今回は、アイリッシュのシングルモルトウイスキー、ウエストコーク シングルモルトを飲みます。

創業20年の新参蒸溜所

_DSC4414_01ウエストコーク蒸溜所は、アイルランドの南西部のコーク州にあるスキバレンにあります。
創業は2003年と比較的新しく、三人の幼なじみによって始まりました。

最初は創業者の一人の家の裏で蒸溜を開始しましたが、翌年にスキバレンのマーケットストリートに小さな蒸溜所を移転しました。

クラフトウイスキーの蒸溜所として継続していましたが、2016年に同じスキバレンのマーシュロード沿いに本格的な蒸溜所を建設し、こちらに本社機能を移して稼働をしています。
現在はウイスキーだけでなく、ジン、ウオッカも製造、販売しています。

ウエストコークでは、基本的にシングルモルトのみの製造で、今回飲む「シングルモルト」のみならず、バーボンカスク、シェリーカスク、バージンオークカスク、IPAカスクなど、様々な酒に使われていた樽のみを使ったボトルもラインナップしています。

以前は10年もののボトルもラインナップされていましたが、数年前にウイスキー用大麦の不作によって麦芽が不足して、原酒自体の仕込みが少なくなってしまった煽りを受けて販売終了したようです。

この「シングルモルト」においては、バーボン樽で熟成した原酒を中心にした構成になっているようです。

テイスティング

グラスからの香り、味わい

グラスからはブドウの香りが強く感じられ、アルコールの揮発した刺激も得られます。
液色は少々淡い琥珀色です。

ストレート

先にブドウと共にゴムの香りが広がり、奥からカカオの渋い香りが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあり、その後は酸味が主体で、ほろ苦さも続きます。

ロック

ラムレーズンの香りが揮発して、後からリンゴ、カカオの香りが続きます。

味わいは、ほろ苦さ、酸味、甘さが三すくみで舌に広がっていきます。

ハイボール

リンゴの香りが一気に広がり、後からカラメル、ブドウ、カカオの香りが続きます。
味わいは、軽い苦みがあるものの全体的にはフルーツの酸味と甘味が中心です。

ブドウを強く感じるボトル

前にも書いたように、ウエストコーク シングルモルトはバーボン樽原酒が中心と言われていたのですが、時折マッカランを思わせるほどブドウ、レーズンの香りが強く、シェリー樽原酒の影響が強いのではないかと思いました。
バーボン樽原酒ならではのバニラの香りが薄いのも不思議な感じです。

とはいえ、比較的あっさりした香りや味わいのあるアイリッシュウイスキーとしては香りが豊かで、スコッチのハイランドモルトをよく飲む人にとってもしっくりくるように思えます。

700mL、アルコール度数40度、価格は3500円ほどです。
ノンエイジのシングルモルトのアイリッシュとして考えても比較的手頃に思えます。

<個人的評価>

  • 香り B: ブドウ、リンゴの香りが現れ、後からカカオの香ばしさが加わる。
  • 味わい B: ほろ苦さが伴うも、酸味と甘味がバランス良く楽しめる。
  • 総評 B: 値段を考えても嫌みが無くて薄っぺらさもない、好印象。