全国主要100社を対象にした朝日新聞のアンケートで、社外での副業について、原則的に認める「届け出制」の企業が31社あり、「許可制」も含めると81社にのぼった。「個人と会社の成長につながる」などと前向きにとらえる企業が多く、コロナ禍が始まった後に制度化した例も目立つ。
損害保険ジャパンは昨年12月から副業制度の試行を始めた。希望者を募り、手を挙げた約70人にはキャリアコンサルタントをつけ、そのうち20人が実際に副業を始めた。これまでの仕事を通じて取得した社会保険労務士や保育士の資格を生かしたり、自動車保険の知識を活用して車雑誌に記事を書いたりしているという。本業は従来通り行ったうえで、休日などを副業にあてている。
同社人事部の中松武課長は「コロナ禍でテレワークが一般化し、移動時間などが減ったことで、働く側も仕事を出す側も副業のハードルが下がっている。これまでのところ働き過ぎなどの弊害は確認しておらず、社外との交流で仕事に広がりができたプラスが大きい」と話す。
18%が副業する大手企業も
東京海上ホールディングスは昨年1月、社員が挑戦しやすいように、副業を認める権限を本社から各部や支店におろしたところ、昨年の申請数は一昨年の倍の約200件に増えた。大学で非常勤講師として教えたり、マーケティングやアプリ開発などの知識を生かしたりしているという。人材育成のコンサルタントの副業経験が、社内での人材育成にも生きるなど、相乗効果がでているという。
武田薬品工業は今年5月、過…
【視点】こうした記事を読むとコロナ前に企業で働く方々に、満員電車の混雑に疑問を呈しても、「大学で働いている人にはわからない」と一蹴されていたことを思い出します。雨が降ろうが雪が降ろうが、必ず定時には出社していなければならないという「常識」は、コロナ…続きを読む