試験概要

司法書士試験の科目とは?主要・マイナー全11科目を解説!

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科目

司法書士試験は,「筆記試験」と「口述試験」の2つで構成されています。

ただ「口述試験」は筆記試験に合格した方であれば誰でも合格することが可能なものとなっていることから、司法書士試験はとにかく「筆記試験」を突破することが最も重要であるとされています。

当記事では、司法書士筆記試験の「試験科目」についてお話をしていきたいと思います。

「試験科目」の特徴とその対策を本コラムでしっかりと掴んでいただき、合格を勝ち取りましょう!

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司法書士の試験構成

司法書士試験の「筆記試験」は、「午前の部」と「午後の部」で構成されています。

7月の第一日曜日に、朝から夕方までかけて試験が実施されます。

「午前の部」「午後の部」の詳しい構成は、次のとおりです。・「午前の部」(9:30-11:30の2時間)
出題科目:憲法、民法、刑法、商法

出題形式:択一式のみ

・「午後の部」(13:00-16:00の3時間)
出題科目:民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法、不動産登記法、商業登記法
出題形式:択一式・記述式

「午前の部」「午後の部」の両方を合わせると、科目数は全部で11あります。

司法書士の試験科目(筆記)は全11科目

司法書士試験の「筆記試験」は、全部で11科目あります。

これだけの科目数があると、途方に暮れてしまいそうですよね。

しかし、司法書士試験の場合、各科目の出題数はバラバラです。

出題数の多い科目と出題数の少ない科目に分けることができます。

なお、司法書士試験の世界では、一般的に「出題数の多い科目」のことを「主要科目」と呼び、「出題数の少ない科目」のことを「マイナー科目」と呼びます。

以下では、「主要科目」と「マイナー科目」について、もう少し掘り下げて解説していきます。

主要科目は4科目

まず「主要科目」からお話しましょう。

「主要科目」は、午前の部でいうと「民法」「商法」、「午後の部」でいうと「不動産登記法」「商業登記法」がこれに該当します。

・午前の部(択一式:計35問出題)

「民法」が例年20問出題、

「商法」が例年9問出題。

35問中29問がこの2科目で占められています。

・午後の部(択一式:計35問、記述式:計2問出題)

「不動産登記法」が例年択一式16問・記述式1問出題、

「商業登記法」が例年8問・記述式1問出題。

択一式は35問中24問がこの2科目で占められており記述式はこの2科目から出題されています。

このように、択一式の出題数でいうと、全体の76%がこの4科目から出題されており、記述式は不動産登記法・商業登記法から出題されています。

全体の4分の3強を占めていることからしても、いかにこれらの科目を攻略することが司法書士試験の合格に直結しているかが伺えます。

次に「主要科目」に数えられる4科目について簡単にご紹介しておきましょう。

民法

不動産が二重に譲渡されてしまった場合の対応の仕方であったり、不動産に担保を設定する際のルールなど、人や物、契約に関する基本的なルールをまとめた法律です。

「売買が成立したことにより所有者が変わったため、登記を移転させる」というように、民法の理解は、その後の不動産登記法の勉強にあたり必須となりますので、しっかりとマスターする必要があります。

商法

会社を設立する場合や、株主に会社のもうけを分配する場合等会社や商売に関する基本的なルールをまとめた法律です。

例えば株式会社の取締役が交代した場合には商業登記の変更を行う必要があるため、商法の理解は、その後の商業登記法の勉強にあたり必須となりますので、しっかりとマスターする必要があります。

不動産登記法

不動産の所有者が変わった場合等不動産登記に関するルールです。

択一式だけでなく記述式も出題されることから、他の科目に比べると、より深い理解・記憶の求められる科目です。

商業登記法

株式会社に関する基本事項等商業登記に関するルールです。択一式だけでなく記述式も出題されることから、他の科目に比べると、より深い理解・記憶の求められる科目です。

また、例年記述式の解答で時間不足になる受験生が多い科目でもあります。素早く解答が書けるように、しっかりと準備しておきたいです。

「主要科目」のなかでも、合格の鍵を握るのは、やはり「不動産登記法」です。

「不動産登記法」は、特に記述式において差がつきやすい科目のため、ここで遅れを取ると合格が難しくなります。

また「午後の部」の択一式のなかで最も出題数が多く、短期合格者が得点源とする科目となっているため、合格を目指すうえで得意科目にしておきたい科目といえるでしょう。

マイナー科目は7科目

次に「マイナー科目」をお話しましょう。

「マイナー科目」は、午前の部でいうと「憲法」「刑法」、「午後の部」でいうと「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」「供託法」「司法書士法」がこれに該当します。

「午前の部」(択一式:計35問出題)

「憲法」が例年3問出題、「刑法」が例年3問出題されます。35問中6問がこの2科目で占められています。

「午後の部」(択一式:計35問、記述式:計2問出題)

「民事訴訟法」が例年択一式5問出題、「民事執行法」が例年択一式1問出題、「民事保全法」が例年択一式1問出題、「供託法」が例年択一式3問出題「司法書士法」が例年択一式1問出題されるため、択一式は35問中11問がこの5科目から出題されています。

「マイナー科目」と呼ばれているため、一見するとそれほど重要には思えない科目ですが、筆記試験の合格基準を突破するうえでは、外すことのできない科目です。

特に「供託法」「司法書士法」は、過去の試験で問われた内容が繰り返し出題される傾向にあり、取りこぼしの許されない科目です。

また「午前の部」の「憲法」「刑法」は、例年高く設定される合格基準を突破するうえで取りこぼしが許されず、これらの科目の出遅れを「午後の部」で取り返すというのは、時間不足も相まってかなり難易度が高いです。

「午前の部」「午後の部(択一式)」「午後の部(記述式)」「総合点」それぞれの合格基準を突破するうえで、「マイナー科目」での正解も必要になりますので、これらについてもしっかりと準備をするようにしましょう。

司法書士の科目はどんな順番で勉強したらいい?

以上のように、司法書士試験は全部で11科目もある試験なわけですが、ではどの科目から勉強を始めればよいでしょうか。

また、どのような順番で勉強を進めていけばよいでしょうか。

司法書士試験の勉強を進めるにあたっては、次のような順番・ポイントを意識してみてください。

①まず、「民法」と「不動産登記法」からスタート

民法は物の売り買いの話であったり、アパート・マンションの賃貸の話であったりと、比較的私たちにとって身近な話題を中心に勉強していくこととなります。

そのため、まだまだ馴染みのない法律の世界の導入としてちょうどいい内容ではないかと思います。

そしてその次に「不動産登記法」へ進みます。

民法の世界で行ったこと(例:不動産の所有者が変わった、不動産に担保を設定することになった)を、不動産登記の世界でどのように表現していくのかというルールを学ぶのが「不動産登記法」だからです。

「民法」で学んだ知識がまだ残っているうちに、不動産登記の仕組みをしっかりと学んでしまいましょう。

関連コラム:【司法書士試験】民法の勉強法を解説
関連コラム:【司法書士試験】不動産登記法の勉強法を解説

②商法→商業登記法

次に、「商法」と「商業登記法」を勉強していきます。

今度は、株式会社等会社に関する様々なルールを学び、そのことを商業登記の世界でどのように表現していくのかというルール(「商業登記法」)を学びます。

商業登記法は、実際の試験もそうですが、商法で勉強する内容を相当程度正確に理解・記憶していないと解けない問題が数多く出題されます。

これら2科目は、つながりが大変強い関係にありますので、両者の関係性を意識しつつ勉強を進めていきましょう。

関連コラム:【司法書士試験】会社法・商法の勉強法
関連コラム:【司法書士試験】商業登記法の勉強法を解説

③民事訴訟法→民事執行法→民事保全法

主要4科目の勉強が完了したら、次は「マイナー科目」に入ります。

まずは「民事訴訟法」「民事執行法」「民事保全法」の3科目です。

択一式しか出題されませんので、これらの科目はテンポよく進めていきましょう。

様々な手続きに関する法律を学ぶことになるため、割と理解に苦労する科目でもあります。

そこで、ひとまずザっと最後までやり切ってしまい、全体像をある程度把握した後、徐々に細かな話に掘り下げるイメージで進めていきましょう(ただし、過去問で問われている以上のことを知る必要はありません)。

関連コラム:【司法書士試験】民事訴訟法の勉強法を解説
関連コラム:【司法書士試験】民事執行法の勉強法を解説

④供託法

民事3科目が終わったら、次は「供託法」です。

「供託法」は、出題のパターンが比較的決まっている科目ですので、過去問を中心としてサクサク進めましょう。

関連コラム:【司法書士試験】供託法の勉強法を解説

⑤司法書士法

「供託法」が終われば、今後は司法書士法です。

例年1問しか出題されませんので、時間をかけるのはあまり得策ではありません。

過去問を中心とした学習に留め、次に進みましょう。

関連コラム:【司法書士試験】司法書士法の勉強法を解説

⑥憲法→刑法

最後は「午前の部」のマイナー科目です。

それぞれ3問しか出題されないにもかかわらず、ややこしい話が多いのが、これら2科目の特徴です。

まずは過去問で問われたことを答えられるように準備をし、他の科目の勉強がある程度進んだら、これら2科目の内容を掘り下げるという方針でいきましょう。

関連コラム:【司法書士試験】憲法の勉強法を解説
関連コラム:【司法書士試験】刑法の勉強法を解説

まとめ

司法書士試験の勉強を始めるにあたっての、学習の順番に関する話は以上です。

ここまでお読みいただくとお気づきになることと思いますが、司法書士試験は科目数が11科目もあるため、科目間のバランスがとても難しい試験です。

いくら「民法」「不動産登記法」が重要だからといって、「商法」「商業登記法」はおろそかにできませんし、マイナー科目も合格基準を突破するうえで外せません。

とても絶妙なバランスを取って勉強する必要があり、それが司法書士試験の短期合格のハードルを上げる大きな要因なのではないかと思われます。

そのため、司法書士試験に短期で合格することを考えるのであれば、受験指導のプロの力に頼ってしまうのが無難です。

指導者の経験に基づく他者からの視点により、勉強の軌道修正をこまめに行い、試験勉強全体の偏りを防ぐことができます。

特に初めて勉強をする方は、経験がないが故に科目間のバランスを取ることができず、試験までに終わらせることのできない時間切れに陥ることが多々あります。

これらの点に注意して、試験の勉強をスタートさせていただければと思います。

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