「弁理士はオワコン」などと言う人もいるようですが、弁理士の活動は今後どのようになっていくのでしょうか。
今回のコラムでは、弁理士の仕事内容やAI技術などとの関係性を踏まえつつ、弁理士の将来性について解説していきます。
弁理士を目指している方、弁理士にご興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
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目次
弁理士は将来性がある
まず弁理士の仕事内容をご紹介します。
弁理士とは、特許出願、意匠出願、実用新案出願などのような、知的財産権と呼ばれる権利を取得するうえでの代理業務等を専門に扱う職です。
自分で作り出した新たな技術であったとしても、即座に保護されるわけではありません。
特許として出願して、それが認められて初めて特許として保護されます。そのため、弁理士はこれらアイデアやデザインといった知的財産を守るための重要な職業であるといえます。
そして、弁理士の将来性の有無ですが、結論から述べると、将来性は十分にあるといえます。
関連コラム:弁理士とはどんな資格?仕事内容や主な業務など徹底解説!
弁理士の将来性と需要について
それでは、弁理士に将来性があるという理由について以下に解説します。
①弁理士の需要が高まっている
大手企業には知財部というものが存在し、知財部自身で特許出願について検討することも多々ありますが、ベンチャー企業やスタートアップ企業は通常知財部というものを持っていません。そのため、ベンチャー企業やスタートアップ企業の特許出願の際には、弁理士に委託するというケースが主流です。
そして、ベンチャー企業やスタートアップ企業の数は年々上昇傾向にあり、国としても特許庁を通じてスタートアップ企業支援に力を入れています。そのため、弁理士の特許出願についてのコンサルティング業務の量がますます増えていくと予想できます。
以上より、弁理士の需要は高まっているために将来性はあるといえます。
②AIに代替されない
昨今、AI技術が登場し、AIに取って代わられると予想されている職業もあるのが実情です。もっとも、弁理士はAIに代替されないといえます。
弁理士業務は商標出願業務や明細書作成業務というものが主流です。確かに、前者の商標出願業務は他の会社の商品名やフォント、ロゴなどの検索・調査が主な対象のため、AIが得意とする分野です。一方後者の明細書作成業務は様々な作成知識や文章力を駆使してこなす必要があるため、AIによって代替することは不可能であるといえます。
このように、弁理士業務のうち商標出願業務の点ではAIに一部代替可能かもしれませんが、明細書作成業務は依然として弁理士自身にしか作成ができないものです。さらに、見方を変えれば、明細書作成業務はAIによっても代替されない業務であることから、今後ますます弁理士業務には付加価値が増す可能性があるともいえます。
以上より、弁理士の業務はAIに代替されない以上、将来性があるといえます。
③弁理士事務所ではなく企業の知財部で働くという選択肢も増えている
企業の中でも大企業には知財部というものが設置されていることが多いです。そして、このような知財部を設置している大企業はコスト削減を目的に自社で特許申請をしようとする例も増えつつあります。そこで、弁理士をインハウスとして採用するケースも増えています。そのため、弁理士事務所勤務と比較して自由度は狭まるかもしれませんが、より安定したライフワークを求めることも可能となっています。
このように、様々な働き方の選択肢が増えているため、今後弁理士は働きやすい業界になっていくといえます。そのため、将来性はあるといえます。
将来も需要のある弁理士であるためにはどうしたら良いのか
どんな弁理士であれば、今後も需要のある弁理士でいられるのでしょうか。
まずは、確かな実力、知識、経験を持っている弁理士といえます。弁理士試験に合格するだけでなく、その後の実務を通して確かな実力、経験を積んでいくことが他の弁理士との差別化を図る要因となります。そのため、弁理士になったというだけで慢心せず、より高みを目指していくのが大切なのではないでしょうか。
また、弁理士は人との関わり合いを不可欠とする仕事です。顧客としても、より人間味のある、話しやすい弁理士に任せたいと思います。まさに、人と人との信頼関係こそ、AIでは代わりに作ることができないものです。そのため、コミュニケーション能力が高い、話しやすい弁理士というのも今後重宝される存在といえそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
弁理士の仕事内容を踏まえたうえで、弁理士に将来性がある理由や今後も需要のある弁理士像について解説いたしました。
弁理士は今後も需要があり、AIに取って代わられることのない、社会的に重要な職業です。そのため、弁理士試験合格を目指されている方はぜひ前向きにこの調子で取り組んでいただければと思います。そして、弁理士に興味があるという方は積極的に弁理士試験合格に向けてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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