最期の五日間
間上 菜子
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宇宙の中でも、太陽系に属す惑星
表面に水、空気中に酸素を多く含み、多様な生物が生存している。
星の名前は【地球】。
多種多様な人種、動植物の生息する世界。
それが、この世界の"設定"である。
この世界は、仮想空間内に数あるゲームの一つにすぎない。
本物の人類が作り上げた惑星育成型ゲーム。
それが、この地球という世界だった。
ワタシは管理AI。
名前はない。
姿はなく、形もなく、人格もない。
あるのはただ、この世界を維持し続け、いずれ現れるプレイヤーの訪れを待つという役目のみ。
しかし、その役目も終わった。
この世界内の時間で約五日後。この世界の削除が行われることが決定した。
結局、この世界にプレイヤーは現れなかった。
望まれて作られたはずの世界は、結果として誰からも望まれず、誰の記憶の片隅に残ることもなく消えていく。
しかし。まだ。
ワタシには、まだ役目が残っている。
終了が決定したのであれば、それを伝えなければいけない。
その対象は本来であればプレイヤーなのだろう。
だがこの世界にプレイヤーはいない。
だから。
この世界に存在する、全ての"人間"へ伝えよう。
メッセージ送信。
対象:活動可能NPC全て。
この世界が終わるまでの最後の僅かな時間。
彼等の行動を、思いを、その全てを記録し続けよう。
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