サザエさんにみる昭和(7)
少年犯罪、現在、ますます悪質化しているようで、悲しい事態です。
昭和32年頃にも、悪質な少年犯罪が多発しています。
その中に、次のような事件がありました。
この作品は、この犯罪に関係ありそうなだと思います。
その事件とは、昭和32年(1957).3.5〔19歳の少年の強盗殺人布団包み事件〕で、東京都豊島区の下宿自室で、
朝日文庫版サザエさん(18)昭和32年
『禿げ頭の浴衣を着たお爺さんが、歩いていると、鳥打ち帽子を被り、アロハシャッを着た若者とすれ違いました』
『お爺さんは、直ぐポリボックスに駈けつけ、髭を蓄え制帽・制服の巡査に、重大なことを目撃したと言わんばかりに、「今の男は、確かに蒲団包み事件の犯人に似てました」と告げていました。すると、巡査は、すました顔をして「あの犯人は、もうつかまりましたよ」と答えました』
『お爺さんは、それを聞くと、コンコンと咳こみながら「あーーそうでしたかコンコン」とがっかりした様子です』
『お爺さんは、口元をコブシで軽く押さえて咳こんで、「わたくし流感でずーっとねこんで、つい2,3日まえおきたもんですから」と言いながら去っていきました。巡査さんは呆気に取られています』
磯野家の人は登場していない、「サザエさんの四駒漫画」でした。
多分、話題になったのだろうと推察する[事件」で、昭和32年に発生した[強盗殺人蒲団包み殺人事件]に関連する作品でしょう。
蒲団包みになって殺害されていた事件が、犯人が逮捕されて一件落着した、その間、お爺さんは、風邪を引いていて、蒲団に包まれて伏せていた、と言う「落ち」だと解釈しました。
既に解決ずみ事件の犯人を目撃したと言う、巡査にとって、価値のないお爺さんの情報、お爺さんは、風邪で布団につつまれていたから、事件が解決しているのを知らなかったという言訳に可笑しさがあると言うのでしょう?、
社会風刺の作品と思いますが、笑えない「落ち」の漫画でした。