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マツキ 村越さんは「役者モノ」というジャンルにしたかったんですよね。

村越 そう。「演技バトル」みたいな。

マツキ まずジャンルをはっきり示さないと『ジャンプ』の読者はついてきてくれない。それはそのとおりだと思ったので乗っかりました。でも芝居ってジャンルはやはり未知で、打ち合わせも「人生ってなんだろう?」みたいな荒唐無稽な話題になりがちですね(笑)。

村越 ルールのないスポーツに、こっちでルールを与えて戦わせているみたいな感覚はあるよね。

――宇佐崎先生は、そういうストーリーの部分にはまったくタッチしないんですか?

宇佐崎 しないですね。「下ネタのノリがきつい」とか、それくらいです(笑)。

村越 宇佐崎さんは、キャラをちゃんと愛するタイプの読み方をするから、そこの意見はけっこう参考にしますね。『銀河鉄道の夜』編の七生に舌ピアスが開いてるとか、夜凪が変なTシャツ着てるとか。

マツキ ひいきかよってくらいの愛し方をしてますよね。例えば、千世子とか七生の絵に対する愛着は、すごく感じる。

宇佐崎 ひいきというよりは(笑)、私にとってわかりやすいんですよ、千世子は。単純に「こういう人間好きやな」と思っていろいろ掘り下げてきた部分とかがリンクしていて。「こんな表情してほしい」とか「このしぐさやったらぐっとくるな」とかそういうのがあって、それがダイレクトに作品に出る。今後「好き」の範囲を広げていければいいなって思っています。


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「異色のジャンプマンガ『アクタージュ act-age』制作秘話。「ジャンルをはっきりさせないとジャンプ読者はついてきてくれない。それで『役者モノ』『演技バトル』という未知のジャンルが誕生しました」」の画像1 「異色のジャンプマンガ『アクタージュ act-age』制作秘話。「ジャンルをはっきりさせないとジャンプ読者はついてきてくれない。それで『役者モノ』『演技バトル』という未知のジャンルが誕生しました」」の画像2 「異色のジャンプマンガ『アクタージュ act-age』制作秘話。「ジャンルをはっきりさせないとジャンプ読者はついてきてくれない。それで『役者モノ』『演技バトル』という未知のジャンルが誕生しました」」の画像3 「異色のジャンプマンガ『アクタージュ act-age』制作秘話。「ジャンルをはっきりさせないとジャンプ読者はついてきてくれない。それで『役者モノ』『演技バトル』という未知のジャンルが誕生しました」」の画像4