私たち、入れ歯製作サイドからの正直な気持ちは、その類いのものを使わないでもらいたい、というか、使わないでも何ら困らない入れ歯を作っているわけではあるのですが、残っている歯の形状や傾斜などからぴったりさせる入れ歯を作ると、入れ歯自体の出し入れがとても困難になってしまったり、下顎の総入れ歯の場合だとどうしてもピタッとくっついてズレたり動いたりしないものは作れなかったりという事実があります。
こういった状況の患者さんには僕の場合、昔はよくオブラート(飲み薬を包む薄い水溶性の膜)を大きさに合わせて折りたたみ、入れ歯と粘膜の間に入れて使ってもらっていました。
その当時の入れ歯安定剤は油性?だったのか、やたらとベタベタで非常に使いにくいものでした。
最近の入れ歯安定剤の性状をみると、水溶性のものとなってきており、粘膜への負担を考慮しています。
今となって思うと、あの当時、オブラートを安定剤として患者さんにすすめていたのは間違いではなかったのだなぁと自分勝手に解釈しています。
最後に、安定剤の使用量ですが、部分入れ歯であれば、その欠損部に小豆ひとつぶ、総入れ歯であれば前歯部に小豆ひとつぶ、左右臼歯部に小豆ひとつぶづつ程度が基準で、充分に安定吸着します。
補足として、就寝中は入れ歯洗浄剤に朝まで入れておくと、本当に何年もきれいなままの入れ歯を使うことができます。
これはいってはいけないことかも知れませんが、毎日使うのが大変であれば、週に1度でも効果はかなりありますので是非使ってください。
投稿日:2015年2月27日 カテゴリー:入れ歯