奄美大島(1)-日本と違った集落
さっきまで名瀬の街のことばかり書いてたけど、奄美大島全体も周ってきてますんで
奄美の事情も書きます。
道のりとしては、朝5時くらいに名瀬の港に着いてから、東の用安海岸や龍郷町、北側の海岸を通って一旦名瀬に戻り南の方へ。住用町からマングローブ原生林、峠道を抜けてホノホシ海岸、瀬戸内町の古仁屋から名瀬に戻って、夜9時の船で鹿児島に戻りました。
早速船を下りてから、バイクで国道58号線(奄美を縦貫する主要道路。出発は鹿児島で、沖縄県の主要道路でもある。)を東に走り、用安海岸へ。
ペンションみたいな建物の脇から海岸へ入ろうとすると…
なんか宿泊客が片付け忘れたみたいなお酒の瓶とクーラーボックスが!
お酒の広告みたいで、思わず撮っちゃいました。
★本州にはない草花★

さぁ、海に出てみよう。
日本とは違う、鮮やかな色のヒルガオ(?)の間を通っていけば…

早速いました。朝6時から朝釣りしてる人が。

砂浜の砂がなくなる境界には、細い根をいたるところにはわせた植物が。
このしなやかさが、日本とはちがいますね。

とある家の入り口には、こんな植物のトンネルが。
自然が生み出した、謎めいた感じのものが、奄美にはあふれているようです。
★奄美の集落★

ちょっと戻って、龍郷町にきました。
明らかに日本の田舎の家より、緑を前面に押し出してるようですね。
建物は全体的に低めで、2階の家はめったにありません。

傾斜の少ない屋根に、小さな三角が張り出してて、塀も低いです。
隣の人が気軽に話しかけてきて、世間話ーなんて光景もありました。

「龍郷」というバス停です。
トトロが描いてあります。
トトロがお出迎えしてくれて、心が躍っちゃいますね。
あっ、夜は怖いかも…?

龍郷の町の通りには、こんな猫が軒先で遊んでる風景がありました。
人が住んでる家の前で、別に猫屋敷っぽい感じじゃなかったですが
どこか平和そうで、和みます。

裏手を歩いてます。
塀に囲まれてますが、低いので家の中がのぞけます。(笑)

草花とコンクリ塀と木の家が、不思議と溶け込んでて、自然な感じがしますね。

あれ?塀はあるのに家がぽっかり消えてるところが。
おかしいですね。立ち退きでしょうか?
龍郷だけでも3,4件はありました。

川にはこんな変わった柄の鴨がいました。

あと、龍郷町には、こんな高い屋根が。
ディーゼル発電所で、日本最大のものだそうです。
★中国・沖縄から薩摩へと続く様式★

龍郷から北の海岸を走って、「嘉渡」という集落まできました。
途中の田畑には、藁を積んで並べたようなものがありました。
こういうのを見ていると、まだまだ日本にいるなぁ、って気がします。

「嘉渡」集落を上から。
緑に囲まれて、ホントに自然と暮らしてるなぁって気がします。

町の中を歩いてると、やっぱり南国の木や花が。

そして、どういうわけか、塀をパステルカラーにペイントしています。
何かのおまじないでしょうか?

この家は、竜宮城みたい!
普通の屋上に上がれる家ですが、奄美風か中国風かよくわからない入り口になっています。
奄美の集落には、こういう家が1軒や2軒はありました。

街角の洗濯場のようなところに
「石敢當」(いしがんとう)という石板が置かれていました。
奄美でよく見かけますね。何のために、と聞いたら
魔物避けなんだそうです。
発祥は中国・福建省で、台湾を経て、沖縄や奄美に伝わり、鹿児島の薩摩地方まで分布している風習だそうです。

名瀬の郊外にあるお墓です。
なにやら独特の形をして、屋根も付いてて、日本のよりも立派な感じがしますね。
奄美には沖縄にある「亀甲墓」はありませんが、それの原型となる墓もみられ、南西諸島様式の墓の文化を持っているそうです。
ちなみに、このような形の墓は、鹿児島県の薩摩地方でも見ることができます。
キリスト教の教会のようなお墓もありますが…これは奄美にはカトリック信者の割合が日本有数の多さだそうです。
★奄美の民家はより南国的な日本家屋★

名瀬にある、「市立奄美博物館」にきました。
屋外には、奄美の伝統的な民家が展示してあり、入ることができます(入場無料)
さっきまでは奄美の田舎にある、現代的な村をみてきましたが
それよりも古い、奄美の姿を残しています。
瀬戸内町にある民家をそのまま移築したものだとか。

日本の農村にある茅葺屋根と、似ていますが、暑さや湿気に強そうです。
2つ並んで建っていて、渡り廊下でつながっているのが特徴です。

中は畳が敷かれていますが、壁が板張りで、あまり頑丈そうではないですが、夏は風通しが良さそうです。

こうしてみたら、日本の家とあまり変わらないみたい。

だけど、日本と比べて開放的で、やっぱりここは南国ですね。

台所です。
かまどがあって、食物を入れていた壷が置かれ
台所と今が一緒になっているそうです。
★奄美で見た変わった光景★

瀬戸内町のホノホシ海岸に行く途中で見つけた、海岸に建設中の現場。

どうやら、車えびの養殖場のようです。
奄美にはいくつかこのような養殖場があります。
美しい自然が残ってる奄美ですが、ぶち壊しですねー…。

同じく瀬戸内町を走っていると…
辺鄙な道沿いに不動産屋の売り地があります。

しかし、売り地が墓地の隣というのはちょっと…。
そういえば、集落の中で空き家や空き地になった場所がありましたが
そこもこうして売りに出されているようです。
奄美から出て、他の地域で働いて家庭を持って、生活拠点を奄美から移して、島から人が減っていくという現象は、各地ではみられているようです。
奄美にも人口減少の問題はあり、「雇用の受け皿が少ない」「大学・専門学校がなく、島外へ進学」「出稼ぎし、そのまま島外へ移住」に代表される原因があります。
いずれも、需要と供給の問題で、それなりの商圏の人口がいないと、成り立ち得ないもので
このまま指をくわえて見ているしかないかもしれませんが…
これらは、経済的な成長を善とする考え方の基準を持つために、どうしようもないという発想に陥っている気がします。
人口減少だ、衰退だと言っていますが、地元の人はそれをとっくにわかっていて、そこまで気落ちしてるわけではなさそうです。
人口や経済という尺度でしか、奄美の良さや暮らし、幸せを計れないのでしょうか?
こんな暗い雲が覆っている中でも、たとえば名瀬の商店街で、あらゆる世代が集まれて、行く楽しみのある商店街があることや、名瀬の町から音楽のカルチャーを発信し、地元人が地元発の音楽に親しんでいることとか、そういった文化的な豊かさや、人とのつながりがあることだって魅力で、それでも「衰退」と一くくりに言うのでしょうか?
正直、都会のテレビニュースが映す地方の捉え方や、2ちゃんの地理系のトピでけなし合ってるような人のような基準に従って、「人口多い=成長=都会=豊か=幸福」のように思い込むことはつまらないです。
地方の人も、自分の地域を「地方の田舎町=人口減少、衰退=ダサい、ババっちぃ」って思い込まされるのは、面白くないでしょう。
…さぁ、それよりも楽しい、奄美ツーリング、後編に続きますっ!
◆関連記事 (奄美大島シリーズ)
・「奄美大島①-日本と違った集落」
・「奄美大島②-観光化されすぎてない島」
・「名瀬①-南の離島は、鹿児島第二の都市」
・「名瀬②-イオンが来ない商店街と文化」
・「名瀬③-歌と芸能の島とカルチャー」
・「名瀬④-シネマパニック!」
さぁ、海に出てみよう。
日本とは違う、鮮やかな色のヒルガオ(?)の間を通っていけば…
早速いました。朝6時から朝釣りしてる人が。
砂浜の砂がなくなる境界には、細い根をいたるところにはわせた植物が。
このしなやかさが、日本とはちがいますね。
とある家の入り口には、こんな植物のトンネルが。
自然が生み出した、謎めいた感じのものが、奄美にはあふれているようです。
★奄美の集落★
ちょっと戻って、龍郷町にきました。
明らかに日本の田舎の家より、緑を前面に押し出してるようですね。
建物は全体的に低めで、2階の家はめったにありません。
傾斜の少ない屋根に、小さな三角が張り出してて、塀も低いです。
隣の人が気軽に話しかけてきて、世間話ーなんて光景もありました。
「龍郷」というバス停です。
トトロが描いてあります。
トトロがお出迎えしてくれて、心が躍っちゃいますね。
あっ、夜は怖いかも…?
龍郷の町の通りには、こんな猫が軒先で遊んでる風景がありました。
人が住んでる家の前で、別に猫屋敷っぽい感じじゃなかったですが
どこか平和そうで、和みます。
裏手を歩いてます。
塀に囲まれてますが、低いので家の中がのぞけます。(笑)
草花とコンクリ塀と木の家が、不思議と溶け込んでて、自然な感じがしますね。
あれ?塀はあるのに家がぽっかり消えてるところが。
おかしいですね。立ち退きでしょうか?
龍郷だけでも3,4件はありました。
川にはこんな変わった柄の鴨がいました。
あと、龍郷町には、こんな高い屋根が。
ディーゼル発電所で、日本最大のものだそうです。
★中国・沖縄から薩摩へと続く様式★
龍郷から北の海岸を走って、「嘉渡」という集落まできました。
途中の田畑には、藁を積んで並べたようなものがありました。
こういうのを見ていると、まだまだ日本にいるなぁ、って気がします。
「嘉渡」集落を上から。
緑に囲まれて、ホントに自然と暮らしてるなぁって気がします。
町の中を歩いてると、やっぱり南国の木や花が。
そして、どういうわけか、塀をパステルカラーにペイントしています。
何かのおまじないでしょうか?
この家は、竜宮城みたい!
普通の屋上に上がれる家ですが、奄美風か中国風かよくわからない入り口になっています。
奄美の集落には、こういう家が1軒や2軒はありました。
街角の洗濯場のようなところに
「石敢當」(いしがんとう)という石板が置かれていました。
奄美でよく見かけますね。何のために、と聞いたら
魔物避けなんだそうです。
発祥は中国・福建省で、台湾を経て、沖縄や奄美に伝わり、鹿児島の薩摩地方まで分布している風習だそうです。
名瀬の郊外にあるお墓です。
なにやら独特の形をして、屋根も付いてて、日本のよりも立派な感じがしますね。
奄美には沖縄にある「亀甲墓」はありませんが、それの原型となる墓もみられ、南西諸島様式の墓の文化を持っているそうです。
ちなみに、このような形の墓は、鹿児島県の薩摩地方でも見ることができます。
キリスト教の教会のようなお墓もありますが…これは奄美にはカトリック信者の割合が日本有数の多さだそうです。
★奄美の民家はより南国的な日本家屋★
名瀬にある、「市立奄美博物館」にきました。
屋外には、奄美の伝統的な民家が展示してあり、入ることができます(入場無料)
さっきまでは奄美の田舎にある、現代的な村をみてきましたが
それよりも古い、奄美の姿を残しています。
瀬戸内町にある民家をそのまま移築したものだとか。
日本の農村にある茅葺屋根と、似ていますが、暑さや湿気に強そうです。
2つ並んで建っていて、渡り廊下でつながっているのが特徴です。
中は畳が敷かれていますが、壁が板張りで、あまり頑丈そうではないですが、夏は風通しが良さそうです。
こうしてみたら、日本の家とあまり変わらないみたい。
だけど、日本と比べて開放的で、やっぱりここは南国ですね。
台所です。
かまどがあって、食物を入れていた壷が置かれ
台所と今が一緒になっているそうです。
★奄美で見た変わった光景★
瀬戸内町のホノホシ海岸に行く途中で見つけた、海岸に建設中の現場。
どうやら、車えびの養殖場のようです。
奄美にはいくつかこのような養殖場があります。
美しい自然が残ってる奄美ですが、ぶち壊しですねー…。
同じく瀬戸内町を走っていると…
辺鄙な道沿いに不動産屋の売り地があります。
しかし、売り地が墓地の隣というのはちょっと…。
そういえば、集落の中で空き家や空き地になった場所がありましたが
そこもこうして売りに出されているようです。
奄美から出て、他の地域で働いて家庭を持って、生活拠点を奄美から移して、島から人が減っていくという現象は、各地ではみられているようです。
奄美にも人口減少の問題はあり、「雇用の受け皿が少ない」「大学・専門学校がなく、島外へ進学」「出稼ぎし、そのまま島外へ移住」に代表される原因があります。
いずれも、需要と供給の問題で、それなりの商圏の人口がいないと、成り立ち得ないもので
このまま指をくわえて見ているしかないかもしれませんが…
これらは、経済的な成長を善とする考え方の基準を持つために、どうしようもないという発想に陥っている気がします。
人口減少だ、衰退だと言っていますが、地元の人はそれをとっくにわかっていて、そこまで気落ちしてるわけではなさそうです。
人口や経済という尺度でしか、奄美の良さや暮らし、幸せを計れないのでしょうか?
こんな暗い雲が覆っている中でも、たとえば名瀬の商店街で、あらゆる世代が集まれて、行く楽しみのある商店街があることや、名瀬の町から音楽のカルチャーを発信し、地元人が地元発の音楽に親しんでいることとか、そういった文化的な豊かさや、人とのつながりがあることだって魅力で、それでも「衰退」と一くくりに言うのでしょうか?
正直、都会のテレビニュースが映す地方の捉え方や、2ちゃんの地理系のトピでけなし合ってるような人のような基準に従って、「人口多い=成長=都会=豊か=幸福」のように思い込むことはつまらないです。
地方の人も、自分の地域を「地方の田舎町=人口減少、衰退=ダサい、ババっちぃ」って思い込まされるのは、面白くないでしょう。
…さぁ、それよりも楽しい、奄美ツーリング、後編に続きますっ!
◆関連記事 (奄美大島シリーズ)
・「奄美大島①-日本と違った集落」
・「奄美大島②-観光化されすぎてない島」
・「名瀬①-南の離島は、鹿児島第二の都市」
・「名瀬②-イオンが来ない商店街と文化」
・「名瀬③-歌と芸能の島とカルチャー」
・「名瀬④-シネマパニック!」