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普段何気なくを聞いています。
聞こえてしまう?
それが正しいのかもしれません。

聞こえるということに感謝したいですが、
そもそも音はどのようにして伝わるのか。
音の性質について考えてみましょう。
耳の仕組ではなく耳に届くまでの話です。

音は波です

音は波です。音波と呼ばれます。
波であれば伝える媒体が必要です。

一般的には空気が媒体として使われます。
つまり何らかの振動が空気を揺らします。
その空気の揺れが、伝言ゲームのように
伝わってくるのです。

ただし揺れた空気の塊が流れてくる?
そうではありません。
サッカー場の観客席などで起きる
ウエーブを考えてみましょう。

波は隣へと移って行きますが、
人はその位置から動きませんね。
波の要素だけが移動していきます。
水溜りの波紋も同じことです。

岸に打ち寄せる波を思い浮かべると
誤解しがちです。沖合の揺れる波を
イメージすることが大切です。

音波は縦波です

波には2種類あります。縦波と横波です。
音波は、縦波です。

とはいえ縦波はイメージしづらいですね。
紛らわしいですがサッカー場のウエーブは
上下に揺れているようですが、横波です。
90度ずらしてみれば横にうねっています。

では縦波とは何か?
進行方向と同じ向きに揺れる波です。
これを疎密波と呼びます。
イメージはバネの伸び縮みです。
つまり媒体である空気に、
密な部分と疎の部分ができるからです。

例えば太鼓を叩くと、
反動で太鼓の革が膨らみます。
膨らんだ部分にあった空気が縮みます。
この縮みが、隣へ移る!
隣に移ると、元の空気は広がります。
そうして媒体である空気の疎と密が
伝わっていく!
これが音波である縦波の実態です。

なお縦波の特徴は、個体、液体、気体、
いずれが媒体であっても伝わることです。

ちなみに地震で最初に生じる初期微動、
P波は縦波です。

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音の三要素

音には違いを表す3つの要素があります。
それをまとめて音の三要素と呼びます。

1.音の強さ

音の強さ、
強弱は振動の大きさで現わされます。
波形に現れる振幅が大きいほど、
強い音になります。

弦楽器であれば、強く弾くほど強く、
静かに弾けば弱い音になります。
空気が密になる、
その密度が高いほど、強い大きな音です。

2.音の高さ

音の高低は、振動数で決まります。
振動数とは1秒間に振動する回数です。
単位はヘルツ(Hz)です。
例えば1000ヘルツであれば、
1秒間に1000回振動します。
振動数が多いほど高い音になります。

ちなみに振動数の逆数が波長になります。
つまり波形で現わした際、
山から山までの1周期、これが波長です。
高い音ほど波長が短く、
低い音は波長が長くなります。

弦楽器を嗜む人なら理解できるでしょう
高い音を出すには、弦を強く短く張る。
もしくは細い弦を弾きます。

3.音色(ねいろ)

同じ「ド」の音であっても、
ピアノとギターは違いますね。
とはいえ同じドであれば、
波長や振幅は同じはずです。
では楽器ごとの違い、
すなわち音色は何によって決まるか。

それは波の周期に現れる細かな波形です。
大きな波形の中を細かく見みれば、
さらに小さな揺れがある。
それが音色として現れることになります。
物まね名人であっても、
本人とは音色が全く違うようです。

音の性質

音にはいくつか特徴的な性質があります。

1.回折(かいせつ)

塀の向こう側から声がする!
どうやって伝わるのか?
つまり振動する空気が塀を越えて来ます。
このように音が障害物を乗り越える性質
回折と呼びます。

しかし空気が塀に当ると塀を震わせます。
その震えた塀が隣の空気を揺らす!
そうして届く音もありますが、
多くは回折が原因です。

例えば外が騒音でうるさい時、
窓を閉めれば静かになる!
どこかで窓が開いていれば、
そこから音が入ってきます。

2.反射

音は波です。障害物に当れば反射します。
最近はやる人も少ないのでしょうが、
やまびこが典型例です。

学校の音楽室やコンサートホール、映画館
それらの壁は、音を上手く反射させて、
聞こえやすくしています。
つまり音の反射速度を変えることにより、
音が微妙にずれて聞こえる、
残響現象を利用します。

3.屈折

光が屈折するように、音も屈折します。

見た目ではわかりませんが、
昼より夜の方が遠くまで聞こえます。
上空の大気に温度差が生まれるためです。

日中は上空へ行くほど温度が低いので、
横に出た音でも上の方へ曲っていきます。
逆に夜は上空へ行くほど温度が高いので、
上に出た音も徐々に横向きへ変わります。
だから夜の方が
電車の音が遠くまで聞こえます。
騒音の原因です。

ただし水蒸気の量や濃度、湿度によっても
変化は生まれます。

4.吸収

硬い材質にぶつかれば、音は反射します。
しかし柔らかい素材であれば、
空気の振動が吸収されます。

つまり防音にしたければ、
壁や床、天井を変えればよいのです。

一般家庭でできることとして、
厚めの絨毯を敷く、
カーテンを使う、
市販の防音マットなども有効です。
外や隣の騒音がうるさく眠れない
そんなアパートなどでは重宝します。

なお雨や雪が降っていると、
水滴によって音が乱反射します。
これも一種の吸収と言えそうです。

5.干渉

音も波です。
複数の波が集まれば干渉します。

例えば同じ波長の音であれば、
共鳴(きょうめい)があります。
つまり同じ高さの音叉を2つ並べ、
一方だけ叩くと、
その振動がもう一方の音叉に届き、
音を出します。

波長が違うと共鳴は起きませんが、
微妙な違いがあると、それが重複してずれ
うなりが生じます。
雑音として聞こえることも多いですが、
お寺などの釣鐘は、うなりを利用して
音響効果を上げています。

5.ドップラー効果

小学生が好きなのはドップラー効果です。

近づいてくる救急車のサイレンは、
高い音として聞こえます。ピーポー↑
逆に遠ざかる救急車のサイレンは、
低い音になります。ピーポー↓

つまり近づく音波は
押し縮められて波長が短くなる、
周波数が多くなるので高い音になります。
逆に遠ざかる音波は
引き延ばされて波長が長くなります。
周波数が少くなるので低い音になります。

自分の声はどう聞こえる

自分の声を録音したことがありますか。
それを聞いたらどうなるか。
自分が普段耳にしている声とは違います。
どうしてでしょう。

自分が聞く自分の声は、
実は、喉から直接届いています。
そのため空気を介した声、
音とは違ってしまうのです。
録音されたものが、
友達が聞いている本当の声です。

そうした実験をしてみると
音の流れを感じてもらえるでしょう。

音が伝わる速さ

音が伝わる速さのことを音速と呼びます。
いわゆるマッハです。

空気中を伝わる音の速さは気温によって
変化しますが、基本は気温0℃の時、
秒速331.5メートルです。

温度が1度変化するに従い、
0.6メートル変わります。換算式は、
音速=331.5+0.6×気温 です。

例えば気温20℃の場合には、
秒速343.5メートルになります。
これは時速に直すと約1200kmです。

とはいえ音の速さは、
伝える媒体によって変わります。
水中では温度25度の場合、
秒速約1500メートルです。
空気中の約5倍のスピードがあります。
ただし淡水より海水の方が速くなります。

さらに固体中、
鉄の場合には秒速約5000メートルです。
故に、鉄筋コンクリートのマンションは
音が伝わりやすいので注意しましょう。

音のない世界

宇宙に行ったことはありませんが、
空気はないようです。
であれば、宇宙空間は音のない世界です。
SF映画にあるようなドンパチは、
実際にはなさそうです。

波動砲を撃っても、
轟音は聞こえないのでしょう。

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