こんにちは、元信金マンのnaoです。
私は2022年に8年間勤めた信用金庫を退職し、年収100万円アップ、残業・ノルマなしのweb会社へ転職を大成功させました。
私が信用金庫を退職した理由のにこんなものがありました。
「信用金庫って将来性無いよなぁ…」
「信金はもう頭打ちだよな…」
「ノルマはきついのに安月給すぎる…」
同じことを考えている職員の方も多いのではないでしょうか。
こういったことを悩んでいるあなたに、実際の現場で8年間仕事をしていた私がリアルに答えると同時に「今後どうすれば良いか」をお伝えします。
- 信用金庫の現状と将来性がわかる
- 将来性に欠ける信金業界で働き続けるか転職活動をするかを決めることができる

結論|信用金庫業界の将来は?
結論、信用金庫業界の将来性はない
これが結論です。
人口・企業数・金利・AIやフィンテックの台頭・金融市場に参入する会社の増加・メガバン、地銀の中小企業への取組強化など信用金庫に対する向かい風は年々は激しくなっています。
すぐに無くなる業界ではありませんが、ジリ貧状態で生き残っていく業界でしょう。
収益環境は今ですらかなり厳しい状態になっています。
今の支店長レベルが貰っている給料を仮に10年後20年後支店長になったとして貰えるとは限りませんし、そのころは今よりも業務量は増えるでしょう。
では実際に各種データを見ていきましょう。
10年前のデータとの比較
金庫数・会員数・業務純益など
項目 | 2011年 | 2021年 | 差額 |
---|---|---|---|
金庫数 | 271 | 254 | -17 |
店舗数 | 7584 | 7181 | -403 |
会員数(人) | 9,318,325 | 9,094,466 | -223,859 |
職員数(人) | 113,702 | 101,002 | -12,700 |
預金(億円) | 1,197,465 | 1,555,959 | 358,494 |
貸出金(億円) | 637,550 | 784,373 | 146,823 |
業務純益(億円) | 6,025 | 3,670 | -2,355 |
2011年と2021年を比較したデータになります。
この数字をみると単純な数字の増減に見えますが、「かなりやばい」状況です。
その理由を簡単に解説します。
- 貸出金の増加はコロナ融資による需要の先食い(将来融資額はかなり増えにくい)
- 預金量の増加はコロナ融資の預金歩留まり(根本的にお金が溜まっているわけではない)
- 貸出金増加・預かり資産増加しかし減益(融資残高はコロナ融資で激増したにも関わらず収益減少)
- 金庫数・店舗・職員数は減少(人員削減、しかし業務量は増加)
- 会員数の減少(廃業、倒産の増加で顧客数自体が激減)
ざっと説明しましたが、これだけ環境が悪いんです。
バブルの頃と比較しているわけではありません。
たったの10年でここまで収益が悪化しています。
斜陽産業といってもいいでしょう。
この業界で「10年後給料が上がっていく」「将来が明るい」ことは考えられませんよね…。
給与でみる信用金庫
全国254ある信用金庫ですが、トップ10でも平均年収はこれくらいです。
私が勤めていた信金もこの中にあります。
わたしの場合は29歳時点でもう少しは貰っていましたが、正直業務量とキツさに全く見合っていませんでした。
金融業界はいままで以上に厳しい環境になるでしょうから、今後年収が下がる可能性は非常に高いと思っています。
金融労連HPでメガバンク・地銀・第二地銀の平均年収を見てみると、メガバンク以外は平均年収が10年前と比較して右肩下がりであることがわかります。
今の時代、金融機関=安定という概念は急速に薄れつつあることを再認識しましょう。
ノルマの厳しさは、経営状態が良くないことを暗に示していますよね。
信用金庫がやばいと言われる具体的な理由
①顧客の大半が高齢者
信用金庫のメイン層はネット環境に不慣れな高齢者
信用金庫のメイン顧客は地元に住む高齢者です。
私が個人分野を担当しているときは顧客の9割が60歳以上の方(主に年金生活者)でした。
個人分野に関していうと、その高齢者から投資信託や保険などを契約頂き手数料収入を得ているわけです。
反対に、今の若者はネット銀行やネット証券を使いますよね。
投資信託にしても手数料を考えると圧倒的にネット証券に分があります。
これから若者が高齢者になったときに、ネット銀行から信用金庫に乗り換えるでしょうか?
変えませんよね。
信用金庫を利用しているのは主にネットに不慣れな高齢者の方であって、ネット環境に慣れている若者はこれからもネット銀行やメガバンクを使います。
若年層を取り込めない限り信用金庫が良くなることはないでしょう。


インターネットで情報がすぐに入る時代ですから信用金庫の営業マンが持つ情報に魅力を感じる若者は少ないです(笑)
②地域の企業数減少
信用金庫の本業である融資先数が急速に減少

このデータは1999年~2016年でのデータですが、信用金庫のメイン取引先である小規模企業が凡そ120万件減少していることがわかります。
信用金庫の本業である融資のメイン顧客はこの青色の小規模企業と呼ばれる方々です。
一部オレンジ色の中規模企業にも融資はしていますが、中規模となると地銀・メガバンクも競合になるため中々シェアをとれないのが現実です。
顧客減少の理由は廃業・高齢化・破産などさまざまありますが、ポイントは信金のメイン層がとてつもないスピードで年々減少していること。
更に追い打ちをかけるのは低金利による利ざやの悪化です。
金利についてはあとでも解説しますが、貸出先も減少して金利も低くなっているので環境はダブルで悪化しています。


信金はどこも融資先の純増が最重要使命ですが、これはほんっとにノルマ地獄でしんどかったです(笑)
③金利低下で利益が激減
金利は20年間で平均1.594%→0.332%へ急降下
日本銀行統計データによると国内金融機関の貸出平均金利は2002年2月時点では1.594%でしたが2022年2月時点では0.332%と目を疑ってしまうほど低下しています。
つまり単純な利息収益も1/5程度に落ちています。
裏を返すと、今までの5倍の融資額にならないと2002年並みの利益を得られないということ。
信用金庫は一般的に人件費などのコストがかさみ銀行と比較して高い金利を頂かないと収益が得られませんが、低金利環境に押され赤字ギリギリまで落とさざるをえないのが現実。
さらには景気悪化で借りる企業も少なくなっています。


信金の法人担当は正直めちゃしんどかったです。
④運用で収益を出している状態
本業では賄いきれず運用に頼っている状況
これはとある都内信金の令和2年度ディスクロージャーからまとめた数字です。
資金運用収益 | 23,731(百万) |
貸出金利息 | 15,384(百万) |
信用金庫はお客さまの預金や自金庫資本を株・国債・外債・有価証券などで運用しています。
- 本業である貸出金利息では収益が足りない為、運用で利益を賄っている
- 運用益237億>>>貸出金利息約150億
これは定食屋さんが本業で儲けられずに、株の配当でなんとか生活をしている状態で危険信号です。
定期的にポートフォリオは見直してはいますが赤字に転落することも、順調に利益が出せないこともある訳ですからね。
⑤退職する職員激増中
若手の退職者が急、信金内でも超問題になっている
信用金庫では最近若手の離職者が急増しています。

上記のグラフは「金融業界に勤めている方で転職サイトに登録した人の数」です。
信用金庫は緑色の線です。
2011年を1とすると、2017年では9倍になっています。
それだけ辞めたいと思っている人が多いということです。
私が働いていた金庫でも歯止めをかけるためにメンター制度を導入していましたがほとんど意味はありません。
「収益を出せる環境」と「利益を職員に還元する仕組み」がないのに働きやすい環境が作れるわけがないのです。


私の会社では退職者のお知らせが定期的に回ってきましたが、退職者が多すぎて何ページ分もある光景が普通でした
⑥ネット銀行の台頭
金利、スピード、手数料すべてにおいて圧倒的優位なネット銀行
楽天銀行・SBI銀行・SBJ銀行・新生銀行etc…
今はネット銀行が主流になりつつあります。特に証券会社との口座連携もあるためネット銀行を利用している方も多いのではないでしょうか。
振込手数料から金利、手続きスピードまで信金とはまるでレベルが違います。
これから更に差は広がっていくでしょうし、信金が大流行することは無いと考えます。

2chでの信用金庫に対する意見
信用金庫について書かれたスレッドを一部紹介します。
どれもリアルな反応でおもしろいです(笑)
【金融】信用金庫の職員だけど質問ある?


信金を辞めたい方のスレッドです。
2015年頃ですがいまも続けているんでしょうか…
元信用金庫職員だけど質問ありゅ?


私は胸グラを掴まれることはありませんでしたが、先輩に聞くとほんの数年前はあったそうですね!
ワイ信用金庫を本日退職、無職になるw【信金の闇】


レスを見てると辛くなるかも…
辞める前に転職活動は始めたいところです
【汗だく炎天下】信用金庫に就職【不潔な営業マン】


ここは最強に荒れていますね(笑)
信用金庫を転職しようと考えているあなたに伝えたいこと3つ
信用金庫で働き続けることで夢が叶うかを考える
信用金庫で働き続けることが悪いとは全く思いません。
- 信用金庫で働き続けることで自分の夢が叶う
- 信用金庫で働くことがとても楽しい
- 信用金庫の業務内容にやりがいを感じる
- 給与・待遇面で不満がない
- 信用金庫に将来性を感じる
このように感じるのであれば働き続けるのは正解でしょう。
しかし、明確な思いがなく、なんとなく惰性で働いているのであれば一度考え直すことをおすすめします。
私は信用金庫で働いていては自分の夢が叶わないと思ったのがきっかけで転職活動を始めました。
私の夢は「毎年ハワイと沖縄に行くこと」「自由な時間を増やすこと」「いずれ副業を法人化させること」「かわいい奥さんを見つけること」です(笑)
信用金庫ではその夢を叶えることができないと判断したので転職活動を始めました。
結果として年収100万円アップ、残業ノルマなしのweb会社へ転職することができ、人生がとても楽しくなりました。
具体的な転職の軸の決め方はこちらに詳しくまとめてありますので参考にしてください。

転職エージェントを利用する
転職活動にあたって転職エージェントは必ず利用するべきです。
信用金庫で働いていて、日々時間が限られている中で転職活動をするなら尚更ですね。
エージェントを利用すると以下のメリットがあります。
- 求人情報を常に教えてくれる。
- 面接日程や年収条件など先方の企業の間に入り交渉してくれる。
- 職務経歴書や面接対策などをサポートしてくれる。
転職エージェントは無料で利用できます。
後悔をしない転職のためにもエージェントは必須です。おすすめのエージェントについてはもう少し下にまとめています。
信用金庫を辞めたら後悔する?もったいない?
転職を考えた時にこういったことを考えますよね。
- 辞めたら後悔しそう
- 転職先の方がきつかったら?
- 他社で通用するのかな?
- また一から覚えるのが大変そう…
その心配、まったくいりませんよ!
自分の転職の軸をしっかり決めて転職すればこういった不安は全く気にしなくて大丈夫です。
むしろ転職に明るいイメージをもって全然OKです。
私の転職して良かったことや一日のスケジュールの変化をまとめていますので参考にしてください

信用金庫職員におすすめの転職エージェントTOP3

こちらで紹介している転職エージェントの中から、厳選したエージェントTOP3を紹介します。
世の中には無数の転職エージェントがありますが、本当に使うべきは少ないです。
信用金庫職員なら絶対に使うべきエージェントを解説します。
つい最近まで信金職員だった私の経験から間違いない転職エージェントしか載せません。
転職であなたの夢を叶えましょう。
「こうなりたいなぁ~」は必ず実現できます。
第1位 マイナビ金融エージェント

マイナビ金融AGENTは、マイナビエージェントの「金融業界専門転職支援サービス」
私ももちろん利用しました。
- 金融機関出身のアドバイザーがつくので相談がスムーズになる
- 自分の強みや業界の強みを理解してくれる
- 職務経歴書が専門性(クオリティ)が高いものがつくれる
もっと具体的に言うと
「金融出身者のみが転職できる隠れホワイト企業の非公開求人の紹介」
「信用金庫職員がどういった企業に転職しやすいのかのアドバイス」
「自分が気付いていない自分の強みの深堀り」
「どこにでも通用する職務経歴書の作成アドバイス」
こういったことを教えてくれます。
「信用金庫が嫌で転職活動を始めたのに、また金融は行きたくないよ…」と思った人もいるでしょう。
最終的に私は金融以外に転職しましたが、めちゃめちゃ行きたくなる金融系ホワイト企業の隠れ求人情報がありますよ!
もちろん、金融以外の業種も多くはありませんが取り扱ってます!
マイナビ金融エージェントで作って貰った職務経歴書は転職活動でずーっと使えるのでそういった意味でも是非おすすめしたいですね!
\信用金庫職員がまず使うべきはコレ!/
第2位 リクルートエージェント

リクルートエージェントは国内最大級の求人数を誇る転職エージェント
私自身もリクルートエージェントで転職を成功させています。
- 支援実績50万人を誇る国内最大級の転職エージェント
- 利用者の6割が年収アップして転職を成功させている
- 独占求人多数
もう少し具体定期に説明すると
「15万件を超える公開求人数・18万件を超える非公開求人数」
「全業種・全業界網羅」
「大手から中小企業まで対応」
「年収交渉に強く、良い条件で転職できる可能性がある」
こういった強みがあるのがリクルートエージェント、つまり全部網羅しているということ。
後で「あそこの企業も気になるな…」とならないようにするためにも求人数が多い大手エージェントは一社は登録しておくべき!
転職の軸がまだ見つからない方や、これから転職活動を始めようと思っている方はリクルートエージェントで一度いろいろな企業を見ておくことをおススメします!!
\国内最大級の求人数だから行きたい企業が見つかる/
第三位 doda

dodaは圧倒的な求人情報量と「転職サイト」と「転職エージェント」の両機能が利用できるのが強み!
・転職サイトとは企業調べから面接まで全て自分で行うこと
・転職エージェントは応募から面接調整までエージェントが代行してくれること
通常は両方個別に登録が必要なのですがdodaは一気に両方使えるのでとても楽でした。

国内知名度と求人の質は国内トップクラス。
求人情報件数は業界最大級である約16万件、非公開求人数も3万件以上!
業界1位の利用者満足度!リクルートに次ぐ業界第二位の求人数!
- アプリの使いやすさと見やすさが神
- 業界トップクラスの16万件という求人数で希望条件にマッチングしやすい
- 「転職サイト」「転職エージェント」の両方をつかえるので効率よく転職活動ができる
- 特に20代~30代の若手の転職に強く利用者多数
転職活動しているときって毎日のように転職サイトを開くんですよね。
dodaはアプリの画面の見やすさは断トツ一位でした。
しかもAIが自動でおすすめしてくれる企業がとっても魅力的!
\使いやすさNo1!/
信用金庫はやばい?危ない?まとめ
信用金庫業界は厳しい環境によって収益は悪化しており、今後明るい未来がくることは無いでしょう。
信用金庫に勤務しているあなたも身をもって感じていることではないでしょうか。
- 顧客の大半がネット環境に不慣れな高齢者
- 小規模・中小企業の減少
- 低金利による収益の悪化
- 離職する若手職員激増
- ネット銀行の台頭
こういった要素が無くならない限り信用金庫の未来は明るくなりません。
しかし、自助努力ではどうにもならないことも非常に多いですよね。
ではそんな環境で働き続けることが絶対的に正しいことなのでしょうか。
転職してわかったことは
信用金庫で働き続けることも一つの選択肢ですが、まずは自分の夢や幸せを掴みいくことの方が大切です。
信用金庫で働くことに悩んでいるあなたのアドバイスになれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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