西の海を漂う倭寇 舟に積んだ言葉で 作品を作っていく 

第52回九州芸術祭文学賞最優秀作を受賞 白石昇さん寄稿

 30年ほど前、倭寇(わこう)になりました。言葉の倭寇です。倭寇というのは昔の海賊のことですが、「海賊王に!!! 俺はなるっ!!!」という週刊マンガの少年ジャンプ的なノリではありません。そんなにメジャーな感じではなく、ひとりで西の海に小さな舟を出したのです。

 子供の頃、AMラジオで笑福亭鶴光の番組を聴こうとすると理解できない音声に邪魔されました。おそらくそれはハングルだったのでしょう。時には中国語だったのかもしれません。意味なんかわかりません。ただの雑音でしたから。...

残り 1222文字

この記事は会員限定です。

月額1,100円で、全ての記事が読み放題。
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。

ビューアアイコン

すべての記事が読み放題

特集が読み放題

記者渾身の特集が読み放題

会員特典

福岡で使える会員特典 プレミアムコース

関連記事

長崎県の天気予報

PR

PR