無人島 ~俺の10枚~ 【WONK:江崎文武 編】

2017年08月30日 (水) 18:01

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yahyel、D.A.N.、Daiki Tsuneta Millennium Parade ... 近年シーンに続々と登場する日本人アーティストの作り出すサウンドのクオリティーがすこぶる高い。今回登場してくれた WONK もまさしくそんな新世代を代表するバンドの一つだ。彼らの作り出すサウンドは、邦楽・洋楽という区別をバカバカしいものに変えてしまう。それは、米ブルーノートレコードを代表するアーティスト Jose James の新作への参加などからも明らかだ。

エクスペリメンタル・ソウルバンドを自称する WONK が、ベースにソウルミュージック・ブラックミュージックを持っている事は間違いないのだけれど、そのサウンドはジャズにもビートミュージックにも聴くことが出来る。常識にとらわれず鳴らされるサウンドは心地良い。そんな自由なサウンド構築を志す4人組 WONK がリリースする新作は、なんとツインアルバム。『Castor』『Pollux』という2作が同時にリリースされる。まだ新人と言える彼らが、なぜ2作の別の作品を同時にリリースするのか?その答えはこだわり尽された作品の中にある。

今年は、SUMMER SONIC 2017、東京ジャズ2017、Blue Note Jazz Festival in Japan など各大型フェスへの出演も決定している WONK。こうしたフェスなどを通じ、彼らの音楽が国境・世代を超えた音楽ファンにリーチしていく事は、とてもワクワクするではないか。

そんな次世代シーンを作り上げていくだろう担い手 WONK のメンバーがローチケHMVニュースの「無人島 ~俺の10枚~」に登場してくれた。連載形式で毎週1名のメンバーが10枚の作品を紹介してくれる。さて、彼らが選ぶ作品とは?

無人島 ~俺の10枚~ 【WONK:江﨑文武 編】
音楽好きには、超定番の企画“無人島 ~俺の10枚~”。なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらう。ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別。今回のお客様は、WONK 江﨑文武(Keyboard)が登場。

João Gilberto 『João Gilberto』
超インドア派なので、無人島に着いた瞬間、得体の知れない虫や舗装されていない道の土埃にメンタルをやられそうなのですが、とりあえずリラックスするためにボサノヴァを聴こうと思います。ボサノヴァといえばやっぱりこの人。一度は生で聴いてみたい。東京でのライブレコーディング盤もあるのですが、そちらも絶品です。


Ennio Morricone 『The Legend Of 1900』
何はともあれ、無人島での海の情景には感動しそうです。海を眺めながら聴きたいのは世界的な作曲家、エンニオ・モリコーネ『海の上のピアニスト』のサウンドトラックです。いつ聴いても泣ける名旋律。ちなみにインドア派なので、小学校低学年以降、1度も海水浴には行ってません。


武満徹 『波の盆』
同じく海のものを。日本が世界に誇る作曲家の1人といえば武満徹さん。いわゆる「現代音楽」のフィールドの人だと思われがちですが、実は尊敬する音楽家にビートルズを挙げていたり、自身も少しジャズを嗜んでいたりと、ポピュラー音楽にも造詣の深い人物です。『波の盆』は1983年放送のテレビドラマに向けて書かれた劇判音楽。オーケストラサウンドの中にシンセサイザーが取り込まれていたりと、その独特なハーモニーに耳を傾けて欲しいです。静かな海を眺めながらぼーっと聴きたい。


Sublime & Jun Miyake 『Ludic'』
海を眺め終わったら、散歩にでも出かけたいですね。きっと島にいるという現実から逃れたくなるので、歩きながら聴きたいのは都会の香り漂うこの1枚。小中学生の頃に流れていた車のコマーシャル音楽に衝撃を受け、それをきっかけに知ったのが作曲家の三宅純さんでした。最近ではリオ・オリンピックの閉会式の音楽(君が代のアレンジ)を担当されていたことが話題に。


Gerry Mulligan 『Night Lights』
島内の散歩も終え、夜を迎えます。無人島での夜はホームシックが増すと思うので、この1枚も持っていきます。Gerry Mulligan の『Night Lights』、言わずと知れた名盤です。都会の夜の気分に浸りたい。クーラーの効いた虫のいない部屋でアイス食べながら YouTube 見たい。Netflix 見たい。


Astor Piazzolla 『五重奏のためのコンチェルト』
無人島では得体の知れない虫との闘いも避けられないでしょう。闘志を燃やすためにもこの情熱的な作品を持っていきます。アストル・ピアソラはアルゼンチンの音楽家で、リベル=タンゴは誰もが1度は耳にしたことがあるのではないかと思います。物心つくまで長らく僕もあれがタンゴだと思っていたのですが、ピアソラは伝統的なタンゴの破壊者と評されることも。一方では、クラシックとジャズとタンゴを結びつけ、新たなジャンルを創出した存在でもあります。本作には「ブエノスアイレスの四季」より、もっとも甘美なメロディーを持つ「ブエノスアイレスの冬」が収録。名演。


The Beatles 『1967-1970』
だんだん無人島で無理に理由づけするのがしんどくなって来ました。次に持っていくのはビートルズの青盤です。ド定番ですが、親の影響で繰り返し聴いていました。おそらく自分史上最も聴いている作品です。小さい頃から赤より青派です。緑のたぬきより赤いきつね派です。カップ麺もないんだよな、島には。


Anatoly Vedernikov 『Scriabin, Prokofiev, Stravinsky』
スクリャービンはロシアの作曲家です。ベデルニコフによる本作、中でも24の前奏曲の11番が好きで、小学校だか中学校だか、ピアノのレッスンでもさらっていた曲です。ここ最近はバンド活動の影響もあってクラシック音楽からは離れつつあるので、たまにはホール・コンサートにも出かけたいなと思います。その前に無人島を去らねば。


Kendrick Lamar 『To Pimp A Butterfly』
ここまでのセレクトが WONK っぽくなさすぎるのでこの1枚を。WONK を結成しなかったら、僕はまずヒップホップというジャンルには出会わなかったと思います。クラシックとストレート・アヘッドなジャズばかり聴いていたので。とはいえ、この数年間で、世界的にも、ジャズサイドからヒップホップというジャンルを垣間見ることが出来るようになりましたね。ちなみに、ヒップホップを聴きながら夜道を歩いている時は、毎回自分が「強い存在」になった気がする、というひどい勘違いを引き起こしているので、これで無人島の怖い夜道もへっちゃらそうです。


Bill Evans 『Waltz For Debby』
最後は本当に持っていきたい1枚で終えたいと思います。僕の人生が変わったと言っても過言ではない作品です。中学生になるころ、本作を通してジャズに出会い、ピアノという楽器の捉え方が180度変わりました。ジャズピアノを独習するきっかけにもなった作品で、アドリブ部分も含めほとんど完コピし、同い年のバンドメンバーを揃えて、中学生ジャズトリオを結成しました。僕にとってのコピバンデビュー作品でした。この作品だけは、無人島に行こうと肌身離さず持っていたい1枚です。



各メンバーが選んだ10枚はこちら

無人島 ~俺の10枚~ 【WONK 連載編】

エクスペリメンタル・ソウルバンドを自称し、ジャズにもビートミュージック... と常識にとらわれない自由なサウンド構築を志す4人組 WONK が、ローチケHMVニュースの「無人島 ~俺の10枚~」に登場。連載形式で毎週1名のメンバーが10枚の作品を紹介してくれる。

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アルバム詳細


WONK
アルバム『CASTOR』
2017年9月6日(水)発売

1st アルバム『Sphere』から1年、海外ツアーや各所国内フェスへの出演・媒体露出など、様々な活動を経て既に貫禄を見せるWONKが放つ、世界の音楽シーンに呼応する最先端のポップ・アルバム。全9曲収録。

<収録曲>
01: Introduction #3 - Castor
02: Midnight Cruise
03: Gather Round feat. Matzuda Hiromu (Talkbox)
04: Dance on the Water
05: Promise
06: Interlude #1 feat. Daiki Tsuneta Millennium Parade
07: Mirror
08: Parallel
09: Small Blue Fool

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Castor

CD

Castor

WONK

価格(税込) : ¥2,200

会員価格(税込) : ¥2,024

まとめ買い価格(税込) : ¥1,870

発売日: 2017年09月06日

注文不可


WONK
アルバム『POLLUX』
2017年9月6日(水)発売

フィーチャリングアーティストにRITTO(MC), Epic(MC), Miki Hirose(Tp), 加えて、NYのフューチャーソウルバンド“The Love Experiment”よりKim Mayo(Vo.)を迎えたエクスペリメンタル・アルバム。6月にデジタルリリースされたスマッシュヒットシングル“Give Me Back My Fire”を含む全9曲収録。

<収録曲>
01: Introduction #4 - Pollux
02: Give Me Back My Fire
03: MVP feat. RITTO (MC)
04: Make It All Mine feat. Kim Mayo (Vo) from The Love Experiment
05: Interlude #2
06: Babel feat. Miki Hirose (Tp)
07: Economic Wonderland feat. Epic (MC)
08: Loyal Man’s Logic
09: FAKE_PRMS

ご購入はこちら

Pollux

CD

Pollux

WONK

価格(税込) : ¥2,200

会員価格(税込) : ¥2,024

まとめ買い価格(税込) : ¥1,870

発売日: 2017年09月06日

注文不可


ライブ情報


WONK全国ツアー“GEMINI” TOUR 2017

09月15日(金) 名古屋 CLUB UPSET w/The fin.
10月07日(土) 熊本NAVARO
10月08日(日) 福岡ROOMS
10月14日(土) 広島Que Sera Sera Wine & Music Festival
10月21日(土) 京都 BORO FESTA 2017
10月27日(金) Billboard Live OSAKA
11月02日(木) 仙台darwin
11月11日(土) 東京WWWX
11月25日(土) 札幌 DUCE
11月26日(日) 旭川WORLD HALL



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