雄の生殖器が出現
板皮類の発見は続く。
スコットランドなどから化石が発見されている板皮類に、ミクロブラキウス Microbrachiusがいる。2014年、フリンダ―ス大学(オーストラリア)のジョン・A・ロングたちは、ミクロブラキウスの化石に2つのタイプがあることを指摘した。
1つは、頭胴甲の腹側後端が左右に向かって伸びる突起になっているもの。もう1つは、頭胴甲の腹側後端の中央に小さな裂け目があるものだ。
ロングたちは、前者の左右に伸びる突起を「クラスパー」と判断した。「クラスパー」とは軟骨魚類などにみることができるペニスだ。そして、もちろんこのクラスパーをもつものは雄ということになる。
ロングたちの指摘が正しければ、ミクロブラキウスは雄の生殖器が確認できる、最古の脊椎動物となる。一方、後者の中央の裂け目は雌の膣口であるという。
では、この生殖器をどのように使ったのか? つづいては、脊椎動物の進化史上、(今のところ)最古となる交尾ついて考察してみよう。
つづく
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