会員企業訪問
VISIT
会員名
後藤 優佳(代表取締役)
所在地
兵庫県神崎郡福崎町福崎新148
創業
1918年4月
創立
1926年5月
事業内容
酒類卸売業、飲料自販機管理業(ベンダー業)、不動産賃貸業
従業員数
7人
公式サイト
https://e-marufuku.biz/(不動産賃貸業用)卸売業用は無く、只今新規事業に向け準備中
入会年月
2004年2月
事業内容及び企業の沿革
1918年に後藤氏の曽祖父様が、福崎町でラムネ製造を始められました。その後1926年に法人化し、各種飲料水製造業として展開されていきました。しかし、コカ・コーラが日本に進出し販売拡大した影響で、飲料水製造業者は苦境に立たされ、姫路周辺地区の同業者で協業組合(後のキンキサイン社)を設立し、製造業からは撤退されました。元々製造業と並行して、アサヒビールの特約店をしていたこともあり、酒類・飲料水卸売業として新たな展開をされました。
当時はキリンビールがシェア60%という一強時代でしたが、スーパードライのヒットもあり、事業は順風となっていきました。
後藤氏は、大学卒業後、アサヒ飲料に就職。主にベンダーオペレート(飲料自販機)を担当されました。その後2002年にマルフクへ入社し、そのアサヒ飲料時代の経験を活かし、酒類卸売業では稀なベンダー業を展開されます。
また、曾祖父様が不動産賃貸業もされていたことは、外部環境が大きく変動する中でも、酒類・飲料水卸業と合わせて安定した経営の柱となっています。
業界の状況、外部環境の変化とその中での対策
酒類販売業界において、2002年の飲酒運転に対する道路交通法の厳罰化は、大きな転機だったとのこと。お酒を飲む機会や量が減り、ゴルフ場や居酒屋など業務用の出荷は大きく減少。また、今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響も、外飲みが減るなどし、業界に大きなダメージを与えています。
かねてからの酒類販売免許取得の規制緩和で、酒類の販売は、スーパーやディスカウントストアが台頭。得意先である街の酒屋さんは、経営が厳しい状態になり、後継者問題や売上減少に伴う廃業も相次いでいます。
飲料自販機は、飽和状態となっており、新規設置は難しく、台数も減少傾向のようで。
マルフクは、メーカー商品を販売店につなぐ流通業。付加価値となるものは、確実な仕事による顧客の信頼とコミュニケーション。そして一番大事なものは、仕事の効率性と適正価格だと考えておられます。従来のやり方を見つめ直し、有効で生産性の上がる方法を常に追求しておられます。
現在取り組んでいることについて
ベンダー業では、その自販機設置現場にマッチした商品ラインアップとし、売上の向上と在庫管理の効率化を図っておられます。また、新規設置が難しいなかでも、親しい企業さんや、地元の新施設などへの自販機新規設置に目を配られています。
酒類卸売業では、アウトソーシングによって仕事の効率化を図っています。
福崎町は河童でも有名です。その名の通りの「河童サイダー」。もちむぎ焼酎「ふくさき」など独自の商品展開もされています。
新型コロナ感染拡大により、酒販業界は大きな影響を受けましたが、苦しい中だからこそ、後述の新規事業を立ち上げるきっかけとなりました。
社員に対して
社員さんについての思いを聞くと、「社員さんにストレスを与えないこと」を挙げられました。
社員さんの声を聴き、その人柄や特性を活かした配置転換をするなど、働きやすい環境づくりをされています。
社員さんの健康にも気を使っておられます。例えば、乳酸菌飲料を毎日提供したり、独自の「リフレッシュ休暇」制度を作ったりされています。
同友会への想い
2004年に入会された同友会ですが、当時は地域の活動などの方が面白く、同友会にはあまり熱が入っていなかったのだとか。積極的になった転機は、ブロック長を任された頃からだったそうです。同友会のメリットは、多くの経営者に会え、その色々なタイプから刺激をもらうこと。それによって、自分のスタイル・価値観に合った経営者としての考え方を学び、成長できる、とおっしゃいました。
現在は、北はりま支部長として「人を動かす」ことに尽力されています。
今後の展望
今、新たに取り組まれているのは、環境衛生事業です。コロナで、食品や生活での「衛生」が大きく注目され、必要とされています。今立ち上げの段階で詳細をお伝えできませんが、時代のニーズに沿ったものであり、今後の成長が期待できます。衛生機器の販売店という、一見無関係に思える事業ですが、酒類卸先の飲食店の厨房や、不動産業に関連した介護施設など、旧来の得意先と関連した事業です。
経営理念には「明日へつなげる」と挙げられています。
100年企業であるマルフクを、未来へ繋げていけるよう、社員さんと一丸になって取り組んでいくと決意を新たにされていました。
編集後記(取材の感想)
訪問時、社員さんの挨拶が笑顔で気持ちよく、また大きな倉庫の端まで掃除が行き届いており、良い社風だなぁと感じました。後藤さんの柔らかい人柄がこの社風になっているのではと思います。
後藤さんは、マルフクは今まで「運が良かった」としきりにおっしゃいます。しかし、それはただ単に運が良かったのではなく、歴代の経営者が時代の流れを見つつ、業態の転換をされてきたからこそ、今があるのだと感じました。今取り組まれる新事業も、コロナで世の中が大きく変わり「衛生」が注目される時代のニーズに沿ったもので、今後の成長が楽しみでなりません!
北はりま支部 広報委員