ、新しい日常を作りあげていく中で、このアプリの果たす役割は大きいです。
利用者が増えれば増えるほど、効果が高まる、みんなで安全を作り上げるシステムですので、是非、皆様のご協力をお願い致します。
4.マスク・消毒液に関するもの
問1 マスクはどのような効果があるのでしょうか。
まず、マスクの素材ですが、一般的なマスクでは、不織布マスクが最も高い効果を持ちます。次に布マスク、その次にウレタンマスクの順に効果があります。もちろん、人の顔の形は千差万別ですので、同じ素材のマスクの間でも、自分の顔にぴったりとフィットしているマスクを選ぶことが重要です。また、マスクのフィルターの性能や布の厚さなどによっても差が出ます。
次に、マスクは、相手のウイルス吸入量を減少させる効果より、自分からのウイルス拡散を防ぐ効果がより高くなります。仮に50センチの近距離に近づかざるを得なかった場合でも、相手だけがマスクを着用(布マスクで17%減、不織布マスクで47%減)するより、自分だけがマスクを着用(布マスク又は不織布マスクで7割以上減)する方が、より効果が高く、自分と相手の双方がマスクを着用することで、ウイルスの吸い込みを7割以上(双方が布マスクで7割減、不織布マスクで75%減)抑える研究結果があります。
(参考)マスクの効果について
https://corona.go.jp/proposal/pdf/mask_kouka_20201215.pdf
(参考)マスクの効果に関する動画
https://corona.go.jp/proposal/
(参考)正しいマスクの付け方
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593493.pdf
https://www.youtube.com/watch?v=VdyKX4eYba4
問2 マスク・消毒液の確保・供給に向けて、政府はどのような対策を講じていますか。
医療機関・介護施設向け、各世帯向けなど、それぞれの配布先のニーズに応じたマスクの確保・配布に努めています。また、今後の更なる感染拡大に備えて、備蓄も進めていくこととしています。
以下のとおり、医療用マスク等を優先して確保・配布を行っています。
(※)令和2年3月15日以降、ドラッグストアなどから購入したマスクを、購入価格より高い価格で他人に売り渡すことが国民生活緊急安定措置法により禁止されており、違反した場合には、罰則の対象とされていたところ、令和2年8月29日0時をもって、転売規制は解除されました。転売規制については、根拠法である国民生活安定緊急措置法の規定上「事態克服に必要な限度を超えてはならない」とされているところ、マスク等については国内生産増や輸入拡大により、既に市場で入手できる状況になってきているため、解除されたものです。
【医療機関向けマスクの配布】
医療機関向けの個人防護具(サージカルマスク、N95等マスク、アイソレーションガウン、フェイスシールド、非滅菌手袋)については、国が直接調達して必要な医療機関に無償で配布を行う等の取組を行っています。
配布の方法は2通りあります。
・通常配布
都道府県を通じた無償のプッシュ型配布です。N95等マスク、非滅菌手袋が対象です。
なお、サージカルマスク、アイソレーションガウン及びフェイスシールドについては需給が回復してきている状況を踏まえ、通常配布を休止し、次の需給ひっ迫のケースに備えて必要な備蓄を計画的に確保していく対応に移行しています。
・緊急配布
備蓄が少なくなり、購入の見込みがないまたは十分な量ではない医療機関等に対し、医療機関が要請する必要量の2~4週間分の個人防護具を、国から直送しています。
医療機関等に対する医療用物資の配布状況については、厚生労働省ホームページにて定期的に発信しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001_old.html#vaccine_1
今後も、医療機関のニーズを把握した上で、医療機関に対し、必要な物資を配布しつつ、国内で必要となる備蓄を計画的に進めてまいります。
【布製マスクの配布】
医療機関向けマスクの供給を確保するために、一般向けのマスク需要を少しでも無理のない形で押さえる必要があったため、市民の方等向けに、布製マスクの確保・配布を行いました。仮に、洗濯をしながら平均20回ずつ使われたとすれば、布製マスク1億枚が使い捨てマスク20億枚分の消費を抑制できることになると考えられ、これは平時のマスク需要の4~5ヶ月分に相当します。
また、介護施設等への布マスクの配布については、配布を希望する介護施設等に随時配布するとともに、今後に備えて、国で備蓄することとしています。配布希望の申出の方法など、詳細はこちらをご確認ください。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/mask_haifukibou.html)
(参考)周知用リーフレット
布マスクの配布状況は、以下の表のとおりです。
日付 | 種類 | 枚数 | 確保元 | 経由 | 宛先 |
令和2年3月12日~令和2年4月15日 | 布マスク | 約2,000万枚 | メーカー | 国から直送 | 介護施設等 |
令和2年6月30日~令和2年8月14日 | 約4,000万枚 | ||||
令和2年8月5日~令和3年5月13日(継続中) | 約1,500万枚 | 介護施設等 (希望制) |
|||
令和2年4月11日~令和2年5月29日 | 約1,500万枚 | 小中学校等 | |||
令和2年6月17日~令和2年6月28日 | 約920万枚 | ||||
令和2年4月17日~令和2年6月20日 | 約1.2億枚 | 全戸 | |||
令和2年5月20日~令和2年5月28日 | 約174万枚 | 妊婦 | |||
令和2年6月25日~令和2年7月6日 | 約160万枚 | ||||
令和2年7月21日~令和2年7月31日 | 約260万枚 |
(※) マスクの生産・輸入・販売の状況、一般家庭用マスクの自治体への配布状況は、経済産業省ホームページ(https://www.meti.go.jp/covid-19/mask.html)にて、逐次発信していますので、そちらもご覧ください。
(消毒液について)
国内主要メーカーは、各社それぞれができる限りの増産に取り組み、10月の国内生産量は708万Lまで増加しました。
【手指消毒用エタノールの国内生産状況】
(※)国内メーカーから得られた結果を集計したものです。
また、医療機関等は大量の手指消毒用エタノールを必要とするため、通常の商流では必要量の入手が困難となる場合があることから、希望する医療機関等に対して優先供給を行う仕組みを構築し、2020年3月より運用を開始し、2020年6月には、購入専用サイトを通じて購入できるような仕組みに変更しています(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000640973.pdf)。
なお、各製品の価格については、発注時点でのメーカーの公式サイトでの販売価格等に沿ったものとなっています。
問3 新型コロナウイルス感染予防のための手洗いや身の回りのものの消毒・除菌はどのようにしたらよいですか。
(1)手洗い
まず、ウイルスは水で洗い流すことでかなり数を減らすことができます。新しい生活様式で、帰宅後の手洗いやシャワーをお勧めしているのはそのためです。石けんと流水による手洗いを行うことが最も重要です。手指に付着しているウイルス量は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんで10秒もみ洗いし流水で15秒すすぐと1/10,000に減らすことができます。
手洗いがすぐに出来ない状況では、アルコール消毒液(濃度70%~95%のエタノール)(※)も有効です。一方で、次亜塩素酸ナトリウム(いわゆる塩素系漂白剤)は、危険ですので、手指には用いないでください。また、亜塩素酸水も、目に入ったり、皮膚についたりしないよう注意してください。
(※) 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。
(2)身の回りのものの消毒・除菌
熱水、次亜塩素酸ナトリウム(いわゆる塩素系漂白剤)、アルコール消毒液による消毒をおすすめします。
これ以外で、家庭などで身近なものとしては、界面活性剤(いわゆる住宅用・台所用洗剤)でも、効果が期待できます。新型コロナウイルスに対して有効な界面活性剤としては、6月25日現在、9種類が新型コロナウイルスの量を減らせることが報告されています。
また、一定濃度以上の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの量を減少させることが独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)にて確認されました。目に見える汚れをあらかじめ落とした上で、1.拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を使い、十分な量の次亜塩素酸水で濡らすことで、2.次亜塩素酸水の流水で掛け流す場合は、有効塩素濃度35ppm以上のもので20秒以上掛け流すことでウイルスの量が減らせるとされています。いずれの場合も、次亜塩素酸水が残らないよう、きれいな布やペーパーで拭き取ってください。
また、有機物が存在する環境下での使用が想定されている「亜塩素酸水」は、1.清拭する場合、遊離塩素濃度25ppm(25mg/L)以上の亜塩素酸水をペーパータオル等に染み込ませてから対象物を清拭(拭いた後数分以上置くこと。)してください。その後、水気を拭き取って乾燥させて下さい。2.浸漬する場合、対象物を遊離塩素濃度25ppm(25mg/L)以上の亜塩素酸水に浸漬(数分以上浸すこと。)し、取り出した後に水気を拭き取って乾燥させてください。3.排泄物やおう吐物等の汚物がある場合、汚物をペーパータオル等で静かに拭き取った上で、汚物のあった場所にペーパータオル等を敷き、その上に遊離塩素濃度100ppm(100mg/L)以上の亜塩素酸水をまきます(数分以上置くこと。)。ペーパータオル等を回収後、残った亜塩素酸水を拭き取って乾燥させてください。
界面活性剤の具体的な名称やその濃度、次亜塩素酸水を使う際の注意事項などについては、下記にお示しする各種ホームページで確認してください。また、具体的な用途や使用上の注意については、製品に記載された情報を確認の上、正しくお使いください。
製剤製品によって、特徴や使用方法が異なるので、ウイルスの数を減らし、身の回りを清潔に保つため、うまく組み合わせて、活用しましょう。
(参考)
○新型コロナウイルス対策ポスター「身のまわりを清潔にしましょう。」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-2.pdf
○新型コロナウイルス対策ポスター「家庭内で注意していただきたいこと~8つのポイント~」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf
○新型コロナウイルス対策ポスター「次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
○独立行政法人 製品評価技術基盤機構ホームページ
新型コロナウイルスに対して効果が確認された界面活性剤を含む洗剤について
https://www.nite.go.jp/information/osirasedetergentlist.html
○厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
問4 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は異なるものですか。両方とも新型コロナウイルス感染症対策に有効なのでしょうか。
まず、次亜塩素酸ナトリウムは、アルカリ性で強い酸化作用を持ちます。市販されている家庭用漂白剤等が代表例です。
消毒を目的として使用する際には、正しく水で0.05%までに薄めた上で使用してください。また、素手で取り扱ったり、吸入したり目に入ったりすると健康に害を及ぼす可能性がありますので、絶対に行わないでください。
次に、次亜塩素酸水は、酸性で同じく強い酸化作用を持ちます。出荷される野菜の洗浄等に用いられています。
一定濃度以上の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの量を減少させることが独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)にて確認されました。目に見える汚れをあらかじめ落とした上で、1.拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を使い、十分な量の次亜塩素酸水で濡らすことで、2.次亜塩素酸水の流水で掛け流す場合は、有効塩素濃度35ppm以上のもので20秒以上掛け流すことでウイルスの量が減らせるとされています。いずれの場合も、次亜塩素酸水が残らないよう、きれいな布やペーパーで拭き取ってください。
詳しい内容は、下記ホームページで確認してください。
(参考)
○新型コロナウイルス対策ポスター「次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
○国民生活センター「除菌や消毒をうたった商品について正しく知っていますか?-新型コロナウイルスに関連して-」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200515_2.pdf
○NITE検討会報告書
https://www.nite.go.jp/information/koronataisaku20200522.html
○厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
問5 人がいる空間での消毒剤の空間噴霧は行ってはいけないのですか。
また、消毒剤をマスクに噴霧し、薬剤を吸引してしまうような状態でマスクを使用することも、おすすめしていません。
諸外国の知見とは、以下の通りです。
-世界保健機関(WHO)が5月15日に新型コロナウイルスに対する消毒に関して発表した見解では、「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の噴霧や燻蒸することは推奨されない」とされており、また「路上や市場といった屋外においてもCOVID-19やその他の病原体を殺菌するために噴霧や燻蒸することは推奨せず」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」としています。また、「消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して噴霧することはいかなる状況においても推奨されない」としております。
-米国疾病予防管理センター(CDC)による医療施設における消毒・滅菌に関するガイドラインでは、「消毒剤の噴霧は、空気や環境の表面の除染方法としては不十分であり、日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」としております。
なお、「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(※)」の「5.(補論)空間噴霧について」の【参考情報3】において、「消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸い込むことは、推奨できません。」としておりますが、これは、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を人の眼や皮膚に付着したり、吸い込んだりする恐れのある場所で空間噴霧することを推奨しない、という趣旨です。
個々の製品の使用に当たっては、その安全性情報や使用上の注意事項を守って適切に使用する必要があります。
※厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
問6 マスクを着用する場面、外してよい場面はどのような場面でしょうか。
基本的な感染対策とは、「三つの密」の回避、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗い等の手指衛生」、「換気」等を言います。
このうち、「マスクの着用」について、マスクを着用する場面、外してよい場面は以下のとおりです。以下の周知用のリーフレット等も参考にしてください。また、子どものマスク着用に関する考え方については、問6-10を参考にしてください。学校生活における取扱については、文部科学省のウェブサイトを参考にしてください。
<屋外の場合>
・他者と身体的距離(2m以上を目安)が確保できない中で会話を行う場合は、マスクの着用を推奨します。
・他者と身体的距離が確保できる場合(例:公園での散歩やランニング、サイクリングなど)や、他者と距離が確保できなくても会話をほとんど行わない場合(※)(例:徒歩や自転車での通勤など、屋外で人とすれ違う場面)は、マスクの着用は必要ありません。
・特に夏場については、熱中症予防の観点から、屋外でマスクの必要のない場面では、マスクを外すことを推奨します。
※「会話をほとんど行わない」とは、屋外で人とすれ違う際に簡単な挨拶を交わす場合や、携帯電話で話している者の横を立ち止まらずに通り過ぎるような場合を想定しています。
<屋内の場合>
・他者と身体的距離がとれない場合(会話をほとんど行わない例:通勤電車)や、他者と距離がとれるものの会話を行う場合は、マスクの着用を推奨します(※)。
・他者と身体的距離が確保できて会話をほとんど行わない場合(例:距離を確保して行う図書館での読書、芸術鑑賞)は、マスク着用は必要ありません。
・高齢者等との面会時や病院内など、重症化リスクの高い者と接する場合にはマスクの着用を推奨します。
※「他者と距離がとれるものの会話を行う場合」については、十分な換気など感染防止対策を講じている場合はマスクを外すことも可能です。
ただし、屋内は換気の状況や建物の構造などが一律ではないため、マスクを外す際には、それぞれの場面において、感染拡大防止のために講じられている対策や当該屋内施設の管理者の指示等も踏まえ、適切に判断していただくよう御願いします。
5.新型コロナウイルス感染症に対する医療について
問1 新型コロナウイルス感染症にかかっていないか調べてほしいのですが、どうしたらいいですか。
また、相談する医療機関に迷う場合には、「受診・相談センター」に電話相談してください。(※)
(※)地域により、相談機関の名称や受付方法が異なりますので、お住いの自治体の情報をご確認ください。
【検査のフロー】
【帰国者・接触者相談センターページ】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
問2 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。
<抗原検査とPCR検査の違い>
検査種類 | 抗原検査(定性) | 抗原検査(定量) | PCR検査 |
〇調べるもの | ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原) | ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原) | ウイルスを特徴づける遺伝子配列 |
〇精度 | 検出には、一定以上のウイルス量が必要 | 抗原検査(定性)より少ない量のウイルスを検出できる | 抗原検査(定性)より少ない量のウイルスを検出できる |
〇検査実施場所 | 検体採取場所で実施 | 検査機器等を要する | 検査機器等を要する |
〇判定時間 | 約40分 | 約30分 | 数時間 |
(参考)使用方法のガイドラインはこちら
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針 第3.1版
新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭からの検体だけでなく、唾液や鼻腔からの検体を使うことも可能になっています。
なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。
<症状の有無と検査方法>
<検体採取の例>
※(12月時点)新型コロナウイルス感染症 の“いま についての 10 の知識より
ページの先頭へ戻る
問3 自費でPCR検査を受ける場合に、注意すべき点はありますか。
一方で、例えば、仕事で海外に行く場合に相手国やお勤め先から検査証明を求められる場合や、帰省など社会経済活動を行うために希望により検査を受ける場合は、検査費用は自己負担となります(自費検査)。
自費検査であっても、検査を実施する医療機関と衛生検査所の基準が設けられており、検査の精度を確保することが求められています。
ただし、この自費検査には主に2種類の場合があります。一つは、医師による診察が行われ、診断がなされる場合です。もう一つは、検査を行い、その結果を通知するのみで、医師の診断を伴わない場合です。
たとえ検査結果が陰性であっても、医師の診察が行われてない限りは、感染していないとは診断できない事にご注意ください。
なお、医師による診察を伴わない検査で陽性であった場合も、検査を受ける者の同意に基づき、検査機関から提携医療機関に検査結果(陽性)が報告され、医師の診察につなげることができます。
診察の結果、新型コロナウイルス感染症と診断されれば、保健所が治療療養場所の調整や濃厚接触者の特定などを行うことができます。医師の診断を受けなければ、その後のこのような対応につながらないことから、医療機関又は提携医療機関をもつ検査機関で、検査を受けていただくことを推奨いたします。
(※)検査機関に提携医療機関がない場合には、自分で受診相談センターまたは身近な医療機関に相談する必要があります。(身近な医療機関を受診する場合、事前に電話で連絡をしてください。)
(参考)
・社会経済活動の中で本人等の希望により全額自己負担で実施する検査(いわゆる自費検査)について
・自費検査を提供する検査機関一覧
・自費検査に関する事務連絡(令和2年11月24日付け)
問4 陽性になって入院や療養をした場合、どうなったら元の生活に戻れますか。
そのため、以下の通り、入院や療養生活が始まってから、こうした期間が経過したかどうかと、各種検査の結果を総合判断して、元の生活への復帰が判断されることになります。
厚生労働省では、退院や療養生活を終了する際の判断基準を、以下のとおりまとめています。これまでの国内外の研究結果等を踏まえながら、随時最適な基準を定めてまいります。
●新型コロナウイルス感染症陽性だった場合の療養解除について
https://www.mhlw.go.jp/content/000928216.pdf
(参考)
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)
https://www.mhlw.go.jp/content/000745527.pdf
第24回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000741775.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000741776.pdf
問5 新型コロナウイルスに感染すると抗体・免疫ができるのですか。抗体検査について注意すべき点はありますか。
新型コロナウイルスに感染した人の体内でも、新型コロナウイルスに対する抗体が作られることが知られていますが、どのくらいの割合の人で抗体が作られるのか、その抗体が感染後どのくらいの時期から作られ、その後どのくらい持続するのか、それにより新型コロナウイルスに対する免疫が獲得できるのかは、現時点では明らかになっていません。従って、一度新型コロナウイルスに感染した方であっても、再度感染する可能性は否定できませんので、引き続き適切な行動をとっていただくようお願いします。
また、上記のことから、新型コロナウイルスへの抗体を持っていないことが分かっても、そこから現在新型コロナウイルスに感染していない、あるいは過去に感染したことがないと判断することはできません。
なお、現在、イムノクロマト法と呼ばれる迅速簡易検出法をはじめとして、国内で様々な抗体検査キットが市場に流通していますが、期待されるような精度が発揮できない検査法による検査が行われている可能性もあり、注意が必要です。現在、日本国内で診断薬として薬事承認を得た抗体検査はなく、世界保健機関(WHO)は抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨せず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。
問6 新型コロナウイルスは重症化しやすいのですか。
新型コロナウイルスによる肺炎が重篤化した場合は、人工呼吸器など集中治療が必要となり、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)を有する方では、重症化するリスクが高いと考えられています。なお、若年層の方であっても、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応を起こして重症化する事例も報告されています。
なお、中国疾病対策センター(中国CDC)によると、2020年2月11日までに中国で新型コロナウイルス感染症と診断された約44,000人のデータによると、息苦しさ(呼吸困難)などを認めない軽症例が80%以上と多くを占めており、呼吸困難が生じる重症や呼吸不全に至る重篤例は20%未満に過ぎないと報告されています。
http://weekly.chinacdc.cn/en/article/id/e53946e2-c6c4-41e9-9a9b-fea8db1a8f51?from=timeline&isappinstalled=0
問7 自宅で療養を行う場合には、何に注意する必要があるのでしょうか。
保健所から療養解除されるまで、人との接触を最小限として、自宅で過ごしていただく必要があります。保健所等が定期的に、体温、咳、鼻汁、倦怠感、息苦しさ、血中酸素飽和度(SpO2)などの健康状態を確認し、療養解除の時期等を判断します。パルスオキシメーターで血中酸素飽和度93%以下は、酸素投与が必要な状態ですが、病状が悪化しても自覚症状が出ないことがあります。症状が変化した場合に加え、血中酸素飽和度が93%以下の場合には、あらかじめ保健所から伝えられた連絡先(コールセンター・保健所・かかりつけ医等)に我慢せずにご連絡ください。
政府としても、自宅や宿泊施設で療養されている方が症状悪化した場合に、速やかに入院できる体制を確保していきます。
(参考)療養解除の基準とよくある質問
https://www.mhlw.go.jp/content/000928216.pdf
(参考)家庭での感染予防について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3-2
※こちらでは「家族に感染が疑われる場合」とありますが、自宅療養者がいる場合も注意事項は特段変わりません。
問8 治療薬の実用化に向けた取組みはどうなっていますか。
抗ウイルス薬の多くは、このウイルスの1.侵入、2.複製、3.増殖、4.拡散の過程をターゲットとします。既存の治療薬で、それぞれの過程をターゲットとした薬や、新型コロナウイルス感染症の症状(サイトカインストーム等)への効果が期待できる薬を新型コロナウイルスの治療薬として実用化するため、その治療効果や安全性を検証するための治験や臨床研究が進んでおり、一部には承認されたものもあります。
承認済の新型コロナウイルス治療薬及び現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬については、以下のページをご覧ください。
承認済の新型コロナウイルス治療薬及び現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬(令和4年2月10日現在)
また、これらの他にも様々な治療薬の開発が進められています。詳しくは、以下のページから「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」をご覧ください。
問9 新型コロナウイルスに感染したら、誰でも経口薬の投与を受けられますか。
現在、新型コロナウイルス感染症の治療薬のうち、軽症者向けの経口薬としては、「モルヌピラビル」(販売名:ラゲブリオカプセル)が承認されています。
モルヌピラビルの投与対象者は、添付文書、日本感染症学会のガイドライン「COVID-19 に対する薬物治療の考え方」、厚生労働省の事務連絡等に基づき、高齢者、肥満(BMI30以上)、基礎疾患のある方など、重症化リスク因子を有する方が対象とされていますので、投与の要否等については、医師と相談してください。
いずれにしても、現時点では、重症化リスク因子のない方は投与対象にはなりません※。
なお、動物実験で胎児毒性が報告されており、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は投与禁忌とされています。
※「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第12版」(2022年1月21日)において、「軽症例の大半は自然治癒するため、各薬剤の適応に従い、重症化リスクが高い場合に薬物治療を検討する。」とされています。
問10 モルヌピラビルは、臨床試験での有効性が低かったと聞きましたが、効果はないのでしょうか。
モルヌピラビルについては、日本を含む国際共同第Ⅲ相試験が実施されており、中間解析においては、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が14.1%であったのに対し、モルヌピラビル群では7.3%でした。そのリスク差は-6.8%、リスク減少率は48%であり、統計学的に有意な差がありました。また、全被験者を対象とした補足的な解析においては、プラセボ群が9.7%であったのに対し、モルヌピラビル群では6.8%でした。そのリスク差は-3.0%、リスク減少率は30%でした※1。この結果を踏まえ、モルヌピラビルの有効性はあるものと判断しています。
なお、現時点で軽症者を対象として承認されている治療薬としては、カシリビマブ・イムデビマブ(販売名:ロナプリーブ注射液セット)及びソトロビマブ(販売名:ゼビュディ点滴静注液)があります。これらの薬剤における臨床試験の結果※2は、カシリビマブ・イムデビマブでは、リスク減少率70.4%、ソトロビマブでは、リスク減少率85%(最終解析では79%)でしたが、これらの臨床試験におけるリスク減少率の数値を単純に比較して、医薬品の有効性の程度を判断することはできません。その理由は、臨床試験の実施された時期が異なること(全被験者を対象とした結果が公表されたのは、カシリビマブ・イムデビマブが令和3年3月23日、ソトロビマブが令和3年6月21日、モルヌピラビルが令和3年11月26日)や、それによる標準的な治療法の違い、流行する変異株の違い、被験者の平均的な重症度の違い等を考慮することができないためです。
いずれにしても、医薬品の投与の要否や、どの医薬品の投与を受けるかについては、医師と相談してください。
なお、臨床試験の結果を含む医薬品の承認審査の詳細については、以下のリンク先から「審査報告書」を参照してください。
モルヌピラビル(販売名:ラゲブリオカプセル)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/62500B6
カシリビマブ・イムデビマブ(販売名:ロナプリーブ注射液セット)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/62505A0
ソトロビマブ(販売名:ゼビュディ点滴静注液)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/62504A4
※1 中間解析結果と比べて本薬群とプラセボ群の群間差が小さくなった要因について、中間解析前後での被験者背景や試験環境の相違等の影響について検討が行われたものの明らかな要因は特定されなかった。中間解析の後、様々な要因が積み重なったことにより群間差が小さくなった可能性はあると考えられる。
※2 カシリビマブ・イムデビマブについては、海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験が実施されており、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が3.2%であったのに対し、カシリビマブ・イムデビマブ群では1.0%だった。そのリスク減少率は70.4%であり、統計学的に有意な差があった。ソトロビマブについては、海外第Ⅱ/Ⅲ相試験が実施されており、中間解析においては、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が7%であったのに対し、ソトロビマブ群では1%だった。そのリスク減少率は85%であり、統計学的に有意な差があった。また、最終解析においては、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が6%であったのに対し、ソトロビマブ群では1%であり、そのリスク減少率は79%だった。
問11 モルヌピラビルは、発がん性があると聞きましたが、問題ないでしょうか。
この結果から、厚生労働省としては、現時点で発がん性は認められていないと考えています。
問12 モルヌピラビルは、陽性になったら即(当日)内服を開始しないといけないのか。
モルヌピラビルは、添付文書において「SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること。臨床試験において、症状発現から6日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。」とされています。
必ずしも陽性になった当日に服用しなければならないものではありませんが、症状が発現したら速やかに投与を開始することとされていますので、服用時期については早めに医師と相談してください。
問13 日本でのワクチン接種はどうなっていますか。
日本では、ファイザー社のワクチンが、2021年2月14日に薬事承認され、同月17日から接種が開始されています。また、武田/モデルナ社のワクチンとアストラゼネカ社のワクチンが、2021年5月21日に薬事承認され、うち、武田/モデルナ社のワクチンは同月24日から接種が開始されています。アストラゼネカ社のワクチンについては、原則40歳以上の方(ただし、他の新型コロナワクチンに含まれる成分に対してアレルギーがあり接種できない等、特に必要がある場合は18歳以上の方)を対象に、同年8月3日より予防接種法に基づく接種の対象となりました。ただし、現時点では、アストラゼネカ社のワクチンの接種を行う機会は限られており、通常は、皆さまに、ファイザー社又は武田/モデルナ社のワクチンを接種いただくこととしています。
国内で薬事承認され、予防接種の対象となったワクチンは、出来るだけ早く、国民の皆さまに提供します。一方で、全国民分のワクチンを一度には確保できず、徐々に供給が行われます。このため、一定の接種順位を決めて、接種を行っています。
なお、接種を希望される方々は、無料で受けることができます。
新型コロナワクチンについては、特設ホームページを設けていますので、詳しくは下記ページを御参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html
問14 電話やオンラインによる診断や処方を受けたいのですが、どうしたら受けられますか。
このため、電話やオンラインによる診断や処方を受けたい場合は、まずは、普段からかかっているかかりつけ医等にご相談ください。
かかりつけ医等をお持ちでない方は、下記のホームページに電話やオンラインによる診療を行う医療機関のリストを掲載することとしているので、掲載されている最寄りの医療機関にご連絡ください。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00014.html)
ただし、電話やオンラインによる診療に適していない症状や状態の場合は、医師の判断で診断や処方は行わず、医療機関における対面の診療を勧めることがあります。
6.妊婦や小児に関すること
問1 妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいですか。
高年齢での妊娠、肥満、高血圧、糖尿病などが新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子であるという報告もあり、このような背景を持つ妊婦の方は、特に感染予防に注意してください。
また、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンの接種勧奨の対象としており、時期を問わず接種をお勧めしています。
(参考)リーフレット「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策~妊婦の方々へ~」
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000933300.pdf
(参考)新型コロナウイルス感染で自宅や宿泊療養(ホテルなど)となられた方へ(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID19_20210823.pdf
(参考)関係学会・団体のワクチンに関する情報
・女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)Q&A(日本産婦人科感染症学会)
http://jsidog.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20210721190701-57649255BD0A756A3E48F8FEB3D9AC5B55FDB9F89BB2D2EFC9C5AA308C98CC3D.pdf
・新型コロナウイルスワクチンの安全性に関する最新情報(日本産科婦人科学会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20211025_COVID19.pdf
・妊婦への新型コロナウイルスワクチン接種の努力義務の適応について(日本産科婦人科学会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20220221_COVID19_ippan.pdf
(参考)新型コロナワクチンQ&A
・私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html
問2 夫の立ち会い分娩等面会の制限はどうなっているのですか。
地域の感染状況等に応じ、面会や分娩立ち会いが制限されるなど、妊婦の方が不自由を強いられることがありえますので、各分娩機関にご確認ください。
(参考)新型コロナウイルス感染症の現状について(日本産婦人科学会、日本産婦人科医会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20211117_COVID19.pdf
問3 分娩時に妊婦がマスクをすることは必須なのですか。
ただし、医療機関の施設設備の状況・職員のワクチン接種状況や地域の流行状況などによっては、妊婦ご本人ならびに周囲の妊婦の皆様を守るためマスク着用が必要な場合がありますので、主治医とご相談ください。
問4 新型コロナウイルスに感染した場合、分娩方法は帝王切開となるのでしょうか。
しかし、妊婦の全身状態などを考慮し、分娩時間の短縮が必要と判断される場合は帝王切開となる場合もあります。 新生児への感染は、飛沫または接触感染によるものが多いですので、分娩後も、母親や家族は接触や飛沫感染に注意する必要があり、母児を一時的に分離することがあります。
問5 職場で働くことが不安ですが、どうしたらよいでしょうか。
働く妊婦の方は、職場の作業内容等によっては、感染について大きな不安やストレスを抱える場合があります。感染そのものだけでなく、これによる「不安やストレス」を妊婦の方が回避したいと思うのは当然のことです。
そこで、新たに、事業主の新型コロナウイルス感染症に関する妊婦の方への対応を法的義務(※1)としました(令和2年5月7日~令和4年3月31日)。
具体的には、こうした不安やストレスが、母体または胎児の健康に影響があると主治医や助産師から指導を受ける場合があります。働く妊婦の方が、その指導内容を事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。例えば、「感染のおそれが低い作業に転換させる」、「在宅勤務や休業など、出勤について制限する」といった措置が考えられます。
主治医等からの指導については、その指導事項を事業主に的確に伝えるため「母性健康管理指導事項連絡カード」(※2)があり、このカードを主治医等に書いてもらって事業主に申出をするのがいいでしょう。
もともと、働く妊婦の方が、新型コロナウイルスとは関係なく、妊婦健診等において主治医等から指導を受け、事業主に申し出た場合、事業主は、その指導事項(妊娠中の通勤緩和や休憩、あるいは妊娠に伴う症状などに応じて作業の制限、勤務時間の短縮、休業等)を守ることができるように措置を講じる必要があります。
また、妊婦の方も含めたすべての方が、テレワークや時差通勤など多様な働き方が可能となるよう、政府として要請を行っております。
これを機に、事業主の方は、妊婦の方の働き方をもう一度見直していただき、働く妊婦の方は母体と胎児の健康を守っていただければと思います。
(※1)男女雇用機会均等法第13条に基づく母性健康管理措置。
(※2)次のURLからダウンロードできます。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000763976.pdf
【胎児・新生児への影響について】
問6 妊娠中に母親が新型コロナウイルスに感染した場合、胎児にどのような影響がありますか。
また、妊娠初期または中期に新型コロナウイルスに感染した場合に、ウイルスが原因で胎児に先天異常が引き起こされる可能性は低いとされています。
我が国でも、新型コロナウイルス感染症の母子への影響を把握するため、新型コロナウイルス感染症に罹患した妊産婦の罹患状況などの調査研究を行っています。
最新の状況については、こちらをご参照ください。
http://jsidog.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=117621
問7 母親が新型コロナウイルスに感染した場合、母乳や授乳を介して乳児が新型コロナウイルスに感染することはありますか。
授乳に関しては、以下の方法があります。
1. 直接母乳:授乳前の確実な手洗いと消毒、マスクを着用して直接授乳をする。
2. 搾乳 :確実な手洗い、消毒後に搾乳をし、感染していない介護者による授乳を行う。(1.より接触・飛まつ感染のリスクが低く、あとで直接母乳に戻りやすい利点がある)
3. 人工栄養:(母乳の利点と授乳のリスクを説明した上で)人工乳を授乳する。
【乳幼児・小児への影響について】
問8 乳幼児は新型コロナウイルスに感染しやすいですか。また、感染した場合、重症化しやすいですか。
(参考)
日本小児科学会小児症例レジストリ調査「データベースを用いた国内発症小児
Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) 症例の臨床経過に関する検討」
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=350
問9 小児は、どのような経路で新型コロナウイルスに感染するのですか。
また、12カ国213の家庭内クラスターの分析では、8例(3.8%)のみが小児が発端者であり、小児の家庭内接触者への二次感染率は成人よりも低値であることが報告されています。
詳細はこちらをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf
問10 子どものマスク着用に関する考え方を教えてください。
・屋外において、他者と身体的距離が確保できる場合(例:離れて行う運動や移動、鬼ごっこなど密にならない外遊び)や、他者と距離が確保できなくても会話をほとんど行わない場合(例:屋外で行う教育活動(自然観察・写生活動等))は、マスクの着用は必要ありません。
・屋内において、他者と身体的距離が確保できて会話をほとんど行わない場合(例:個人で行う読書や調べたり考えたりする学習)は、マスク着用は必要ありません。
※学校生活における取扱については、文部科学省のウェブサイトを参考にしてください。
<保育所・認定こども園・幼稚園等の就学前児について>
・乳幼児(小学校に上がる前の年齢)のマスクの着用には注意が必要であり、特に2歳未満では推奨されません。
・2歳以上の就学前の子どもについても、個々の発達の状況や体調等を踏まえる必要があることから、他者との身体的距離にかかわらず、マスク着用を一律には求めていません。(WHOは5歳以下の子どもへのマスクの着用は必ずしも必要ないとしています。)
・なお、本人の体調がすぐれず持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理に着用する必要はなく、特に夏場については、熱中症予防の観点から、屋外でマスクの必要のない場面では、マスクを外すことを推奨します。
・保育所等の施設内で感染者が発生し、子どもがマスクを着用する場合であっても、就学前の子どもについては、正しくぴったりとマスクを着用することは難しいことも多いことから、常に正しく着用しているかどうかに注意を向けることよりも、保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意していただくとともに、子どもや保護者の意図に反してマスクの着用を実質的に無理強いすることならないようにしてください。
(参考)
1.WHOによる子どものマスク着用に関するQ&A(Coronavirus disease (COVID-19): Children and masks)
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/q-a-children-and-masks-related-to-covid-19
2.日本小児科医会ホームページ「保護者の皆様へ~2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」
https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/2saimiman_qanda20200609.pdf
3.日本小児科学会ホームページ「子どもおよび子どもにかかわる業務従事者のマスク着用の考え方」
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=128