「もし1977年、全世界と同時に、ソビエト連邦の映画館でサーガの第一作が公開されていたなら、ソビエトの観客たちはどうなっただろうか。想像するのも難しい。<泣けや泣け、踊れや踊れ>式の、愛についてのインド映画や、資本主義と消費社会への批判つきの、歯の抜けたような米国産コメディー。社会主義陣営にあって期待できたのは、せいぜいがそんなところだった」。映画評論家のセルゲイ・ルネフ氏は、当時を思い出してそう語る。
ソ連で「スター・ウォーズ」の一般公開が始まったのは、第一作の発表からほとんど13年経ってからやっとのことだった。しかし、サーガは、それよりはるかに以前に、既に密かな人気を獲得していたのである。