「荷物や車があるのに、姿が見当たらなかった。そこで店舗内を探したところ、屋上で首を吊った状態でAさんが発見されたのです」
こう語るのは、名古屋市内の「エネオス」のガソリンスタンド店舗関係者だ。
系列給油所数1万2000と、国内シェア1位を誇るエネオス。A氏が勤めていたのは、エネオスと商標登録契約を結び、ガソリンスタンドを全国で約130店舗展開する三愛リテールサービスだ。品川に本社を置き、売上高は650億円。
A氏は勤続22年のベテランで、同社の接客サービスコンテストでは最優秀賞を受賞。サブマネージャーとして働いていた。
「仕事覚えが悪い部下に、自分の業務後も付き合ってあげていた。バイトの信頼も厚かった」(同前)
なぜ彼は、店舗で自殺したのか。同社従業員が語る。
「一つは過重なノルマです。会社から、洗車や車検、オイル交換などで、毎日10万円の売上が目標とされた」
だがA氏の店舗は2、3万円しか売上がない日も。理由の一つが社員数だ。店舗には通常、2人社員がいるが、A氏しかいないことが多かったのだ。
「3月までは2人いましたが、4月からB課長が店舗のマネージャーに。しかしB課長はほぼ不在で、Aさんが実質的な責任者で、1人で店を回していた」(同前)
B課長からのパワハラの疑いもある。店舗のサブマネージャーが集う会議の場でのこと。B課長はノルマ未達店の名前を挙げ、「どう責任取るんだ!」「手段選ばんから目標達成までやる!」と叱責し続けるという。
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source : 週刊文春 2022年7月7日号