自分の大切な人を心から愛して、
愛される人になってほしい

それだけのメッセージがこもっていると聞くと、表題の「Ignition」が今までになく壮大なサウンドになっているのも納得です。

ちなみに、こんな灯りが消えたような世の中で、もう一度灯をともすために北園さんが心がけていることって何でしょう？

時が来れば走れるように、いつでも準備をしておくことが大事だと。アツいロックチューンばかりではなく、これまでとは少し趣の異なる楽曲がアルバムに収められているのも、その一環かもしれませんね。特に「sad day」は打ち込み要素が強くて、それでいて重低音が利いているというのも面白い。

特に《夢を叶えた人の裏で 今日も誰かが泣いてる》というフレーズは、気づきたくない真実だなとドキッとしました。まして俳優のお仕事なんて、オーディションで受かる人がいれば落ちる人もいるわけですし、この歌詞を実感することも多いのでは？

そこから続く「I'll buy」はアコースティックかつエモーショナルなラヴソングで、恋愛感情を描くのに“buy（＝買う）”という単語を使うのが斬新だなと。

ただ、そんなふうに苦しみを請け負いたい、目に映るものを美しいもので満たしたいと願う存在って、恋愛対象に限らないのでは？

ライヴなんて、まさにそんな時間ですよね。そういう意味では、ファンへの愛も込められていると。

前作『Frontier』の収録曲ですが、ポジティブな意志を綴った歌詞も今作のテーマに馴染んでいますしね。

7月のツアーでは全国5都市を回りますが、全公演2部制で1部はファンミーティング、2部はライヴという構成だとか。

「fake」の間奏にはメタル系のギターソロも入っていますし、そのへんも個人的には楽しみです。今回は作詞に注力されましたから、次は作曲にも期待したいですね。

取材：清水素子

「I'll buy」

「sad day」

「believe」

「Awake (Solo ver.)」

「fake」

「Ignition」

北園涼から
「Ignition」の楽曲をご紹介！