参院予算委

質問する山添拓議員=3日、参院予算委

日本共産党の山添拓議員は3日の参院予算委員会で、「しんぶん赤旗」日曜版が報じた「桜を見る会」前夜祭にサントリーが大量の酒を無償提供し安倍晋三首相(当時)が有権者にふるまっていた問題を追及しました。違法な企業献金であり政治をゆがめた疑惑だとして、安倍氏の説明とともに岸田文雄首相の責任で調査するよう迫りました。(学費問題の論戦ハイライト3面

山添氏は、前夜祭を主催した安倍晋三後援会は、企業が寄付できる「政党」「政治資金団体」ではないと指摘。酒の無償提供は「違法献金の可能性がある」と告発しました。

山添氏は、安倍氏の元秘書の供述調書に、“(会費の)不足分を負担すれば公選法違反の恐れがある”“飲食代を抑えるため酒を持ち込んだ”と記されていると紹介。調書は2020年12月12日付で、同月25日に安倍氏が国会で説明した際、公選法違反の認識や酒の提供は一切語っていないとして「国民と国会に不誠実を重ねたことになる。安倍氏に説明し直してもらうべきだ」と迫りました。

岸田首相は「個別の案件について申し上げることは控える」と述べるだけ。山添氏は「国政を揺るがした疑惑だ。個別の案件ですまされない」と批判しました。

無償提供は16年から4年間毎回行われ、この時期は政府・与党がビールは減税、発泡酒は増税し、やがて一本化するとの検討をしていた時期と重なります。しかし税制改正で大打撃といわれたサントリーホールディングス現社長の新浪剛史氏が安倍氏らと会談を重ね、一本化は26年まで先送りされました。山添氏は「酒の提供は酒税変更先送りのお礼との疑惑もあり、政治をゆがめた疑惑だ。調査すべきだ」と求めました。

岸田首相は「税制議論は議論の積み重ねの結果だ」などと強弁。山添氏は、「疑惑を放置すべきではない」と批判し、腐敗の大本にある企業・団体献金の廃止を求めました。

(「しんぶん赤旗」2022年6月4日付より)