だからこそ、「脱原発」を訴えて小泉元首相が安倍政権を批判した時も、何も反論することなく、また、小泉元首相の息子である小泉進次郎議員を若くして大臣(環境・内閣府特命担当)に抜擢するなど、安倍首相は師匠には逆らわず、恩返しまでしているのかもしれません。
おそらく安倍首相は、この師匠の辞任要求を今回も「師匠の顔を潰すことなく」スルーすることが予想されます。
ただ、この辞任要求をスルーしなかった人たちが、ネットやSNSで一斉に声を上げました。
<お前が言うな!>
<嘘つきが嘘つきを嘘つき呼ばわりしている…>
<政界から一切身を引くって言ってたじゃん>
<世襲に反対しといて息子を首相にしたいとか>
<郵政民営化強行した結果、かんぽが不正した>
<竹中平蔵と組んで非正規労働者増やしただけ>
圧倒的な文句を浴びているのは安倍首相ではなく、小泉元首相です。
この小泉元首相のインタビューを掲載した『週刊朝日』としては、「安倍政権批判」に焦点を当てたかっただけかもしれません。
しかし、新型コロナウイルスの恐怖と自粛による経済困窮で苦しむ国民が、現リーダーである安倍首相に文句を言うのとはわけが違います。
構造改革とやらで社会を変えるだけ変えて(あとは知らない)一丁上がった小泉元首相が、「森友問題で嘘をついた」という1点において安倍首相に辞めろと言っても、国民には響かないのではないでしょうか。
しかし、かつては政局の流れを読んで、国民の空気をつかむことに長けていた小泉元首相。
詐欺師は詐欺師の気持ちがよく分かります。
毒をもって毒を制するとも言われます。
案外、国民に今は支持されずとも、詐欺師の詐欺性を暴いて、毒をもって毒を制することができるのは、「嘘つきの師匠」だけかもしれません。(文◎編集部)