【「現実値」と「概念値」の区分けについての提起的な話】 最近、以下に記載するような思考方法を用いた場合の方が、種々の問題を論じる際等に、スムーズに進行出来るケースもあるのではないかとの考えを持つようになり、この文書を記載しようと思います。 尚、ここに記載している内容が、万事・万物に適用可能であるものではなく、あくまで、状況によっては、用いると利便性が高くなる手法の一つなのではないか?との発想を元に書き起こしています ■以前から感じていたのですが、計算等で求められた値は大別すると2種類あり、それらの結果・値を混在せずに用いた方が、問題が起きにくいのでは?と考えるようになりました ■具体的には、 ・単純な四則演算等で計算を終える事で得られた結果・値 (暫定的に、ここでは「現実値」と呼称します) ・計算を終える事が出来ず、近似値等を概念的な思考等を用いて算出する値 (同様に「概念値」と呼称) に大別しませんか?という提起的な話題になります ■そもそも個人的に数学に明るくないので、既にそのような定義等が存在しているかも知れませんが、各所で数字を扱う話題を見るに、その点についての定義等が存在していないように感じたため、記載しようと思い立ちました ■具体例を出さないと説明し難いため、実例を出してみます もっとも身近な計算では「1÷3」の計算結果です これは、少数で計算をしていくと、0.3333...と、少数の各桁が「3余り1」を繰り返し、「無限に計算が続く(と思われる)」事になり、計算を終える事が叶わず、結果「無限等と言った概念」を用いて結論付ける事になるかと思います (「1/3」等といった分数を用いたとしても、実数で計算すると同様の計算になるため、ひとまず同次元と扱うとして) つまり、「1÷3」は、十進数での「0123456789」、これらのような「固定的な状態を表わす数字」だけを用いて表す事が出来ず、「無限に繰り返す(であろう)」と言う「推測」的な概念等を用いて解決する事が一般的かと思いますが、このように「計算を終える事が出来ず数字だけで表せない値」と、「数字だけで表せる値」(例えば「10÷2」の計算結果のような)を比較している事が、アンマッチ状態となり話しが嚙み合わずに論争等になる要因では?と感じ、それらを区分けした方が良さそうなのではなかろうかと行きついたわけです 「1÷3」の計算結果を少数で表し「0.3333...」とした場合、では、その値を3倍するとどうなるのか?その結果は「0.9999...」となり、極限的に「1」に近づきはすれど、永久に「1」に到達する事が出来ないといった論調も出て来てしまう事もあるかと思います (※類似の話題では「1÷無限」が「ゼロになる(若しくはゼロと扱って問題無い等)」か、「ゼロに近づきこそすれ、永久にゼロになる事はない」といった食い違いの論争は良くあるかと思います) これは、無限に計算が続く、つまり、単純な四則演算を終えられていない、延いては「計算結果を求められていない(数字だけで表す事が出来ない結果・値となっている)」にも関わらず、その値を「数字で表そうとしている」からに外ならないのではないかと思った訳です 平たく言うと「数字(だけ)で表せない値」を「どの数字に該当するか」と論じる事によりアンマッチ状態となっており、次元の違うような値を一緒くたに論じているから、統一見解が出せず、論争が起きているように感じませんでしょうか? このように、 ・「計算結果を数字で表せず、概念的考察等を含め/用いて求めた値を「概念値」 ・四則演算等の単純計算を完了する事が出来、確定的な固定の数字を求める事が可能な結果を「現実値」 として扱い、これらの演算結果の扱いを区別する事で、階層分けして論じませんか?というのが、冒頭に記載した趣旨になります ■では、更に具体的に、上記の引き続きで「(1÷3)×3の計算結果は1になるか?」について、その仮定義を適用してみたいと思います ・「1÷3」の計算結果は、単純な四則演算では計算が終えられない為、その結果は「固定的な値」として算出出来ていない事から、その結果は「概念値」として扱う事とします ・その後、その値を3倍する事になりますが、概念値を3倍しているため、その計算結果も概念値として扱う事になります (そもそも「1÷3」の計算結果が出せていないのですから、その結果を3倍しようとしても、必然的に3倍の計算結果も出せない事になる為) ・では、その最終的な計算結果は「1」になるのか否か? これについて、 →「(1÷3)×3」の計算結果は、計算を完了する事が出来ておらず、結果、固定的な数値で表せない事から、ここで言う「概念値」となっている →固定的な数字で値を算出出来ていない結果と、確定的な固定の数字(ここで言う「現実値」)である「1」との比較を控える、無いしは、比較するにしても、その差異を認識・明示した上で用いるようにする (単純比較しようとすると、思想等により意見等が食い違う事になってしまいかねない為) →その為、「(1÷3)×3」の計算結果(ここでいう概念値)と、「1」(ここで言う現実値)は、別の階層の値として、一緒くたに扱うのを控えるか、明確に区分けした前提で用いるようにする 平たく言うならば、「完全に確定している値」と「不確定(又は、不確定的要素を含む)値」を区分けしませんか?と言った趣旨でした これは、既に存在している概念であらば、「実数と虚数を混在せずに区分けしている事」に似ているかも知れません ●要約 ■概念値 「1÷3」のように計算が永久に終わらない(と推測される)計算結果 「無限」のような概念で表される値 数字だけでは表せないような、固定化されていない値 極限(Lim)計算のように、近似値を求める計算で得られた値 →等でしょうか。これらのように、単純な四則演算では計算を終える事が出来ない等の理由で、概念的思考等を用いて暫定的に導かれた値や、不確定要素を含む値 ■現実値 十進数で言うと「0123456789」の数字だけを用いる等、絶対的な固定の値を表す事が可能な結果や値 ■混在について 上記の定義で考察して行くと ・「現実値」だけを用いた演算の結果は、「現実値」として扱える ・「概念値」だけを用いた演算の結果は、当然的に「概念値」となる ・「現実値」と「概念値」を混在させた演算結果は「概念値」として扱わざるを得ない ■「現実値」と「概念値」の呼称について 仮ですが、この呼称にした理由がありまして、現実の世界において、現実値の個数等の物を用意する事が可能であり、概念値を用いた個数等は現実世界で用いる事が難しい(極限的には、実態としては近似値等を用いてる事がほとんどでは?)と考えた為です 例えば、現実値である「1」個の箱は用意する事は、現実において実現出来ますが、概念数である「無限」個の箱を用意しようとし、無数の箱を作り続けても、有限個の壁を超える事が出来ず、実現出来ない事から、「現実とはかけ離れた概念上でのみ存在し得る値」といった区分けをしてはどうだろうと、思い立ったのが動機の一つでもあった背景もあります ですが、万物において、その法則を適用する事が叶うか否か不明ですので、別呼称を用いた方が適切かも知れません (「現実値」と「概念値」の呼称については、各々「固定値」と「暫定値」等の呼称の方が直感的に理解し易いかも知れませんので、そちらでも良いかとも考えています) ■おわりに 冒頭に書いたように、既にこのような区分けを行う概念が存在しているかも知れませんし、ここで記載した事も、個人の一考察に過ぎませんので、不備等もあるかとは思いますが、論争的なやり取り等を見かける度に、この区分けを行えば少しでも論争を減らせるのではないかなと思いましたもので この考え方はいかがでしょうか? ■オリジナル 記載者: Senu URL: https://senusenusenusenu.web.fc2.com/