アジト
あじと
非合法活動などの秘密指導本部やその活動家の隠れ家。英語のagitation pointまたはagitation station、ロシア語のагитпункт/agitpunktなどから出たことばで、大正時代に社会主義運動が活発化するとともに定着した。なお、アジテーションは理性よりも感情に訴える方法で民衆を行動に立ち上がらせることをいう。
[宇田敏彦]
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アジト
〘名〙 (agitating point の
略)
労働争議や非合法活動などをひそかに扇動する秘密指令所。転じて、地下運動者の隠れ家。さらに転じて、組織的な犯罪者の隠れ家をもいう。
※党生活者(1933)〈小林多喜二〉一「私は自分のアヂトを誰にも知らせないことにしてゐたが」
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アジト
英語のアジテーティング・ポイントagitating‐pointの略で,非合法運動あるいは革命運動の扇動指令所。転じて,運動の秘密指令部あるいは活動家の潜伏する隠れ家を指す。元来革命運動は当然に体制権力の敵視するところとなるから,こうした運動に従事するものにとっては,不断に戦略上の拠点を移動させつつ大衆を組織していくことが必要である。その意味で,アジトを生み出したのは,革命運動と既存権力との対抗関係であった。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報